2019/12/20

GPS首輪を付けられた野生ニホンザル♀



2019年7月下旬・午前6:05頃

早朝から山麓の路上に散開して毛繕いなどしてのんびり寛いでいるニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れを撮影していると、突然何かに驚いて群れが一斉に右の山林へ走って逃げ始めました。
母親は子猿を素早く抱き寄せ、連れて逃げます。
何事かと思いきや、左奥から1頭の老いた♀が走って来て群れに合流し、路上に座り込みました。

この個体はピンクの細長い乳首が胸部に目立つので、過去に何度も子猿を産んで育て上げたのでしょう。
毛皮が白っぽいのは、ヒトの白髪のように老化なのでしょうか?(それとも白変種?)
この個体は首に首輪を装着しており、黒い小箱が取り付けられていました。
おそらくこれはテレメトリー調査のためのGPS受信機なのでしょう。
遊動する群れの位置を刻々と記録し、農作物の猿害対策にも役立ちます。
ニホンザルの群れが農地に接近していることを農家にリアルタイムで通報し、警戒することが可能になります。
ニホンザルの群れは母系社会で、♀は基本的に生まれた群れで生涯を送ります。
一方♂は成熟すると生まれた群れを離れ、近隣の別な群れを渡り歩いて暮らします。
したがって、GPS首輪を装着するためには♀を罠で生け捕りにしないと長期間の記録が取れません。
(♂は群れからすぐに居なくなってしまう可能性が高い。)


ニホンザル家族群+♀首輪@路上

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