2019/12/18

網にかかったショウリョウバッタ♂を捕帯で絡め取るナガコガネグモ♀(蜘蛛)



2019年8月中旬・午後13:18〜13:24

河川敷に植栽されたマサキの生垣にナガコガネグモ♀(Argiope bruennichi)が垂直円網を張って獲物を待ち伏せしていました。
下向きに占座したこしきまでの高さは地上から約70cm。
縦一直線の隠れ帯が目立ちます。

まずは、ちょっとした実験をしてみました。
キカラスウリの未熟な青い実をクモの円網に投げつけてみたのですが、異物を網から取り外して捨てる行動は見られませんでした。
意外にもクモは全く無反応で、カラスウリの実は網から自然に落ちました。
円網の左側が少し破損したのは、このためです。
(映像はここから。)

たまたま近くの草むらを跳びはねていたショウリョウバッタ♂(Acrida cinerea)を捕獲できたので、生き餌としてクモに与えてみることにします。
生きたショウリョウバッタ♂を網に投げつけると、こしきの右上に付着しました。
今度は直ちに反応して、ナガコガネグモ♀は獲物に駆け付けました。
強力な後脚で跳ねる動きで網から逃げようと暴れる獲物をクモは捕帯と呼ばれる粘着力の強い帯状の糸で簀巻にしました。
捕帯の消費量をなるべく最小限に留めたいのか(節約志向)、獲物がおとなしくなるとラッピング行動も中断しました。
脚に次の捕帯を構えた状態で獲物の様子を窺っています。
ラッピング中に獲物に噛み付いて毒液を注入したかどうか、よく分かりませんでした。
ショウリョウバッタ♂がおとなしくなったのは、ただの擬死(死んだふり)かもしれません。
クモはラッピングした獲物を網に放置したまま甑に戻り、下向きに占座しました。
すぐ食べないということは、満腹状態なのでしょう。

動かなくなった獲物を草の茎でつついて振動を与えてみましょう。
獲物が息を吹き返して暴れ始めたと勘違いしたクモが直ちに反応し、捕帯ラッピングを追加し始めました。
するとショウリョウバッタ♂が本当に息を吹き返し(擬死が解けた?)、後脚で力強く跳ねる動きを繰り返して網から逃がれようと必死に暴れます。
ナガコガネグモ♀は獲物の包みをくるくると回しながら大量の捕帯で念入りにラッピングし、簀巻にしてしまいました。
これでもうショウリョウバッタ♂は逃げられません。
獲物の首元に噛み付いて毒液を注入したようです。
ラッピングが完了した獲物を今度も網に張り付けたままクモは甑に戻りました。
ラッピング行動によって、垂直円網の右側も大きく破損してしまいました。

捕帯で包まれ毒液を注入されてもショウリョウバッタ♂は未だ生きていて、後脚で力強く跳ねる動きを繰り返しています。
クモは後でお腹が空いたらゆっくり捕食するつもりなのでしょう。


ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網・全景
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網・全景

ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網+ショウリョウバッタ♂:捕帯ラッピング後
ショウリョウバッタ♂@ナガコガネグモ♀(蜘蛛)垂直円網+捕帯ラッピング後
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網+ショウリョウバッタ♂給餌+再捕帯ラッピング後
ナガコガネグモ♀(蜘蛛)@垂直円網+ショウリョウバッタ♂給餌+再捕帯ラッピング後・全景
ショウリョウバッタ♂@ナガコガネグモ♀(蜘蛛)垂直円網+再捕帯ラッピング後

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