2018/04/04

ミヤマアカネ♀♂連結打水産卵からの♀単独打水産卵



2017年9月上旬・午後12:13〜12:16

正午過ぎに街中の側溝でミヤマアカネ♀♂(Sympetrum pedemontanum elatum)が連結飛翔しながら連続で打水産卵していました。
用水路を流れる水深はかなり浅かったです。
産卵地点は流れの中央ではなく、コンクリートの護岸付近のようです。(死角でうまく撮れず)
本種は卵で越冬するそうです。

しかし、こんな水草も生えていない殺風景なコンクリート三面張りの水路に産卵しても、無事に孵化してヤゴが育つとは思えません。
冬は融雪溝として使われるため水量が激増し、大量の雪が連日投下されるからです。

やがて、この♀♂ペアは尾繋がりを解消してしまいました。
私が近づいたから焦って連結が外れてしまったのかと申し訳なく思ったのですけど、後に本種の産卵習性を知るとどうやら自然に別れたようです。
驚いたことにミヤマアカネ♀は単独でも産卵を続け、♂はその近くでホバリング(停空飛翔)しながら警護していました。
本種は分かりやすい性的二形(雌雄異型)なので、観察しやすくて助かります。
成熟した♂は目にも鮮やかな「赤とんぼ」ですが、♀は地味な黄色っぽい体色です。

その後、♀だけが近くの路上で暫し休息(日光浴?)しました。
私が♀の写真を連写している間に♂の姿を見失ってしまいました。
次の♀を探しに行ったのかもしれません。


図鑑『日本のトンボ (ネイチャーガイド)』でミヤマアカネについて調べると、まさに観察した通りの産卵行動が書いてありました。

交尾後のペアは連結態のまま浅い流れを訪れ、水面や泥面を腹端で打って産卵する。♂の警護飛翔を伴い、♀が単独で産卵することもある。飛翔中は翅の模様がちらつくように目立つ。(p405より引用)

wikipediaでも同様の記述でした。

産卵は打水産卵または打泥産卵で、緩やかで浅い流れの上を通常は雌雄が連結して行う。流速が早い場所、水深の深い場所は産卵には適していないようである。産卵の途中で「キ」の字に連なったまま植物などにつかまり休息することも多い。その後連結を解いて雌の単独で産卵に移行することもあり、その場合は短時間ではあるが雄が上空で警護飛翔をする。


ミヤマアカネ♀♂@用水路+連結打水産卵
ミヤマアカネ♂@用水路+警護飛翔
ミヤマアカネ♀@路上+休息:産卵直後

2018/04/03

ナスとリンゴの果実を食べ排便するノハラナメクジ?【40倍速映像】



2016年9月下旬

ヒダリマキマイマイと同じ容器(大き目の水槽)でナメクジを何匹か飼っています。

台所の流しで徘徊するナメクジを見つける度に採集して、飼育容器に投入していたのです。(野菜と一緒に外から持ち込まれたナメクジ?)
餌として野菜屑を適当に入れてやると、この日はナス(茄子)のヘタが気に入った様子です。
40倍速の早回し映像をご覧下さい。

ナスの黒紫色で固い果皮には全く口を付けていません。
輪切りにした断面の白くて柔らかいスポンジ状の果肉にえぐれたような食痕が残りました。
この嗜好はヒダリマキマイマイと同じでした。

▼関連記事
ナスの実を食べるヒダリマキマイマイ 【10倍速映像】

黒い大触角を途中で引っ込めたのは、撮影用の照明が眩しいからですかね?
ナスに頭をつっこんでいる体勢のため、触角が傷つかないように引っ込めているだけかもしれません。

移動する前に、体の前方右側からオレンジ色の糞をニョロニョロと少し排泄しました。(@1:39)
糞の色は前に食べたニンジンの色素(カロチン)から来ているのでしょう。
橙色の糞がナスのへたに残りました。
ヒトのうんちは、ヘモグロビンの分解産物の色の影響が強く、食べた物の色にあまり左右されないような色(茶色系)になりますが、ナメクジが排泄するうんちは食べたエサと同じ色をしています。(p34より引用)


後半ナメクジはナスのヘタから離れ、隣に置いてあったリンゴの皮を摂食しました。
体を左右に動かしながら、皮の裏に薄く残った白い果実の部分をデザートとして食べているようです。

宇高寛子、田中寛『ナメクジ:おもしろ生態とかしこい防ぎ方』によれば、

ナメクジはゴミ食い(動植物の遺体食い)であり、生きた植物はそれほど好きではない(p83より引用)
もっと腐りかけの生ごみが好みなのかもしれませんが、飼育下では衛生面からご希望に応えられず誠に申し訳ないです。

さて、このナメクジの和名、学名が分かりません。
背中に甲羅が見えるのでコウラナメクジ科だと思うのですが、チャコウラナメクジとは違い、体の左右に黒い線が全くありません。
体全体が茶色で、素人目には特徴がありません。
体長を採寸するのを忘れました。
動画撮影中にコインでも並べて置くべきでしたね。
ヨーロッパからの外来種ノハラナメクジDeroceras reticulatum)でしょうか?
ナメクジの見分け方(簡易版)」サイトを参考にしたら、ノハラナメクジが候補に残りました。

体長は這っている時で5cm程度と小型。全体的に灰色~茶色で目立った模様は無い。
大触覚(原文ママ。「大触角」の誤植)が灰色~黒色。外来種。コウラナメクジ科。
体色が違い自信がないので、もし間違っていたら、ご指摘願います。
この検索表は「簡易版」と断っているように、国内で見られるナメクジを網羅しているとはとても思えません。

それともチャコウラナメクジ類の一種(Ambigolimax sp.)とすべきでしょうか?

日本にはチャコウラナメクジのほか、外見的によく似た複数種が侵入し、定着している。これらは生殖器の形で区別できる。(『カタツムリハンドブック』p64より引用)


※ 接写パートのみ動画編集時に自動色調補正を施しています。




↑【おまけの動画】
オリジナルの10倍速映像をブログ限定で公開しておきます。



ミドリシジミ♀AB型の日光浴



2017年9月中旬

柳やハンノキなどが生えた湿地帯の遊歩道を歩いていると、アメリカセンダングサ?の葉の上で見慣れないチョウを見つけました。
翅をゆっくり開閉しながら日光浴していました。
一瞬コムラサキかと思いきや、尾状突起があるのでシジミチョウの仲間でしょう。
翅の縁がやや破損していますが、翅表に美しい青とオレンジ色の斑紋があります。

帰宅して図鑑で調べてみると、ミドリシジミ♀AB型(Neozephyrus japonicus japonicus)と判明。
ヒサマツミドリシジミは本州西南部にしか分布しないので除外しました。

(ミドリシジミの)雌の翅には遺伝的多型があることが知られ、表面全体がこげ茶色で斑がない[1]O型、橙色の小さな斑点がある[1]A型、紫色の帯(青色の斑[1])のあるB型、それらの両方がある[1]AB型である[注釈 1:]。^ ミドリシジミの雌の表翅の斑紋による識別のO、A、B、AB型は、人間の血液のABO式血液型とは遺伝形態が異なる。(wikipediaより引用)
この個体はAB型の♀になります。
素早く飛んで逃げるシーンをスロー再生にすると、翅裏の斑紋もなんとか確認することができました。

こんな時期に(しかも平地で)、まさかゼフィルスの仲間と出会えるとは意外でした!
栗田貞多男『ゼフィルスの森』という専門書(生態写真集としても見事)を紐解いてミドリシジミの出現期を調べると、

低地では6月中、下旬が盛期だが、山地や寒冷地では7月中旬〜8月上旬に入ってから見られる。(p141より引用)
それにしても9月中旬というのは、時期的に遅い目撃例になりそうです。
近くの河畔林にはミドリシジミ幼虫の食樹であるハンノキが生えているので、ここが生息地なのだと納得しました。



【追記】
浅間茂『カラー版 虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略 』という中公新書にミドリシジミについての記述もありました。
ミドリシジミの翅も構造色である。(中略)日中は下の草原や低木に休んでいるか、翅を閉じている場合が多い。ときには日光浴のためか、翅を広げている場合がある。♂の表の青緑色の部分と、♀の前翅表の青色の斑紋の部分は、いずれも強く紫外線を反射する。 (p31-32より引用)



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