2016年9月下旬
道端に咲いたニラの群落でミドリヒョウモン♂(Argynnis paphia)が訪花していました。
風が吹いて花が揺れ、非常に撮り難い条件でした。
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫が営繭前に下痢便を排泄
ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#11
2016年9月中旬
いよいよウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の終齢幼虫が営繭場所を探索するワンダリング(徘徊)を始めました。
一緒に飼っているイラガ幼虫のワンダリングに比べると移動速度が遅い印象です。
ミズナラ(食樹植物)の枝を差していたペットボトルの口まで降りて来てウロウロした挙句、自発的に落ちました。
繭作りを観察しやすいように、蚕の繭棚を模したミニシャーレに幼虫を閉じ込めてみました。
糸を紡ぐ足場として細長い紙を丸めて中に終齢幼虫を入れます。
これはヒメクモバチの飼育で上手くいった方法です。
透明なプラスチック容器の蓋越しに、徘徊中の幼虫の腹面の蠕動運動を接写することができました。
本で読んだ通り、確かに腹脚は完全に退化しています。
腹面全体を波打たせるように蠕動して、ナメクジのように前進します。
名著『わたしの研究:イラガのマユのなぞ』p57によると、
イラガの幼虫には、あるくための足がありません(とくに、腹の足は、ほとんどみえません。胸の足は、すこしあとがのこっています)。どうしてあるくかというと、ちょうどナメクジがはうように、からだをうしろからまえへ、波のようにうごかしてすすみます。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
どうやらウスムラサキイラガ終齢幼虫はこの場所が気に入らなかったようです。
繭を作り始めるどころか、紙を丸めた足場用の小部屋を引きずって歩き回り、隙間からの脱出を試みています。
営繭前に消耗しそうで心配になり、この方法は中止しました。
つづく→#12:繭作りのため地中に潜るウスムラサキイラガ(蛾)終齢幼虫【60倍速映像】
2016年9月下旬
用水路沿いに咲いたナガボノシロワレモコウの群落でキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が訪花していました。
花穂をぐるぐる回りながら吸蜜しています。
先客のハナグモ♂(Ebrechtella tricuspidata)?とニアミスしても、体格差があり過ぎて(蜂>蜘蛛)勝負になりません。
2匹居たクモのうち1匹が花から慌てて落ちて逃げました。
もしかするとハナグモは縄張り争い中または求愛行動中だったのかも?と思ったものの、スズメバチが邪魔したせいで分からず仕舞いです。
風媒花とされているヘラオオバコも実は蜜腺をもつ虫媒花ではないか?という疑惑がこれでますます強まりました。
詳しくはこちらのまとめ記事(リンク集)をご覧下さい。
今季だけでもスズメバチ科のPolistesおよびVespaの各種が訪花していました。
カリバチは花粉目当てに訪花することはありません。
徘徊性クモが待ち伏せしている時点で、ナガボノシロワレモコウに訪花する昆虫が多いことを示唆しています。
【追記】
私は初めこの花をヘラオオバコかと思い込んでいたのですが、訂正しておきます。