2016/02/03

条網を移動するオナガグモ(蜘蛛)



2015年10月上旬・午前9:23〜9:28


▼前回の記事
条網を綱渡りする夜のオナガグモ【蜘蛛:暗視映像】


真夜中に見かけたオナガグモAriamnes cylindrogaster)と翌朝に再会しました。
前夜とほぼ同じ位置に居て、枝間に張り渡した水平の条網で綱渡りしていました。
身繕いしているのか糸屑を食べているのか不明です。
やがて条網上で方向転換しました。
それまで持っていた白い糸屑を条網の三叉路合流点に付けたように見えました。
最後は松葉のように体を伸ばして静止しました。

何をしていたのかよく分かりませんが、糸疣に注目すると条網を張る造網行動(または条網の張り替え)なのかもしれない、という気がしてきました。

クモ生理生態事典 2016」でオナガグモの移動法に関して次のような記述がありました。

糸上を前進する時には第1・2脚で糸をたぐり,第3脚で糸を丸める.この時,右1脚で確保された糸は左2脚へ送られ左3脚で丸められる. 方向転換の時は前方と後方の糸を糸いぼの箇所でつなぎ,転換して,前部で糸を切断してから,新しい糸を糸いぼから出しながら前進する. 上方へ進む時には糸いぼから前へ糸がつながっている点が水平の糸上を進む時と異なる点である〔新海明AT49/50〕.
これを読んで、オナガグモが綱渡り中に糸屑のようなものを持っている理由が判明しました。
不要な糸を丸めるのは良いとして、なぜ食べてタンパク質を再利用しないのでしょう?
欲を言えば、もう少し拡大してスローモーションで接写したかったです。

いつかオナガグモが条網でクモ狩りを行うシーンを観察してみたいものです。
鳴らした音叉で条網に触れるとオナガグモがどんな反応するか、興味があります。(駆け寄ってくるのかな?)

獲物のクモが条網を歩いて来る振動と音叉の振動とは周波数が違う気がします。
今回の個体は手の届かない高所に居たため、指を咥えて眺めているしかありませんでした。



ヤブガラシの花とナミテントウの親子



2015年8月上旬

川沿いに蔓延るヤブガラシの群落でナミテントウHarmonia axyridis)の親子(成虫および幼虫)を見つけました。
成虫は紅色型十九紋型(上翅の紋:2-3-3-1)でした。
吸蜜なのか、アブラムシ目当てなのか不明です。
止まっている場所も開花した花の上ではありませんね。
この日は先を急いでいたので、マクロレンズで口元を接写する暇がありませんでした。

現場でアブラムシは見つからなかったですけど、後で調べてみるとヤブガラシには例えばワタアブラムシがよく付くらしい。


2016/02/02

条網を綱渡りする夜のオナガグモ【蜘蛛:暗視映像】



2015年10月上旬・深夜3:08〜3:46・気温11.8℃

イシサワオニグモ♀の垂直円網を一晩中見張っていると、深夜未明に意外なクモが登場しました。
緑色の細長いオナガグモが空中を綱渡りして移動しています。
初めは居候クモの仲間かと思いきや、オナガグモAriamnes cylindrogaster)でした。
赤外線の暗視ビデオカメラで撮ると、AF頼みではピント合わせに難儀しました。
(冒頭で撮影アングルが定まらないのは奥ピンになりがちなAFでなんとか合焦しようと背景が抜けたアングルを探しているためです。)


オナガグモは「クモを食べるクモ」として知られているので、まさかイシサワオニグモ♀を積極的に捕食しに来たのかと思い、緊張で一気に眠気が吹き飛びました。
しかし様子を見ていると、隠れ家に潜んでいるイシサワオニグモを誘き寄せたり狩ろうとしてるのではなさそうで、ただの「通りすがり」のようでした。

草木も眠る丑三つ時に細長い異形のクモが宙に浮かんでいる様子はちょっと幻想的です。
上の木の枝から糸を引いて懸垂下降して来たのかもしれません。

イシサワオニグモの円網の手前に居ました。
オナガグモは横に張られた糸を伝って左上に移動します。
自ら吹き流しをして張った糸なのかな?
もしかすると条網を張る造網行動なのかもしれません。
しかし図鑑や「クモ生理生態事典 2016」を参照してもオナガグモの造網時刻について記述はありませんでした。
土手に生えたキイチゴ?の葉先に条網の端は固定されているようです。
最後の映像では歩脚の先を舐めて身繕いしていました。

クモ生理生態事典 2016」でオナガグモの移動法に関して次のような記述がありました。

糸上を前進する時には第1・2脚で糸をたぐり,第3脚で糸を丸める.この時,右1脚で確保された糸は左2脚へ送られ左3脚で丸められる. 方向転換の時は前方と後方の糸を糸いぼの箇所でつなぎ,転換して,前部で糸を切断してから,新しい糸を糸いぼから出しながら前進する. 上方へ進む時には糸いぼから前へ糸がつながっている点が水平の糸上を進む時と異なる点である〔新海明AT49/50〕.
しかし、今回の映像ではその奇妙な移動法を確認できませんでした。(明るい昼間にしっかり接写すべき)

ちなみに、午前3:20に測定した気温は11.8℃、湿度100%。

つづく


写真で性別を見分けられるか?
葉に包まれた白い構造物はクモの卵嚢か蛾の繭か?

ランダムに記事を読む