2025年4月中旬・午前10:50頃・くもり
胸に細長い乳首が見えたので、この個体は経産婦♀と分かります。
もうすっかり春ですが、道端の日陰にはまだ少し残雪があります。
ニホンザル♀は、落ち葉を手でめくったりかき分けたりして、クリの落果を探しています。
近くに栗の大木が立っているのです。
秋にクリの木から落ちた堅果が野ネズミにも食べられず、冬の間は雪の下に埋もれていたようです。
秋に野ネズミがクリ堅果を1個ずつ落ち葉の下に埋めて隠した(貯食)のかもしれません。
春になって積雪が溶けたので、地中のクリの実から発芽する前に、ニホンザルが食べに来たのでしょう。
猿の両手や指は土で真っ黒に汚れています。
地中に埋もれたクリ落果が何かに挟まってなかなか素手で掘り出せないときには、歯で直接噛み付いて地中から力任せに引っ張り出していました。
掘り出したクリ堅果が土でひどく汚れている場合は、両手で挟んで擦り合わせ、汚れを落としてから口に入れました。(@4:55〜)
次に歯を使ってクリ堅果の硬い果皮と渋い種皮を噛みちぎって吐き捨てました。
皮を剥いてから、デンプン質に富んだ中身の種子を美味そうに食べました。
クリにとってニホンザルは種子捕食者になります。
種子散布者の野ネズミと違って、ニホンザルは貯食行動をしないで一方的にクリ堅果を食べるだけです。
しばらくすると、別個体の子猿が登場し、成獣♀の近くで同じくクリ拾いを始めました。
この2頭は親子なのでしょうか。
横の車道を車が通り過ぎても、ニホンザルの母子は気にせず採食を続けています。
同じ道端にはフキノトウ(フキの花)が咲いていました。
ヒトにとっては春の山菜ですが、クリの実に夢中のニホンザルは見向きもせず、餌としてフキノトウを食べることはありませんでした。
長年かけてようやく野生ニホンザルの群れにあまり警戒されずに近づけるようになりました。
安易な餌付けの手法を使わなくても、観察者の存在に少しずつ馴れてくれるのです(ヒト付け)。
おかげで雪国のニホンザルが春にクリの落果を採食する様子を間近でじっくり観察できました。
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