2024年9月下旬・午前10:35頃・雨
乳用のヤギ(山羊)(Capra hircus)を飼っている厩舎を見学させてもらったついでに、岩塩を舐めるかどうか実験してみました。
まずは左の囲いに居る個体Lで試します。
ピンク色のヒマラヤ岩塩の塊を手のひらに乗せて差し出しても、♀Lは匂いを嗅ぐだけで、味見をしようともしませんでした。
次に右の囲いに居る個体Rで試します。
すると早速、岩塩を舐めてくれました。
塩味が気に入ってくれて、熱心にペロペロと舐め続けます。
掌に感じるヤギの舌の感触は、柔らかくて温かかみを感じました。
しまいには岩塩を口でカプッと咥えて私から取り上げてしまいました。
(ヤギRが敷き藁に落とした岩塩を急いで取り返しました。)
念のために、左の個体Lにしつこくもう一度岩塩を差し出してみたら、柵から離れて奥へ逃げてしまいました。
仲間が舐めた唾液の匂いがあれば安心するかと思いきや、警戒を解いてくれません。
この個体Lは、完全に食わず嫌いです。
次に右の個体Rに岩塩を与えると、すぐにまた舐めてくれました。
よほど気に入ってくれたようです。
【考察】
岩塩を与えてみた2頭は乳用ヤギのザーネン品種です。
顎髭は生えているのに、頭部に角が生えていないことから、若い個体のようです。
同腹の姉妹だと思うのですが、ヤギにも好奇心や警戒心に個体差があることがよく分かります。
いつか機会があれば、ウシやウマなど他の草食動物の家畜でも塩を舐める様子を観察してみるつもりです。
Perplexity AIによる解説を抜粋しておきます。
馬や牛を飼育する際、餌以外に塩を与えることは一般的です。hts-saltworld.sakura
馬への塩補給
馬は汗で大量の塩分(ナトリウム)を失うため、特に運動時や夏季に塩が必要で、飼料に0.5-1.0%を加えたり、自由に舐められる塩塊を与えます。塩不足は食欲低下、成長不良、毛並みの悪化を引き起こします。jra-f+2
牛への塩補給
牛も草中心の飼料では塩分が不足しやすく、肉牛や乳牛で0.2-0.25%を飼料に混ぜたり、固形塩を設置して舐めさせます。不足時は土や他の牛を舐める兆候が見られ、生産性低下や死亡リスクが高まります。youtubesummit-agri+1
塩補給は体液バランス維持や消化促進に不可欠で、ミネラル強化塩を使うのが推奨されます。hts-saltworld.sakura
最近、ニホンカモシカの通り道(山林の溜め糞場sr2)に岩塩(ヒマラヤ岩塩のプレート)を置いて野生動物のための塩場を作り、自動撮影カメラで見張っています。
大町山岳博物館『カモシカ:氷河期を生きた動物』という本を読んでいたら、カモシカ類と塩場のことが書いてあったので、私もやってみようと思い立ったのです。
・カモシカの生息地のソートリック(salt lick; 塩舐め場)に似せて、飼育場内の岩の割れ目に岩塩をなすりこんでおいた。(p140より引用)
・シロイワヤギの食性:(前略)好んで谷間の塩なめ場(塩と粘土の混ざった所)を訪れ、鉱物塩を食べる。 (p187より引用)
・ターキンの食性:(前略)定期的に塩なめ場を訪れる。 (p197より引用)
ところが実際にやってみると、予想に反してニホンカモシカ(Capricornis crispus)は岩塩を積極的に舐めてくれませんでした。
今のところ、野生動物で岩塩を気に入ってくれたのはニホンリス(Sciurus lis)だけ、という意外な結果です。
ちなみに、ニホンカモシカもヤギも同じウシ科の動物です。
0 件のコメント:
コメントを投稿