2024年9月下旬
シーン0:9/17・午後13:02・晴れ・気温34℃(@0:00〜)
山中に少し開けた湿地帯があり、その水溜りSに来る野生動物を自動撮影カメラで見張っています。
ニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)が群れで登場したシーンを以下にまとめました。
シーン1:9/25・午後18:56・気温17℃(@0:02〜)
これは前回紹介した動画の抜粋です。
左からイノシシ成獣が単独で現れ、水溜りSの対岸を右に立ち去りました。
水を飲んだり泥を浴びたりしなかったのは、監視カメラに気づいて警戒したからかな?
シーン2:9/25・午後19:38・気温18℃(@0:02〜)
約40分後に、画面の左からイノシシの母子が縦列でやって来ました。
乳房の発達した母親♀が先行し、3頭の幼獣が後から付いて来ます。
乳房の有無を見比べるだけでも、シーン1で登場したイノシシ成獣とは別個体であることが分かります。
母子ともに水溜りSの水面に口を付けて水を飲みました。
母親♀が先頭になってカメラの方に向かって来ます。
♀の背中の毛皮に多数付着しているのは、泥が乾いた土の粒かもしれませんが、どうやらひっつき虫のようです。
もちろん虫ではなくて、付着型動物散布される植物の種子です。
幼獣の毛皮にはあまり付着していないのが興味深いです。
イノシシの成長および換毛に伴い、ひっつき虫が付着しやすい毛質に変化するのかもしれません。
(※ マダニがイノシシに体外寄生している可能性もありそうですが、モノクロの暗視映像では、しっかり見分けられません。)
幼獣2頭の毛皮に瓜模様はありませんでした。
つまり、ウリ坊と呼ばれる時期よりも成長しています。
母親♀が監視カメラの存在に気づくと、ちょっと怯えた様子で右に立ち去りました。
小声の低音でブーブー鳴く声が聞こえます。
幼獣たちも母親♀の後を次々とついて行きますが、体高が低いのでカメラにはしっかり映りません。
しばらくしてから、画面の左端に立っているホオノキの左からイノシシ成獣が顔を出しました。(@1:50〜)
さっきの母親♀がぐるっと回って戻ってきたのでしょうか?
耳などに付着したひっつき虫?の数が明らかに少ないので、別個体の成獣と分かりました。
シーン3:9/25・午後19:40(@2:05〜)
約50秒後に、監視カメラが再び起動すると、
水溜りSの対岸を右から左へ横切るイノシシ成獣が写っていました。
ちょっと立ち止まってカメラを気にしてから、左に立ち去りました。
次に右から別個体の成獣♀が登場し、水溜りをジャブジャブ歩いて左に渡りました。
腹面に乳首が見えるので母親♀と分かります。
その後から幼獣4頭が左に通過したようですが、体高が低い幼獣はカメラに写りにくいです。
幼獣の一頭が途中で、トレイルカメラの三脚にうっかりつまづいたようです。
ユキツバキ群落の中に隠すように三脚を立ててトレイルカメラを固定し、水溜りSを監視しているのです。
怒ったイノシシが三脚に何度も頭突きをしている(八つ当たり?)ような衝撃音が聞こえます。 (←擬人化した解釈)
鼻面で林床を掘り起こしながら餌を探し歩いているときに、暗闇で三脚とぶつかっただけかもしれません。
幸い、三脚が壊れることはありませんでした。
シーン4:9/27・午後22:31・気温20℃(@2:57〜)
2日後の晩には単独行動のイノシシが写っていました。
左の手前から来て泥水溜りSへ向かいます。
通りすがりにホオノキの幹で体を擦り付けたのか、空中に短い抜け毛が大量に舞っています。
毛皮には乾いた泥がべっとり付着しています。
イノシシは水溜りSの水面に口を付けて泥水を飲んだものの、今回も泥浴び(ヌタ打ち)をしませんでした。
後ろ姿の股間に睾丸は見えず、牙が短いので♀成獣だと思います。
対岸に渡ると右へ立ち去りましたが、右上奥にあるもう一つの水溜りNには立ち寄らなかったようです。
※ イノシシの鳴き声などが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
【考察】
ニホンイノシシは母子の家族群が基本ですが、それでは説明できないような、もう少し大きな群れを(一時的に?)形成して活動しているようです。
イノシシをしっかり個体識別できるようになれば、面白くなりそうです。
ニホンイノシシは母系社会なのでしょうか?
Perplexity AIの回答がこちら。
ニホンイノシシは母系社会の要素を持つが、厳密には単独型の社会構造です。雌は子豚とともに家族単位で行動し、時に血縁の母親同士が集まるため母系的なグループが見られますが、成獣雄は単独生活が基本です。maff+1
社会構造の特徴
雌親とその子豚が中心となり、母系グループを形成しますが、雄の子は1~2歳で離脱して単独行動に移行します。choujuhigai
交尾期以外は雄雌の接触が少なく、群れは主に雌と幼体の家族単位に限られます。inohoi母系要素の限界
母系グループは一時的で、成獣雌も単独生活する個体が多く、安定した大規模群れは形成しません。maff
遺伝的に地域固有のグループが存在しますが、社会的結束は弱く、基本的には単独型です。naro
つづく→
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