民家の庭に置かれた植木鉢にフワフワの白い綿が実っていました。
ワタの綿花を実際に見るのは初めてです。
綿花と言っても花ではなく、熟して裂けた果実(蒴果)から出てきた綿毛です。
天然コットンの手触りや中に含まれる種子を調べてみたかったのですが、他人様の庭に勝手に入れないので、公道から写真に撮るだけにしました。
夏に咲くワタの花(アオイ科)を見逃したのが残念です。
綿花で思い出すのは、幼少期に図書室で読んだ『アンクル・トムの小屋』というストウ夫人の小説です。
米国南部の大規模なプランテーションで黒人奴隷に綿摘み(綿花の収穫)をさせたという知識をこの本から得たので、てっきりワタは南国の植物だと思い込んでました。
日本のこんな北国(雪国)でもワタが育つとは知りませんでした。
現状では日本で使われる綿(コットン)の国内自給率はほぼ0%で、全て輸入に頼っているのだそうです。
国産のワタを栽培しようという試みが少しずつ広がっているらしい。
さて、ワタの種子散布について考えてみましょう。
植物の白い綿毛と言えば、てっきり風散布されるための適応進化なのかと初めは思いました。
しかし念のためにネット検索で調べてみると、綿花の種子は比較的重く、風に乗って遠くまで飛ぶことができないのだそうです。
むしろヤナギの綿毛(柳絮 )のように、水に浮いて水流散布されるためのものと考えられているそうです。
もしかすると、「ひっつき虫」のように、通りかかった動物の毛皮に綿毛ごと絡みついて種子が遠くに運ばれる可能性もありそうです。(動物付着散布)
誰か実験してみて下さい。
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