2024/01/02

田んぼで代掻きするトラクターを利用して虫を捕食するムクドリとハクセキレイの群れ(野鳥:オートライシズム)

 

2023年5月中旬・午後16:45頃・晴れ 

雪国の田園地帯に水入れが始まり、田植えに備えてトラクターが代掻きしていました。 
作業するトラクターの近くに珍しく野鳥が集まっています。 
ムクドリSturnus cineraceus)の群れの他にはハクセキレイ♂(Motacilla alba lugens)1羽の姿を認めました。 
稲刈り後の刈田は水を抜かれて乾田でした。 
急に水没した上に泥土を撹拌されて溺れそうになった虫を鳥が捕食しに来たのです。 

トラクターが轟音を上げて通り過ぎた直後にムクドリやハクセキレイが飛来して、撹拌したばかりの泥濘に虫がいないか探して啄んでいます。 
獲物はケラやミミズなどと思われますが、映像では遠くてしっかり確かめられませんでした。 
泥の上に浮かぶ藁などに乗れば、ムクドリやハクセキレイはほとんど泥に沈まないで立つことができます。 
トラクターが近づくと、その前方に居た個体は横の畦道に飛んで一時避難してやり過ごします。 
 動画ではスズメの鳴き声も近くから聞こえますけど、スズメは水入れ直後の田んぼに来ませんでした。

代掻き作業中のオートライシズム(片利共生の採餌行動)を実際に観察できたのは今回が初めで、いたく感激しました。 
この採餌行動を撮りたくて、ここ何年も私はしつこく田んぼのトラクターを注視していたのです。 
鳥の本や写真集に載っているのに、オートライシズムをなかなか観察できないというのが私の実感です。
 (トラクターが田畑で作業していても、鳥がその周りに必ずしも群がるとは限らない。)
当地の野鳥はたとえ人里近くで暮らすシナントロープでも農民やトラクターをひどく恐れてなかなか近寄ろうとしないのでしょうか?
あるいは、長年の農薬使用によって田んぼで暮らす虫の数が激減しているのではないか?と疑っています。 
過去に遡るのは無理ですけど、有機農法(減農薬)の田んぼで比較すれば検証できるはずです。


関連記事(4、5、7年前の撮影)▶  



※ 動画編集でモザイク処理を練習するため、動き回るトラクターのナンバープレートをモザイク処理してみました。 
動体追尾機能(モーショントラッカー)に頼るよりも、手動でちまちまと数フレームごとにモザイク範囲を指定する方が結局は早いですね。 
Kdenliveを使って編集している私が今回参考にした動画がこちら↓。 


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