2021年11月上旬・午後15:00頃・晴れ
冬鳥のコハクチョウ(Cygnus columbianus bewickii)が越冬のために日本の川に渡来しました。
昼間から中洲付近の浅瀬に計6羽の小群が集まっています。
嘴がピンク色で羽色が汚れて見える若鳥が1羽混じっていて、残りの5羽は成鳥です。
川面で水飛沫を上げて盛大に水浴びを始めました。
自ら体を横倒しにして片方の翼で左右非対称に羽ばたくので、初めは溺れているのかと心配しました。
ときには水中で体をねじって両足を水面の上に出し、下半身だけ逆立ちの体勢になることもありました。
川の中でひっくり返ってもがいているように見えます。
経験不足な若鳥だけでなく、成鳥も同じように無様な水浴を繰り返しています。
まさか大袈裟な偽傷行動だったりして…?
しばらく観察していると、どうやらコハクチョウは水深の浅い川で水浴する方法を編み出したようです。
むしろ遊びのように楽しんでいるようにも見えます。
どうして伸び伸びと水浴できるぐらい水が深いところに行かないのか、不思議です。
この群れは正常に飛べることを後に確認したので、片方の翼が折れたりしている訳ではありません。
長い首を水中につっこんで頭から水をかぶり、ひっくり返ると翼を激しく動かして全身に水をかけます。
水浴が一段落すると、背伸びをしながら左右の翼を大きく広げてバサバサと激しく羽ばたき、濡れた羽根の水気を切ります。
水浴直後に翼をバサバサしている成鳥から白い羽毛が抜け落ちました。(@x:xx)
翼を畳むと尾羽を左右に振り振りします。
長い首を曲げて嘴で羽根を整えます。
羽繕いと水浴を交互に何度も繰り返しています。
若鳥が水浴の合間にガー♪と鳴きました。(@x:xx)
白鳥の水浴シーンを初めて240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:08〜)
よく晴れていて光量も強く、絶好のハイスピード動画撮影日和でした。
大型の水鳥が水飛沫を盛大に跳ね上げて行水する様子は壮観です。
【追記】
世界文化社 しぜんのせかい10『はくちょう』という古い児童書を見返すと、
ひっくりかえって みずあび
とキャプションの付いた写真が掲載されていました。(p17)
水浴びも小鳥とは違い大柄ですから見事です。羽で水をたたきづけるように水浴びをします。でんぐりがえって背面水浴もします。 (p19より引用)
背面水浴は別に珍しい行動ではなかったようです。
ハクチョウは浮力が大きくて水中に潜れないのだそうです。
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