2014年5月上旬
2匹飼っているヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)幼虫のうち1匹が朝、羽化していました。
複眼が黒い以外は全身が真っ白です。
不覚にも美しい!と感動してしまいました。
アルビノという訳ではなく、これから色素が沈着して黒化するのです。
複眼が黒い(視細胞に色素がある)ということは、羽化直後でも危険を察知するために目が見えるようプログラムされているのでしょう。
(SFに登場する透明人間は、瞳も無色透明なら目が見えなくなってしまうというパラドックスがあります。)
傍らに幼虫の黒い抜け殻が残されています。
気づいた時には翅伸展も終わっていました。
長い翅を持つのは本種♂の特徴です。(♀は短翅)
台所で捕獲した越冬明けの個体は終齢幼虫だったことが判明しました
ゴキブリは不完全変態の昆虫で、蛹の時期を経ずに脱皮して成虫となります。
羽化の兆候は分かりませんでした。
数日前に人参の表面に残されていた糞の黒いスジが羽化の前兆だったのかな?
思い返すと、ここ数日は食欲がなく人参の上に乗って静止していることが多かったです。
羽化の瞬間を見逃して残念でした。
せめて体が黒化する様子を記録しようと微速度撮影を始めたものの、ヤマトゴキブリ♂は眩しい照明を嫌って動き回り隠れてしまいます。
微速度撮影は諦めました。
別の容器に移してから撮影すればよかったかもしれませんが、体が固まらないうちに下手に刺激するのは不味いかなと躊躇してしまいました。
しばらくすると抜け殻を少し食べたかもしれません。
実際の摂食シーンは見ていませんが、抜け殻が乱れていました。
次第に色づき、その日の夜には全身が真っ黒に変わりました。
ヤマトゴキブリは世界のゴキブリ中で分布の北限種らしい。
盛口満 著『わっ、ゴキブリだ!』で羽化について勉強すると
・物陰で脱皮するし、脱皮殻を食べてしまうことも多い。(p41)
・脱皮直後のゴキブリは白い。(p41)
・ちなみにこの体色変化には酵素が働いている。だから、白いゴキブリに熱湯をかけて酵素の働きを止め、アルコールで保存すると白いままのゴキブリの標本ができあがる。(p42)
・ヤマトゴキブリの場合、冬を越すのは一回脱皮した後の二齢幼虫か、羽化前の終齢幼虫である。つまり冬には成虫は死に絶えていて、その姿を見ない。(p42)
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