2012/12/04

ジガバチの営巣:獲物を狙うアリとの死闘(その4)麻痺した芋虫の脱糞・吐き戻し



2012年8月下旬

クロヤマアリFormica japonica
)の大群に襲われたヨトウムシを救出して同定用に接写していると、口から橙色の液体を吐いていました。
心なしか大顎が弱々しく動いているようです。
ジガバチの毒針麻酔は咀嚼筋には充分効いていないのでしょうか。
泡を吹くように水滴が口から出入りしています。
外敵に対する忌避物質かと思ったのですが、液体から特に嫌な匂いはしませんでした。
アリも気にせず攻撃してきます。

芋虫の腹端を見ると、なんと脱糞していました。
体壁の筋肉は麻痺していても内臓の消化・排泄機能は正常であることが分かります。
蟻が肛門や糞にも噛みつこうとしています。

シリーズ完。


【追記】
『日本動物大百科10昆虫Ⅲ』p44によれば、
(アナバチ型ハチ類に)麻酔された餌は全身運動はできないが、触角、脚、口器などを部分的に動かすことができ、呼吸や排泄も行うことができる。







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