2012/10/30

ヤマジガバチの労働寄生#4:ミネラル摂取



2012年7月下旬

巣から離れたジガバチ♀H白が地面を徘徊しつつ落ち葉を舐めていました。
巣口の押し固めで酷使した顔は土で汚れています。
黒い舌を伸ばして舐めた跡が濡れていることから、唾液または飲んだ水を吐き戻しながら溶かした塩分を吸っているようです。

蝶の仲間ではよく見られる摂食行動ですが、蜂で観察したのは初めてかもしれません。
鱗翅目だと地面や獣糞を舐めてミネラル摂取するのは大体♂と相場が決まっています。
確か、精巣の発達に必要なんだとか。

やがて私の黒いカメラバッグのベルト部分に止まると一心不乱に舐め始めました。
長年ベルトに染み込んだ汗や皮脂を摂取しているのでしょう。
摂食中はジージー♪鳴いたりしません。
おとなしくしているこの機会を利用して、♀H白をじっくり接写してみました。

(胸背と顔のアングルは動画のみで、写真は撮る前に逃げられました。)
横に定規を並べて置いて採寸してみます。
ヤマジガバチまたはサトジガバチの一体どちらなのか、写真鑑定できるでしょうか?
少なくともジガバチ♀H白および♀P水は同種なのか別種なのか知りたいところです。


後日、同じフィールドで捕獲した♀♂はヤマジガバチと写真鑑定して頂きました。

通りすがりのクロアリとニアミスしてもジガバチは向きを変えただけで、夢中で舐め続けます。
その際、アリを威嚇するように翅を振るわせました。
私の体に止まって汗を直接舐めに来ることはさすがにありませんでした。

もちろん昆虫は暑い夏でも我々ヒトのように発汗しませんが、ジガバチ♀も激しい重労働の合間に塩分を欲するというのは興味深く思いました。

もしスポーツドリンクを蜂にお裾分けしていたら喜んで飲んでくれたかな?
てっきりどこかで訪花吸蜜して栄養補給しているのかと思っていました。

ちなみに、別の日には近くで建物のコンクリート土台部分を舐めているジガバチを見ています。

つづく






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