2012/10/28

ヤマジガバチの労働寄生#2:巣坑閉鎖中の喧嘩



2012年7月下旬

しばらくするとジガバチ♀H白が巣に戻り、気にせず作業を再開してくれて一安心。
先程マーキングを施した際に手元が狂ったようで、腹背だけでなく翅先および右後脚にも油性ペンの白インクが付いてしまっています。
それでも飛翔や営巣行動には影響しないようです。

やがて、無印の別個体がまたやって来て、近くの茂みを徘徊しています。@2:35
後に労働寄生するジガバチ♀Pと思われ、巣を乗っ取る隙を虎視眈々と伺っているようです。
似我似我♪鳴きながら巣穴を押し固めている♀H白の背後から♀Pが忍び寄りました。
少し躊躇い辺りの凹みを物色する素振りを示しました。
無防備な♀H白の腹端を突ついて喧嘩を売りました。
2匹の蜂は取っ組み合いながら斜面を転がり落ちていきます。

ストーカーを無事に追い払ったようで、♀H白が巣に戻ってきました。
個体標識すると、喧嘩の勝者がどちらなのか明確になります。
喧嘩を売られても、予想通り先住効果で巣の持ち主が勝ちました。
同胞の度重なる襲撃・嫌がらせを受けた蜂はかなり神経質になっているようです。

油断無く辺りを警戒し、押し固め作業をなかなか再開しません。
たまたま通りかかったクロアリに凄い剣幕で襲いかかり、大顎で撃退しました。@5:57

♀H白がようやく落ち着いたようで、埋め固め作業を再開しました。
翅先に付いた白点のおかげで、ジージー♪鳴く際に翅も細かく振動していることがよく分かります。
時々休憩が必要なのか、どこかへ飛び去ります

つづく

♀H白(左)が閉鎖中の巣坑を狙う労働寄生ジガバチ♀P(右)

蜂の留守中に閉鎖中の巣坑を採寸

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