2021/06/19

睡蓮の葉の上で交尾するアメンボ♀♂

 

2019年8月中旬・午後12:10頃・晴れ 

真夏の睡蓮池でアメンボの一種がヒツジグサの濡れた葉の上で交尾していました。 
アメンボの♀♂カップルは葉の上を歩くと最後はピョンと跳び下りて池の水面に戻りました。 
風で波打つ水面を滑るだけでなく、ピョンピョン跳ねて移動して行きます。 
ところがしばらくすると、別のスイレンの葉に再び打ち上げられてしまいました。 
風で荒れる水面から自発的に避難したのかな?
アメンボも大シケだと船酔いしたりして…?

※ 交尾器の結合状況がよく見えなかったのですが、交尾前または交尾後の配偶者ガードかもしれません。

岸辺の卵塊に潜り込むヤマアカガエルの抱接ペア♀♂

前回の記事:▶ 浅くて小さな池は繁殖期のヤマアカガエルに不人気?(岸辺で♀を待つ♂同士の誤認抱接/縄張り争い)

2021年3月中旬・午後13:30〜13:45頃・くもり 

定点観察のため前回から3日後に山中にあるヤマアカガエルRana ornativentris)の繁殖池を再訪しました。 
里山の雪解けが更に進み、池の周囲で地面が露出した部分が増えています。 
池Hの東端には前回よりも多くの卵塊が産みつけられていました。 
ゼラチン質のブヨブヨした卵塊は水中で浮遊していて、風が吹くと波の動きで揺れています。 
卵の中の黒い点で胚発生がゆっくりと進行中です。 





卵塊の真下の水中に抱接ペアが潜んでいました。 
いよいよ産卵してくれるかな? 
♀の額が白く汚れていて、個体識別に使えるかもしれません。 
例によってヤマアカガエルの抱接ペアはとても臆病かつ慎重で、なかなか岸辺に上がってくれません。 
遂に♂を背負った♀が池の底を登り始め、岸辺の卵塊に近づきました。 
抱接ペアは既存の卵塊の下に潜り込んで静止しました。 
次には卵塊をかき分け、上にのしかかるように静止しました。 
水面から顔を出した♀は水中で仁王立ちのように後脚でほぼ直立しています。 
♀が水中に居る限り(上陸しない限り)、抱接♂は鳴かないようです。 
しかし、いくら待っても産卵を始めてくれません。 

突然、方向転換して卵塊から離れてしまいました。 
潜水して水底でしばらく待機すると、岸辺の別区画(卵塊なし)に近づいています。 
この♀は産卵地の探索モードなのでしょう。

赤外線温度計で池Hの水温を測定すると、 岸辺に産みつけられた卵塊の表面(濡れている)は10.2℃。 浅い岸辺の水底は6.5〜8.4℃。(別地点) 深い水底は5.2℃でした。 非接触式の赤外線温度計を使うと、普通の温度計で測定するよりも私が色々と動き回らずにすみます。 とにかく警戒心の強いヤマアカガエルを撮影するには、なるべく刺激したくありません。 

どうして抱接ペアは産卵してくれないのでしょうか? 
日が暮れるのを待っているのか、それとも曇りという天候が気に入らないのかな? 
(後に資料を読むと、雨の日にヤマアカガエルの産卵が活発になるのだそうです。) 
この池Hでは独身♂による求愛歌のコーラスが聞こえず静まり返っているので(沈黙の春)、抱接ペアの♀は警戒しているのかもしれません。 
そもそもこの日は、岸辺で待機する独身♂の姿をほとんど見かけませんでした。 

岸辺の卵塊付近で待機する独身♂2

池の底の卵塊付近で待機する独身♂



残念ながら、ヤマアカガエルの繁殖期は終わりつつあるのかもしれません。 
来季は気合を入れて、雨の降る日に夜通しの終日観察をしてみる必要がありそうです。 
池の畔に予め本格的なブラインドを張って(かまくら制作?)中から隠し撮りすれば、カエルに見つからずに撮影できそうです。
いっそのこと、岸辺に無人カメラを仕掛けたり、抱接ペアを捕獲して飼育下で産卵させる方が早いかも。



2021/06/18

早朝の川で激しく争うコハクチョウの群れ(早春の野鳥)

 

2021年3月下旬・午前6:05頃・晴れ 

白鳥が日本での越冬を終えて北帰する前に久しぶりの観察にやって来ました。 
コハクチョウCygnus columbianus bewickii)の群れが毎晩過ごす集団ねぐらの川で夜が明けるのを待ちました。 
日の出時刻(午前5:26)から30分後、目覚めて対岸近くに集結したコハクチョウの群れ内でなぜか喧嘩が始まりました。
初めはオナガガモ♀♂の群れとオオバンもコハクチョウに混じって居たのですが、コハクチョウが大騒ぎを始めると他の水鳥は離れてしまいました。 

事の発端は、1羽のコハクチョウ成鳥が興奮したように奇妙な鳴き声で騒ぎ始めたことです。 
翼は半開きのまま、斜め前方に伸ばした首を上下に曲げ伸ばししながら、喉から絞り出すように大声で鳴いています。 
私は白鳥の行動について未だ勉強不足なのですが、これは求愛行動なのでしょうか? 
何をアピール(または抗議?)しているのか、さっぱり分かりません。 
この時期に縄張り争いをするはずはありません。
なんとなく幼鳥が親鳥に餌乞いするとこんな風に振る舞いそうだと思ったのですが、この個体は成鳥です。 
コハクチョウの群れ内で互いに鳴きながら突進したりつつき合ったりする闘争が勃発し、大騒ぎになりました。 
体色が灰色に煤けて見える幼鳥がドサクサに紛れて純白の成鳥につっかかって行くこともあって驚きました。 

朝の目覚めの挨拶にしては随分と攻撃的です。 
この集団塒には複数の家族群が集まっていると思うのですが、家族間で争っているのですかね? 
それにしても、何を巡って喧嘩しているのか、さっぱり分かりません。 
これから小群(家族群?)に別れて、川から採食地に向かって順次飛び去るのですけど、離塒の順番を決めるのに揉めているのでしょうか? 
給餌人が毎朝やって来る前にコハクチョウの群れが岸辺で場所取りの争いを繰り広げるという話なら少しは理解できるのですが、今回の喧嘩は給餌の5分後でした。 
毎朝川に通って白鳥を観察しないと、こうした疑問は解決しそうにありません。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

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