2024/06/21

スギ防風林のタヌキ溜め糞場周辺で夜な夜な餌を探し歩く野ネズミ:9月下旬〜10月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年9月下旬〜10月中旬 

平地のスギ防風林にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場wbcをトレイルカメラで監視していると、スギの落葉落枝がふかふかに堆積した林床で夜な夜な餌を探し回る野ネズミ(ノネズミ)が写ります。 


シーン0:9/25・午後15:01(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
動画冒頭の赤丸で示したのは、スギ林床に点在する2つの溜め糞場です。 
奥にある溜め糞の方がメイン(規模が大きい)です。 
実は更にもう一つの糞塊が画面の左外にあるのですが、監視カメラの画角内に収まりませんでした。 

その日の深夜から野ネズミが林床をウロチョロしていました。

シーン1:9/28・午前後(@1:20〜) 
雨夜でも野ネズミは平気で活動します。 


シーン3:9/29・午前後(@1:33〜) 
奥の溜め糞場に来て、何やら採食しているようです。
少し遠いのでメニューまでは分かりません。 
糞虫などを捕食しているのか、あるいはタヌキの糞に含まれる未消化の種子を採餌しているのでしょう。 


シーン4:10/1・午前後(@2:33〜) 
今回は奥の溜め糞場を素通りしました。 


シーン5:10/2・午前後(@2:45〜) 
雨が降っています。 

最後に野ネズミが向かった右には、実はアナグマ専用の溜め糞場stmpがあります。 
2箇所同時に監視したら面白そうですけど、限られた台数のトレイルカメラでなんとかやりくりしているので、難しいです。 


シーン6:10/3・午前後(@3:26〜) 
小雨が降っています。 
奥の溜め糞場で採餌しました。 


シーン7:10/4・午前後(@5:18〜) 

シーン8:10/8・午前後(@5:38〜) 
奥の溜め糞場に居座って、何かを食べているようです。 


シーン9:10/9・午前後(@6:38〜) 


シーン10:10/10・午前後(@7:02〜) 
奥の溜め糞場を素通りしました。 


シーン11:10/11・午前後(@7:13〜) 
奥の溜め糞場に居座って、何かを食べているようです。 


【考察】 
画面内に2つ写っているタヌキの溜め糞場のうち、手前の小さい糞塊には野ネズミが近寄りませんでした。 
奥の大規模な溜め糞には、野ネズミがただ横切るだけの夜もあれば、長居して何かを食べる夜もあります。 
少し遠いので、残念ながらメニューまでは分かりません。 
糞虫などを捕食しているのか、あるいはタヌキの糞に含まれる未消化の種子を採餌しているのでしょう。 

まだ初秋で気温が充分に高いので、雨天は野ネズミの探餌行動に影響を及ぼさないようです。 

つづく→

アカジソの花蜜を吸うために飛び回るクロマルハナバチ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午後13:35頃・晴れ 

里山の山道に沿って咲いたアカジソ(赤紫蘇)の群落でクロマルハナバチBombus ignitus)の雄蜂♂が忙しなく訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
カラフルな雄蜂♂を見つけると、いつも嬉しくなります。 
♀と違って雄蜂♂は花粉を集めませんから、後脚に花粉籠はありません。 
小さな花に口吻を挿し込んで吸蜜して回るだけです。 
耳を澄ますと、クロマルハナバチ♂が飛び回る羽音♪が聞こえます。 

アカジソの花穂から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
スローモーションでじっくり観察すると、クロマルハナバチ♂はアカジソの小さな唇形花に対して正当訪花を繰り返していました。

このアカジソ群落は里山の山道をかなり登って行った先の道端に毎年生えていて、私は定点観察しています。 
アカジソの葉は赤紫になるはずなのに、ここでは緑のままの葉が多いです。 
木陰になっていて日当たりが悪いために、少ない日照でもなんとか光合成しようと必死で葉緑素を増やし、赤い色素アントシアニンを分解したせいだと考えられます。 
アカジソの株を日陰から日向に移植したり、日光を遮る木を伐採したりすれば、葉の色は可逆的に赤くなるはずです。
逆に、野外で採取してきたアカジソの株を植木鉢に入れて育てても、日当たりが悪いと葉が緑色になってしまうことを、私は恥ずかしながら経験しています。 

麓ではあちこちの家庭菜園で食用のアカジソ(または青じそ)をよく栽培していますが、こんな山中のしかも日当たりが良くない地点に誰かヒトがアカジソの種子をわざわざ撒いたとは考えられません。 
おそらく野鳥が麓でアカジソの実を食べてから山中に飛来して、止まり木から脱糞した際に未消化の種子が一緒に排泄され、そこから芽が出て分布を広げたのでしょう。 
(種子食性の)鳥によってアカジソが種子散布される決定的瞬間を動画に撮るのが次の宿題です。

2024/06/20

汗腺がないコウモリは体温冷却のために飛びながら水浴するのか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月上旬 

山中で湧き水の溜まった浅い泉に夜な夜な飛来するコウモリの群れを自動センサーカメラで記録しています。 
水場に訪れて水を飲んだり水浴したりする野生動物や野鳥を撮影する目的でトレイルカメラを設置してみると、最も頻繁に写るのはコウモリでした。 


シーン0:8/5・午後14:35(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
湧き水が溜まった浅い池から画面の奥に向かって水が流れ出て、沢の源流になっています。 


シーン1:8/5・午後19:19〜23:53(@0:04〜)日の入り時刻は午後18:48 
日没後に暗くなると、水場にコウモリがやって来ます。 

1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、着水後に急旋回して飛び去るコウモリが空中から何かを捨てていました。(@6:09〜) 
これは排泄行動なのか、それとも池で何かを捕獲したら獲物ではないと悟って捨てたのでしょうか? 
濡れた体から水滴が落ちただけのようには見えません。 


シーン2:8/6・午前0:11〜3:40(@6:27〜)日の出時刻は午前4:43 
深夜に日付が変わっても夜が明けるまでコウモリは次々と池に飛来します。 

少数の個体が繰り返し飛来しているのか、それとも多数の個体が1回ずつ飛来しているのか、知りたいのですが、どうやったら突き止められるでしょう? 
(素人が許可なくコウモリを捕獲するのは禁じられています。)

着水後に急旋回して飛び去るコウモリが足に何かを掴んでいるように見えたときがあります。(@6:55〜) 
私の気のせい(願望からの幻覚)ですかね? 
動画のフレームレートが15fpsと低いので、スロー再生しても動きがカクカクしていてはっきりしません。 

珍しく着水シーンを横から撮れたシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@8:55〜) 


シーン3:8/6・午後21:05〜22:33(@9:56〜)日の入り時刻は午後18:46 
2頭(以上)のコウモリが同時に飛来することもあります。 


【考察】 
低空で水面スレスレに飛びながらコウモリが何をしているのか、という問題がなかなか解決しません。 

まず、池で捕食している可能性はどうでしょうか? 
海外にはウオクイコウモリという種類がいるのですけど、淡水のこの池は小さくて浅いので、獲物となる魚は居ません。(居るのはオタマジャクシやサンショウウオぐらいです。) 
池の上を飛んでいる昆虫やアメンボなどの水生昆虫を水面で狩っている可能性も考えましたが、スロー再生すると違うようです。 
狩りなら毎回違う場所に着水するはずですが、コウモリの着水地点は大体決まっているようです。 
この池は三方(画面の背後および左右)が崖に囲まれているため、飛来したコウモリは崖に衝突しないように急旋回しながら飛び回る必要があります。 
地形要因から飛行ルートが限られ、着水できる地点も限定されるのでしょう。 

次に、水を飲んでいるか、水浴しているのか、どちらでしょう? 
フレームレートの高い高画質の暗視動画が撮れる最新機種のトレイルカメラを導入するまで、謎解きはお預けです。 
プロの動物写真家なら多灯ストロボと赤外線センサーを池畔に設置して、着水の決定的瞬間を写真で切り取ろうとするでしょう。 
動画派の私としては、なんとか動画で記録したいのです。 


大井徹『獣たちの森』という本を最近たまたま読んでいたら、コウモリの解剖生理学について興味深い事実を知りました。
汗腺は老廃物の排出とともに体温調整の機能を持つ。人は全身に汗腺を持つが、食虫類、げっ歯類、食肉類の一部では足と肛門付近にのみある。鯨類といくつかのコウモリ、げっ歯類にはない。(p58より引用)
コウモリが発汗しないとすると、飛翔時に体温の急上昇を抑えるために、定期的に体毛を濡らす必要があるのかもしれません。 
つまり、飛びながら水浴を繰り返し、気化熱を利用して体温を冷やしているのかもしれません。 
さっそく文献検索で斜め読みしてみると、コウモリの翼は飛行時の空冷だけで体温が充分に低いらしく、胴体しか冷やす必要がないのだそうです。 

・Luo, J., Greif, S., Ye, H. et al. Flight rapidly modulates body temperature in freely behaving bats. Anim Biotelemetry 9, 45 (2021). https://doi.org/10.1186/s40317-021-00268-6
・RUMMEL, Andrea D.; SWARTZ, Sharon M.; MARSH, Richard L. Warm bodies, cool wings: regional heterothermy in flying bats. Biology Letters, 2019, 15.9: 20190530.

しかし、「体温調節仮説」にも問題があります。 
雨の日や霧の日には体を濡らす必要がないはずなのに、コウモリは晴れの日と変わらず池に飛来するのはなぜ?という疑問が残ります。 


毎回水面に波紋が広がることから、私はてっきりコウモリが飛びながら意図的に一瞬だけ着水しているのだと長らく信じていました。 
しかし、必ずしもそうとは言い切れないことに最近気づきました。 
側溝を流れる水面スレスレに飛ぶミツバチをハイスピード動画で撮影したところ、着水しなくても激しい羽ばたきの勢いで直下の水面が押し下げられ波紋を生じることが分かったのです。 



コウモリの飛翔シーンをハイスピード動画で撮ってみたいのはやまやまなのですけど、それには強力な赤外線投光器が必要です。

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