2023/12/04

激しい空中戦でトビを縄張りから追い払うハシボソガラス♀♂(野鳥)モビング

 

2023年4月下旬・午前10:45頃・晴れ 

広大な刈田の上空で1羽のトビMilvus migrans)が鳴きながら逃げ回っていました。 
♀♂つがいと思われる2羽のハシボソガラスCorvus corone)がしつこく空中戦を仕掛けています。 

カラスはトビよりも体格で劣るものの、空中で敏捷に小回りがききます。
刈田の上空で上昇気流に乗って帆翔しているトビは、次々に襲い来るカラスの攻撃をひらりひらりとかわすしかなく、反撃できません。 

空中戦の合間にハシボソガラスの嗄れ声がかすかに聞こえます。 
トビは鳴き声のバリエーションが乏しく、モビングされている間もピーヒョロロ♪と甲高い声で鳴きました。 

※ 鳴き声が聞き取れるように動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

途中でハシボソガラスの1羽がモビング(擬攻撃)から離脱しました。 
やがてカラスが2羽とも居なくなった後、ホッとしたトビが私の真上を帆翔してくれました。 
よく晴れた青空を背景にトビを間近から見上げると、尾羽の縁が摩耗した個体でした。 
カラスに引き抜かれたのか、それとも換羽中なのかな? 

しばらくするとカラスがまた戻ってきて、トビにモビングを再開。 
いつもより激しいモビングでした。
ハシボソガラス♀♂の縄張り(営巣地の周辺)から追い出すまで続きます。
春はカラスの繁殖期が始まり、猛禽への敵対心が最大限に高まっているのです。
私の知る限りトビはカラスの卵や雛を捕食しないはずですけど、カラスは猛禽の種類を識別できず無差別にモビングするようです。
トビにとっては、濡れ衣のとばっちりですね。 
この2種はスカベンジャー(屍肉食の掃除屋)としてのニッチが同じなので、ライバルを縄張り(餌場)から追い出したいのかもしれません。
ハシボソガラスの巣がどこにあるのか、見つけられませんでした。

空中戦になるとカラスの方が優位なので、どうしてもトビが可哀想に写ります。
しかし、トムとジェリーの追いかけっこのように連日飽きずに繰り返しているとしたら、意外とトビは顔馴染みのカラスを挑発してスリルを楽しんでいるのかもしれません(性格の悪いトビの遊び?)。




関連記事(半年、5年前の撮影)▶  

2023/12/03

巣材を集め始めたニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】

 



2023年4月下旬・午後18:30頃・(日の入り時刻は午後18:28) 

ちょうど日没時にニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が巣穴Rの近くで地面を手で引っ掻いています。 
餌となるミミズでも探しているのかと思いきや、地表の落ち葉を前脚で抱えたまま後退しました。 
そのまま巣内に搬入したら巣材集めの行動だと確定するのですが、途中で作業を止めてしまいました。 
この時期の林床に落ち葉はほとんど残っていませんから(※)、寝床にならないと判断したのでしょう。
巣口Rに座り込むと、痒い体を後足でボリボリ掻いています。 
※ 営巣地周辺の落ち葉は既にアナグマがきれいさっぱり掻き集めてしまっています。

時系列を整理すると、直前(2分弱前)までアナグマ♀は巣口Rの拡張工事をしていました。 


次にアナグマ♀は画面の手前(下)に移動すると、監視カメラの死角で何か始めました。 
灌木の枝葉がザワザワと揺れているのは、アナグマが(立ち上がって?)枝葉を毟り取り、巣材集めをしているからと思われます。 
もっと長く録画できなかったのが残念です。



アナグマの巣材集め行動はこの後何度も披露してくれるのですけど、これがその始まりでした。 


♀は交尾の前に巣内で出産していますから、赤ちゃんがすくすく育ってくると育児部屋を広げたり新鮮な寝床(落ち葉や枯草)が必要となるのでしょう。 
アナグマは行動のレパートリーがとにかく豊富で、見ていて飽きません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 



エゾタンポポの花で採餌するセイヨウミツバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年4月下旬・午後14:30頃・晴れ 

田園地帯の農道に咲いたエゾタンポポの群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 

帰化植物のセイヨウタンポポが日本中を席巻しているかと思いきや、この地点にはなぜか在来種のタンポポばかりが咲いていました。 
茎は未だ短く、草丈が低いです。 

口吻を伸ばして吸蜜するミツバチの後脚を見ると、花粉籠は未だほとんど空荷でした。 
群落内で隣の頭花へ飛んで次々に移動します。 
胸背部や頭部の体毛にエゾタンポポの黄色い花粉が付着すると、採餌の合間に身繕い。 
タンポポの横に咲いているヒメオドリコソウの花には見向きもしませんでした。 

撮影中は気づかなかったのですが、タンポポの花弁に黒くて微小な昆虫がしがみついています。 
ハナバチ類に寄生するツチハンミョウ(ゲンセイ)の仲間かもしれません。 
マクロレンズを装着して接写しないと正体不明です。 
しかし、訪花中のミツバチに取り付くシーンは撮れていませんでした。 
ミツバチが近づくと飛んで逃げたので違いますね。

セイヨウミツバチ♀がエゾタンポポの花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:35〜) 
春風が強く吹いても日差しが強いので、絶好のハイスピード動画撮影日和です。 
強風下で飛ぶのは大変そうです。
次の花に向かって飛びながら、空中で左右の後脚を擦り合わせています。
口吻を伸ばしたまま飛ぶこともありました。 

タンポポの頭花をめくって萼(総苞片)の形状を調べると、在来種のエゾタンポポと判明。 
このシーンだけ70%のスローモーションに加工しました。(@2:12〜2:34)

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