2023/10/17

笹藪の溜め糞場で排便の前後に鳴き声♪を発する春のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年4月上旬〜中旬

笹薮に覆われた河畔林で溜め糞場rpに夜な夜な通うホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。 
単独で現れ、鳴いたシーンだけをまとめてみました。 


シーン1:4/7・午後18:41・(@0:00〜) 
激しい雨が降る夜に右からタヌキが登場しました。 
排便姿勢で向きを変えつつ、小声で甲高くクゥーンクゥーン♪と鳴きました。 
便秘のタヌキが排便痛に苦しむ鳴き声なのかも?と思ったりもしますが、他の季節では溜め糞場で鳴くタヌキを撮れてないので、繁殖期に関係した行動なのでしょう。 
いずれにせよ、季節が進行すると溜め糞場に通うタヌキは鳴かなくなると予想されます。

結局、今回は排便しなかったようです。
身震いして濡れた毛皮の水気を切ってから、左下に立ち去りました。 
死角の笹薮でもクゥーン♪と鳴き声を発しました。 


シーン2:4/7・午後18:45・(@0:26〜) 
3分後に再びタヌキが溜め糞場rpに来ていました。 
さっきの個体が便意を催して戻って来た可能性もありますけど、別個体が代わる代わる登場したと考える方が自然でしょう。 
右を向いた(西向き)排便体勢でクゥーン♪と甲高く鳴きました。 

雨で濡れた毛皮の水気を身震いで振り落としました。
この溜め糞場はオニグルミ大木の真下にありますが、若葉が芽吹く前の落葉樹なので、雨宿りになりません。 

健康そうな黒い固形糞をモリモリと排泄しました。 
最後に肛門を締めて糞切りしながらヒューン♪と甲高く鳴きました。 

その後は大木の右に回り込んで奥に姿を消しました。 


シーン3:4/8・午後18:36・(@1:23〜) 
翌日の晩には大雨が収まっていて、タヌキが左からやって来ました。 
溜め糞場rpに南向きでポロポロと脱糞すると、糞切りしながらヒューン♪と小声で鳴きました。 
近くで順番待ちしている別個体(パートナー)が発した鳴き声という可能性もありそうです。 
声紋解析したら鳴き声だけで個体識別できるかな〜? 


シーン4:4/12・午前5:34・(@2:24〜) 
4日後の明るい早朝にタヌキが左から溜め糞場rpに来ていました。 
ちなみに、日の出時刻は午前5:06。 
溜め糞rpの匂いを嗅いでから頭を上げ、右を見ながらヒューン♪と甲高く鳴きました。 
北西を向いた排便姿勢で身震いしました。 
糞切りをする際に特有の尻尾の動きが見られなかったので、排便しなかったかもしれません。 
左下に立ち去り、ウグイス♂(Horornis diphone)がさえずる笹薮に分け入りました。 


シーン5:4/14・午後22:57・(@2:55〜) 
2日後の晩遅くに右から登場した個体は、溜め糞rpの匂いを嗅ぎながらクゥーン♪と小声で鳴きました。 
南向きで溜め糞に跨ると、排便しながら再びクゥーン♪と鳴く声が聞こえました。 
後ろ姿で肛門が見えるアングルなのに、便秘なのか排泄されてないようです。 
オニグルミ大木の左に広がる笹薮の奥に入っていきました。 

溜め糞rpを実況見分した際に血痕や血便を見たことがないので、タヌキは切れ痔になるほどの便秘に苦しんではいないはずです。 
野生動物は便秘になっても、笹の葉など繊維質の多い植物を食べて自力で直すのではないでしょうか?
思いついても、証拠となる映像を撮るのがまた大変そうです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工し、音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



春の池で泳ぐコガモ♂の鳴き声♪(冬の野鳥)

 

2023年4月上旬・午後17:35頃・晴れ 

西日が射す夕方の溜池からピリリ、ピリリ♪と物寂しげな呼笛(または鈴?)のような甲高い鳴き声がするので鳴き声の主を探すと、渡去前の冬鳥コガモ♂(Anas crecca)が水面を遊泳していました。 
1羽に注目してズームインしましたが、嘴の動きを見ると、どこか近くに居る別個体と鳴き交わしているようです。 
コガモ♂の鳴き声は図鑑によって
・♂は「ピッピィー、ピッピッ」と笛のような高い音を繰り返す。(決定版『日本のカモ識別図鑑』p131より) 
・ピリッピリッ(♂)(『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』p159より)
などと聞きなしがされています。 
鴨の鳴き声の中でも私の好きな美声です。 
この池では常連である留鳥カルガモAnas zonorhyncha)が鳴くガーガー♪という濁声とは全く違います。 

コガモ♂が足の水かきを使って水面を遊泳すると、池に波紋が広がります。 
水面に浮かぶ小さな虫?をときどき啄みました。 
池畔からカメラを向ける私を警戒して遠ざかり、岸辺に広がる枯れたヨシ原の方へ移動しました。 

そこへ左から1羽のカルガモが登場。(@1:28〜) 
水上でニアミスしても互いに無関心でした。 
コガモは日本最小の鴨らしく、確かに体格はカルガモ>コガモでした。 
平地にある溜池の岸辺の残雪はすっかり消えていました。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


せっかくなので大好きなコガモ♂鳴き声の声紋解析を試みてみたものの、風切り音のノイズが酷くて、きれいなスペクトログラムが得られませんでした。







2023/10/16

春のスギ山林で行動を共にする2頭のニホンカモシカは親子なのか?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年4月上旬 

スギ植林地の遊歩道を監視する自動センサーカメラにニホンカモシカCapricornis crispus)が2日連続で写っていました。 

シーン0:4/3・午後13:37・(@0:00〜) 
晴れた昼間に偶々撮れた現場の様子です。 
スギ植林地の斜面を下から見上げるアングルになっています。 
画面中央に左から右へ緩やかに登る遊歩道があり、その路上にタヌキの溜め糞場opが残されています。 


シーン1:4/5・午前7:50・(@0:05〜) 
朝にスギ林の斜面をゆっくり登って行くカモシカaの後ろ姿が撮れていました。 
監視カメラの起動が遅れ、どこから来たのか写っていません。 
立ち止まって耳をそばだてています。 
(接近する別個体の物音に気づいていたようです。)

警戒を解いて斜面を左にトラバースしかけたときに、右から別個体bが走って来ました。(@0:22〜) 
ニホンカモシカは基本的に群れを作らずに単独生活を送るので、動画を見ている私も何事かと緊張しました。 
先行個体aを攻撃するなど、縄張り争いの意図は無いようです。 
後続個体に追いつかれても、aは落ち着いています。 
この2頭に目立った体格差はありませんから、親子(前の年に生まれた子供と母親)か、あるいは♀♂つがいと思われます。 
しかし、カモシカの発情期はもう冬に終わっているはずです。
野生カモシカの観察は外見で性別を見分けられないのがつらいところです。 
富山県の公式サイト「カモシカの保護と対応」によると、
発情期は10~12月で、妊娠期間は約7か月、4~6月頃に1仔を産む。 通常、単独で行動しており、仔は出生の翌年の春まで母親と行動をともにする。 2.5~3才で性的に成熟する。

シーン2:4/6・午前4:28・(@0:35〜) 
翌日の未明に現れたカモシカは、いつものように単独個体でした。 
奥の斜面で立ち止まり、細い落葉幼木の匂いを嗅いでいます。 
そのまま左奥に立ち去りました。 


麓に近いこの地点でニホンカモシカが撮れたのは初めてでしたが、2回ともカモシカはホンドタヌキの溜め糞場opに全く興味を示しませんでした。 
このスギ植林地に下草などカモシカの好む餌はほとんど生えてないので、ただの通り道だと思われます。

つづく→

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