2023/09/17

雪山で見つけたニホンカモシカの立小便跡と糞粒【アニマルトラッキング・フィールドサイン】

 

2023年1月中旬・午後13:45頃・晴れ 

スノーシューを履いて雪深い里山に登っている途中で雪面にニホンカモシカCapricornis crispus)の新鮮な足跡を見つけたので、追跡開始。 
雪質が腐れ雪(湿雪)だと蹄の跡がくっきり残り、分かりやすいです。 
雪山でカモシカの溜め糞場を見つけるのが今季の目標です。 

やがてカモシカが立ち止まって(立ったまま)排尿した跡が雪面に黄色く残っていました。 
尿で自分の縄張りをマーキングする行動は様々な哺乳類で見られますが、そのようなマーキング時には少量しか排尿しません。 
それに対して今回のカモシカは、膀胱に貯まっていた尿を時間をかけて一気に放出したようです。 
温かい小便で雪が溶け、雪面に丸く穴が開いています。 

※ もしかして、私が雪面に立ち小便した跡を撮ったヤラセ映像だと思う人がいるかもしれません。
そうだとしたら、周囲の雪面に私の足跡が残るはずです。

カモシカの排尿姿勢には性差があるそうです。
雪面に残る尿の放出角度からカモシカの性別が見分けられるでしょうか?
ちなみに、ニホンカモシカのマーキングは尿ではなく、顔の眼下腺からの分泌物で行います。

15分後にはスギを植林した斜面でアカマツ林との境界付近にカモシカの新鮮な糞塊を見つけました。 
黒い糞粒の量はそれほど多くなく、排泄1回分のようです。 
カモシカの溜め糞場だとすれば雪の下に古い糞が大量に埋まっていることになりますが、そもそもカモシカがここに何度も通っている形跡がありません。 
縄張り巡回中に便意を催して、通りすがりに排便しただけでしょう。 

その後も足跡を追い続けると、いつの間にかカモシカの足跡が順行⇔逆行と頻繁に入れ替わるようになりました。 
雪山で体力の消耗を軽減するために自分の古い踏み跡の上を選んで歩いているのか、あるいはワンダリング(堂々巡り)しているようです。 
雪面の蹄跡を読み解くのが難しくなり、追跡を諦めました。 
おそらくカモシカはワンダリングで私の追跡をまいてから急斜面を登って行ったようです。 




早春の雪解け田んぼで採食するコハクチョウの大群と首輪標識を付けた個体

 

2023年3月下旬・午後15:00頃・晴れ 

早春の広大な雪田にコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の大群が散開して採食していました。 
冬に渡来した白鳥の群れが毎晩過ごす集団ねぐらの川があるのですが、朝になって採餌のために塒から飛び去る行き先が長年分かりませんでした。 
白鳥に関する本を読んで、昼間に田んぼで採食するという知識は得ていました。 
しかし、ここ豪雪地帯では冬季に田んぼが深い雪に埋もれていますから、白鳥は採食できないはずです。
隣の宮城県や福島県など雪の少ない暖かな地方に毎日遠征して餌場に通っているのだろうと勝手に推測していました。 
念願だった白鳥の採食シーンを実際に観察するのは今回が初めてです。 
春になって雪が溶ければ、集団塒の川から遠出しなくても近場の田んぼで採食できるようになるのでしょう。
長年の謎(ミッシングリンク)がようやく解けたときの喜びは、自然観察の醍醐味です。 

白鳥の数があまりにも多く(数百羽?)、どの個体の行動に注目すべきか、目移りしてしまいます。 
採食中の白鳥にどれだけ近づけるか分からなかったので、警戒させないように、まずは遠くから大群の全景を撮影します。 
よく晴れて春の日差しが強く、残雪が溶けて露出した地面からは陽炎がゆらゆらと立ち昇っています。 
せっかくなので白鳥のシャープな映像を撮りたいのですけど、自然現象なので仕方がありません。 

コハクチョウたちは、雪が溶けて泥濘になった田んぼで落ち穂を丹念に食べているようです。 
羽毛が純白の個体は成鳥で、少数混じっている灰色の個体は若鳥です。 
採食だけでなく、羽繕いしたり、雪原や畦道に座り込んで昼寝をしたりする個体も見受けられます。 
その場で背伸びをしながら翼を羽ばたかせる個体もいました。 
コーコー♪と白鳥が鳴き交わす声もかすかに聞こえます。 

カメラを右から左へゆっくりパンしていると、大群に混じって1羽だけピンクの首輪を装着した個体が居ました。(@2:05〜) 
白鳥を一時捕獲して個体標識することで、渡りのルートなど詳細な研究が可能になります。
例えば、この個体はロシアのシベリア地方で首輪を装着されたのかもしれません。
首輪には個体標識の記号や文字などが記されているはずですが、遠いので残念ながら読み取れません。
それどころか、撮影中の私は首輪装着個体に全く気づきませんでした。 

参考サイト:


予定を変更し、この後も夢中で白鳥を撮りまくりました。 

つづく→

2023/09/16

笹薮の溜め糞場に夜な夜な一緒に通って排便する3頭のホンドタヌキ家族【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月上旬〜中旬 

下草に笹薮の発達した河畔林でタヌキの溜め糞場rpを自動撮影カメラで見張っていると、2夜連続で3頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が一緒に現れました。 

シーン1:3/10・午前4:59・気温1℃・(@0:00〜) 
未明に現れた先行個体aがまず溜め糞rpの匂いを嗅ぐと、南向きで排便を始めました。 
そこへ右から別個体bが登場。 
入れ替わるように溜め糞場rpで南西を向いて軟便を排泄しました。 
更に3頭目の個体cが右からやって来ました。 
溜め糞場rpでbと入れ替わる際にクゥーン♪を小声で甲高く鳴きました。 
cは溜め糞の匂いを嗅いだだけで、先行する2頭abの後を追います。 

親が幼獣を引率して縄張りを案内する場合を除き、3頭のタヌキが行動を共にして溜め糞場に来た様子が撮れたのは初めてかもしれません。 
この3頭はどういう関係性なのでしょう? 
なんとなく、♀♂つがいおよび前年に生まれた子供から成る親子の家族群ではないかという気がします。 
タヌキは基本的に一夫一妻制らしいので、♂2♀1の三角関係なら発情期には♀を巡って♂同士がもっと喧嘩するはずです。 
♂1♀2のハーレムなら三角関係でも(一時的に)平和に暮らせるのかな? 
若い三兄弟(または三姉妹)という可能性もあり得ますが、私にはタヌキの性別や年齢が見分けられません。
タヌキの♂は信楽焼の置物で見られるように、睾丸が大きく発達しているのでしょうか? 


シーン2:3/11・午前4:09・気温0℃・(@1:00〜) 
翌日も未明にやって来ました。 
右から登場した先行個体Aが溜め糞rpの匂いを嗅ぐと、南向きで排便。 
続けざまに別の2頭B、Cが右の暗闇から一緒に登場しました。 
溜め糞場rpの匂いをチェックしながら順番待ちをしている間、Bの背中をCが舐めました(甘噛み?)。 
対他毛繕いされたBはありがた迷惑そうな様子です。 
Aは脱糞後に溜め糞場rpを離れてから身震いしました。 
晴れているのに3頭とも次々と身震いするのは、なぜでしょう? 
Bは溜め糞場rpの匂いを嗅いだだけで立ち去りました。 
またもや小声で甲高くクゥーン♪と鳴く声が聞こえます。 
Cは北西を向いて排便しました。 
そこへ別個体D?(CやAが戻ってきたのかも?)が右から乱入しました。 
尻尾を高々と上げたまま四足でピョンピョン跳ねるようにCへ近づいて来ます。 
幼獣がはしゃいでいるのか、それとも繁殖期に特有の行動なのかな? 
Dは結局、排便せずに仲間と一緒に右へ立ち去りました。 

3〜4頭の家族群も溜め糞場rpに通っている可能性が出てきました。 
個体識別ができてないのに、どんどん難しい応用問題が出されるので、行動の解釈に困ってしまいます。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。



ランダムに記事を読む