2023/09/14

笹薮の溜め糞場で早春に並んで排便するホンドタヌキのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月上旬・午後20:55・気温-1℃ 

河畔林で笹薮に囲まれた溜め糞場rpを自動撮影カメラで見張っていると、ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が2頭同時に現れました。 
私には性別を見分けられませんが、♀♂ペアだと思われます。 
(ちなみに、2時間15分前には単独個体が溜め糞場rpをチェックしに来ていました。)

動画の冒頭から1頭aが西を向いて排便中でした。 
便秘なのか、排便体勢のまま長引いています。 
右へ少しずれたので排便を諦めたのかと思いきや、左で待機していたパートナーbが待ち切れなくなったようで、ペアで仲良く並んで排便を始めました。 (bは南西を向いて排便。) 

bは脱糞しながら、なぜかaと溜め糞の間に強引に割り込みました。 
その結果、脱糞中のパートナーaの肛門が自分の右肩に触れているのに気にしません。 
たまたまかもしれませんが、初めて見る行動です。 
我々ヒトの感覚では不潔な異常性癖?に見えます。 
aがbの体に尻を擦り付けて積極的に匂い付けしたのではなく、bが自ら好んでaに匂い付けしてもらったように見えました。 
早春の発情期と関係あるとしたら、互いに匂い付けするアロマーキングで絆を強めているのかもしれません。 (深読みし過ぎかな?) 

a、bの順で排便を終えると、パートナーを待たずに右(奥)の残雪を横切って立ち去りました。 



猿害対策:空砲を撃ってニホンザルの群れを追い払い山里の畑を食害から守る

 

前回の記事:▶  


2022年8月下旬・午後16:00頃・くもり 

山麓の集落で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の大群と遭遇した後で私が更に下山していると、辺りで発砲音が繰り返しこだましたので山林の方を振り返りました。 
銃犯罪とは無縁の日本で銃声を聞くとギョッとしますが、山麓の農村部では珍しくありません。 
山から里に降りてきたニホンザルの群れが家庭菜園や畑の農作物を次々に食い荒らしてしまいます。 
ニホンザルによる食害(猿害)が深刻なので、さまざまな対策をするようになりました。 
猿の群れが山から降りてくると、住民がロケット花火や爆竹、空砲を撃ちまくって脅かし、山へ追い返します。 
今回私からは少し遠いので、悲鳴を上げて山林に逃げ込むニホンザルの鳴き声は聞き取れませんでした。 
ほとぼりが覚めるとニホンザルの群れはまた戻ってくるので、いたちごっこです。 

犬猿の仲であるイヌをニホンザル撃退専門に訓練してから山村をパトロールし、ワンワン♪鳴いて猿を追い立てることで効果を上げている地域もあるそうです。 
当地でモンキードッグは未だ導入されていません。 

動画に登場する畑はただのネットで覆われているだけですが(鳥害対策?)、最近ではお金を投資して電気柵で畑全体を厳重に囲うようになりました。(下の写真を参照) 
電気柵のバッテリーはソーラーパネルで充電するようです。

蒲谷肇『千葉県におけるシカとサルによる農林業義外と対策』(1995)を読むと具体的に書いてありました。
サルの防護は、3,000〜8,000Vの高圧微弱電流(500mA以下) が約1秒間隔のパルスで金属線に流れている電気柵でサルの侵入を防ぐことによる。電気柵が効果を失うのは、主として蔓が伸びて金属線に絡みつき漏電する場合とサルが柵の近くの高い木に登って農耕地等に跳びこむ場合である。(『現代生態学とその周辺』p171より引用)
少し古い資料ですし、電気柵メーカーや機種によって違うのかもしれませんが、パルス電流を流しているとは知りませんでした。

ちなみに、空砲を連射しても周囲のミンミンゼミ♂♪は鳴き止みません。 
セミが鳴く木の下で大砲をぶっ放したファーブルの実験を思い出しました。

2023/09/13

雪崩に埋もれた渓谷を深夜に連れ立って渡る2頭のニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月上旬・午前1:20頃

2月中旬に発生したと思われる雪崩によって里山の深い渓谷が埋もれてしまっています。 
深夜に2頭のニホンカモシカCapricornis crispus)が渓谷の右岸に現れました。 
2頭が連れ立って対岸(左岸)に向かって雪崩跡の上を慎重に渡り始めました。 
この日の雪質はやや凍っているようで、カモシカの体重をなんとか支え切れるぐらい硬いようです。 

ニホンカモシカはウシ科なのに群れを作らず、単独行動が基本です。 
この2頭に体格差はほとんどありませんが、おそらく母子だと思います。 
後続個体の方が体毛が白っぽく、やや小柄です。 
成獣の♀♂ペアだとしたら面白いのですが、定かではありません。 

雪山登山をするヒトはご存知かと思いますが、この雪渓を早春に渡るのは実は結構危険です。 
深い雪に埋もれて見えませんが、渓谷を流れ下る沢の水によって雪渓の底がどんどん溶けて空洞が成長しつつあるからです。 
クレバス上の雪の橋をスノーブリッジと呼びます。 
晴れた昼間は太陽光で雪面が溶かされますから、スノーブリッジは上と下から刻々と薄くなり、時限爆弾のように落とし穴(クレバス)の危険性が増します。 
雪渓を渡る途中でカモシカの蹄が運悪く空洞を踏み抜くと、クレバスに落ちて脱出できなくなる恐れがあります。 
スノーブリッジがカモシカの体重を支え切れずに崩落するかもしれません。
足の骨を折ったりしたら致命的です。 
カモシカの親子がスノーブリッジの危険性を知った上で、最低気温に下がって雪面が固くなる深夜を選んで雪渓を渡ったとしたら、なかなか賢いですね。 
賢母の知恵を子供に伝えていくのでしょう。 

カモシカの親子はなんとか無事に雪崩跡を渡ることができました。 
先行する個体(母親?)に後続の個体(幼獣?)が追いつき、顔を寄せ合っています。 
なぜかそのまま対岸でしばらく佇んでいました。 

逆に渓谷の左岸から右岸に向かって雪崩跡を渡って来るカモシカがトレイルカメラで撮れていないのは、同じ道を通らず一筆書きで縄張りを巡回しているからでしょう。 

※ 後半部は動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。




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