2023/03/10

杉林道を歩くニホンカモシカの記録:2022年9月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2022年9月中旬 

里山のスギ林道に設置した自動センサーカメラに最も頻繁に写るのはニホンカモシカCapricornis crispus)です。 
スギ林にカモシカの食料が豊富にあるとは思えないのですが、歩きやすい通り道(獣道)としてよく利用しているようです。 
カモシカは群れではなく単独生活を送り、昼も夜も活動しています。 
日に何度も行き来することがありますが、個体識別できていないので、計何頭のカモシカが生息しているのか不明です。 
トレイルカメラの写真や動画を元に人工知能(AI)で野生動物の個体識別を自動化してくれたら非常に助かります。
ニホンザルではそのような研究が進んでいるらしいです。 
一刻も早く実用化して欲しいものです。
私の理解では、最初に誰か個体識別の得意な研究者がAIに教え込む必要があるはずですけど、教師なし学習も可能なのかな?
成長しても老化しても個体識別できる安定した特徴をAIは見つけられるでしょうか。
動画だと歩幅や歩き方の微妙な癖なども個体識別の手がかりになりそうです。(※ 追記参照)


シーン1:9/13・午前3:24・気温19℃ 
深夜に右から左へ横切りました。 
林道の左端を歩くので、カメラに近過ぎます。 


シーン2:9/13・午後18:26・気温24℃ (日の入り時刻は午後17:54)(@0:08〜) 
日没後の晩に、林道を右から左へ横切りました。 
林道の真ん中を歩き、タヌキの溜め糞を跨いで行きました。 


シーン3:9/15・午前00:11・気温18℃ (@0:18〜) 
今回は深夜に林道を左からやって来ました。 
対面に見えるスギ大木(胸高直径60.5cm)の右横に生えたコシアブラ幼木の枝葉に顔を擦りつけたようです。 
眼下腺マーキングしているカモシカの顔が残念ながら画角の外に見切れてしまいました。 
トレイルカメラの設置位置をもっと上にずらせば、溜め糞場sとコシアブラ幼木の両方写るようになるかもしれません。 
匂い付けした後は林道を右に立ち去りました。 


シーン4:9/16・午後15:45・気温24℃ (@0:59〜) 
翌日は明るい午後に画面の下からノッソリと登場しました。 
林道脇の斜面(法面)を下りてきたのか、それとも林道の右端を歩いてきたのか、どちらでしょう? 
林道を渡ると、コシアブラ幼木の枝葉に顔を擦りつけてから、右に歩き去りました。 
コシアブラに眼下腺マーキングするカモシカは特定の個体だけなのか、それとも複数個体が代わる代わるやっているのか、気になります。 


シーン5:9/16・午後18:11・気温22℃ (@1:26〜) 
2.5時間後の晩に、カモシカが林道を右から左へ通り過ぎました。 
同一個体が戻ってきたのかな?
この林道は緩やかな坂になっていて、今回は登ってきたことになります。 

前夜にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が林道の真ん中に排便した溜め糞が未だ原形を留めたまま残っています。 
センチコガネなどの糞虫が地中に埋める活動が間に合わなかったのでしょう。 

カモシカは暗闇の林道でもタヌキの溜め糞を踏まずに毎回しっかり跨いで通り過ぎるのが不思議です。 
ニホンカモシカは頭を下げて歩きますから、わざわざ溜め糞を迂回するまでもなく、糞便臭で溜め糞の存在に気づくのでしょう。 


シーン6:9/17・午前8:13・気温20℃ (@1:36〜) 
朝日が射す林道の真ん中を左から歩いてきたカモシカが、溜め糞場の手前で左に逸れました。 
対面のスギ大木の横を通り過ぎたものの、今回はコシアブラ幼木で眼下腺マーキングをしないで右に立ち去りました。 


シーン7:9/18・午後12:48・気温29℃ (@1:49〜) 
翌日は正午過ぎに登場しました。 
林道の真ん中を歩いて右から左へ通過しました。 


※ 暗視映像の一部を動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しています。 
逆に、至近距離で白飛びしたパートを暗く加工しました。 





※【追記】
Microsoftが提供しているCopilot(ChatGPT4)に相談したところ、以下の回答が得られました。


自分 が送信しました:
定点観察している野生動物の動画を大量に撮りためて、それをAIに学習させて個体識別させるプログラムは実現可能か?

Copilot が送信しました:
はい、実現可能です。実際に、野生動物の個体識別にAIを活用するプロジェクトがいくつか存在します。

例えば、**Wildbook**というオープンソースのプラットフォームは、AIとコンピュータビジョンを使用して、野生動物の個体識別や人口分析を行っています²。また、**Wildlife.AI**は、特定の動物種の個体識別を支援するパターン認識ソフトウェアを提供しています¹。

これらのプログラムは、カメラトラップや定点観察カメラで撮影された大量の動画や画像データをAIに学習させることで、特定の個体を識別し、追跡することができます³。

もし具体的なプロジェクトや技術についてさらに知りたい場合は、ぜひ教えてください。どのような動物を観察しているのか、どのようなデータを収集しているのかなど、詳細を教えていただければ、さらに具体的なアドバイスができるかもしれません。

ソース: Copilot との会話、 2024/10/1
(1) Wildbook - Wild Me. https://www.wildme.org/wildbook.html.
(2) Wildlife.AI – Using artificial intelligence to accelerate .... https://wildlife.ai/.
(3) Project Zamba: Computer Vision for Wildlife Research and .... https://zamba.drivendata.org/.
(4) About Wildlife Insights AI | Wildlife Insights. https://www.wildlifeinsights.org/about-wildlife-insights-ai.

自分 が送信しました:
トレイルカメラで撮った監視映像が大量にあるので、それを活用したい。

Copilot が送信しました:
それは素晴らしいですね!トレイルカメラで撮影した映像を活用して、AIに学習させることで、個体識別や行動解析が可能になります。以下のステップで進めることができます:

1. **データ整理**: まず、撮影した映像を整理し、各映像に対してメタデータ(撮影日時、場所、環境条件など)を付与します。

2. **データラベリング**: AIに学習させるためには、映像内の動物を手動でラベリングする必要があります。これには、動物の種類や個体の特徴をタグ付けする作業が含まれます。

3. **モデル選定**: 個体識別に適したAIモデルを選定します。例えば、YOLO(You Only Look Once)やResNetなどのディープラーニングモデルがよく使われます。

4. **モデル訓練**: ラベリングされたデータを使ってAIモデルを訓練します。この過程では、大量のデータが必要となるため、できるだけ多くの映像を用意することが重要です。

5. **評価と改善**: 訓練されたモデルを評価し、精度を確認します。必要に応じて、モデルのパラメータを調整したり、追加のデータで再訓練を行います。

6. **実装と運用**: 最終的に、訓練されたモデルを実際のデータに適用し、個体識別や行動解析を行います。

もし具体的なツールやソフトウェアについて知りたい場合や、プロジェクトの進め方についてさらに詳しく知りたい場合は、ぜひ教えてください。お手伝いできることがあれば、喜んでサポートします!





自分 が送信しました:
個体識別のAIによる教師なし学習は可能か?

Copilot が送信しました:
はい、個体識別においても教師なし学習を活用することは可能です。教師なし学習は、ラベル付けされたデータがなくても、データのパターンや構造を自動的に見つけ出すことができます。以下のような手法が一般的です:

1. **クラスタリング**: データを類似性に基づいてグループ分けする手法です。例えば、動物の画像をクラスタリングすることで、同じ個体や似た特徴を持つ個体をグループ化できます¹。

2. **自己組織化マップ(SOM)**: 高次元データを低次元にマッピングし、データのパターンを視覚的に理解する手法です。これにより、個体の特徴を視覚的に分類できます¹。

3. **生成モデル(GAN)**: 敵対的生成ネットワーク(GAN)を使用して、データの特徴を学習し、新しいデータを生成することができます。これにより、個体の特徴をより詳細に理解することが可能です¹。

教師なし学習は、特に大量のデータがある場合に有効で、手動でラベル付けする手間を省くことができます。ただし、最終的な結果の解釈や評価には人間の判断が必要です。

具体的なプロジェクトや使用するツールについてさらに知りたい場合は、ぜひ教えてください。お手伝いできることがあれば、喜んでサポートします!

¹: [教師なし学習の概要と手法](https://aismiley.co.jp/ai_news/unsupervised-learning/)

ソース: Copilot との会話、 2024/10/1
(1) 教師なし学習とは?種類・活用事例・クラスタリング手法を .... https://aismiley.co.jp/ai_news/unsupervised-learning/.
(2) 【2024】教師あり学習と教師なし学習の違いとは?それぞれの .... https://ai-kenkyujo.com/artificial-intelligence/kyoushiarigakusyu-kyoushinasigakusyu/.
(3) 2012年にAIの歴史が動いた! - ダイヤモンド・オンライン. https://diamond.jp/articles/-/165402.
(4) 教師なし学習とは | 教師あり学習や強化学習との違い ... - Ledge.ai. https://ledge.ai/articles/unsupervised.
(5) 文系でも分かる「機械学習」のススメ 教師あり/なし、強化 .... https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/23/news025_2.html.
(6) ja.wikipedia.org. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AA%E3%81%97%E5%AD%A6%E7%BF%92.

モンスズメバチ♀とザクロ

 

2022年9月中旬・午後12:45頃・晴れ 

民家の庭に植栽されたザクロの木に赤い果実がなっていました。 
モンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が飛び回っていたので、甘党の蜂がザクロの熟果を食害・吸汁しに来たのかと期待しました。
関連記事(0、5年前の撮影)▶  
リンゴの果実を食害するモンスズメバチ♀と待ち伏せるニホンアマガエル 
ブラックベリーの完熟果実から吸汁するモンスズメバチ♀
うっすらと赤く色づいたザクロの果実に着陸したものの、ちょっと身繕いしただけで飛び立ちました。 
果実の表面に蜂が食害した食痕は見当たりません。 

今度は太い枝の切り口(剪定跡)に着地しました。 
古い切り口なので、樹液が滲み出している様子もありません。 
モンスズメバチが営巣できるほど大きな樹洞があるようにも見えません。 
おそらく、モンスズメバチ♀は獲物を探索する探餌飛翔していただけなのでしょう。 

後でネット検索しても、ザクロの実を食害・吸汁するスズメバチの情報はヒットしませんでした。
wikipediaによるとユダヤ教では「ザクロは虫がつかない唯一の果物」とされているそうですが、その詳細は不明です。
天然の虫よけ物質(忌避物質)を含んでいるのだとしたら、面白そうです。

2023/03/09

車に轢かれたニホンイタチの死骸に群がるハエ他

 

2022年9月中旬・午前10:20頃・くもり 

田園地帯を通る農道(砂利道)の端にニホンイタチMustela itatsi)の死骸が転がっていました。 
イタチの遺骸を見つけたのは、これで2回目です。
関連記事(5年前の撮影)▶ ニホンイタチの死骸

前回は死骸の損傷が激しく、テンとの区別も迷いました。
今回の死骸は足の裏が黒くないので、テンではないと分かります。

15cmの定規を死骸の横に並べて置きました。 
開いたままの目は少し濁っていました。 
乾いているものの、全身が泥水をかぶった後のように汚れている点が気になります。 
車にはねられたイタチが砂利道を転がって砂で汚れたのかな? 
それとも、イタチは死ぬ直前まで水田に出入りしていたのでしょうか? 
田んぼには黄色い稲穂が実っています。 
農薬による中毒死という可能性も頭をよぎったのですけど、頭頂部に乾いた流血痕があることから、おそらく夜の間に走ってきた車と正面からぶつかって即死したのでしょう。 
私はロードキルの加害経験がないのですが、果たして夜の砂利道で野生動物を轢き殺すほど車のスピードを出すでしょうか? 
車の眩しいヘッドライトに照らされると野生動物はパニックになり、徐行していても車に向かって突進してくるのかな?
直線の舗装路を夜中に猛スピードで暴走していた車がイタチをはねてしまい、動転した運転者がその死骸を横の農道までわざわざ運んで捨てたのかもしれません。 
しかし、普通の人は野生動物の死骸を手で持つ気になれないでしょう。 


せっかく新鮮なご馳走(遺骸)があるのに、朝からカラスやトビなど大型のスカベンジャーが来てないのも不思議です。 
死骸を食い荒らした形跡がありませんでした。
もしかすると、トビなどがイタチの死骸を車道(舗装路)から農道(砂利道)まで一旦持ち去って、いざ食べようとしたら邪魔が入って逃げたのではないか?などと想像しました。 

関連記事(7ヶ月後に現場近くで撮影)▶ 動物の死骸を独り占めする恐妻家のトビ(野鳥)


屍肉食の昆虫は、ハエとアリしか来ていませんでした。 
死骸にウジ虫(ハエの幼虫)は未だ発生しておらず、新鮮な死骸であることを物語っています。 
飛来したクロバエの仲間(種名不詳)がイタチの開いた口から吸汁を始めました。 
キンバエ類(種名不詳)も多数飛び回っています。 


せっかくの機会なので、この死骸をお土産としてありがたく持ち帰ることにしました。 
素手で触れないように、ありあわせのビニール袋を手袋として使います。 
イタチの死骸をジップロックに詰めてから、更に大きなビニール袋で二重に密閉しました。 
こういうときのために、10kgの米が入っていた大きなビニール袋を私は常に持ち歩いています。 
米袋はビニールの材質がとても丈夫ですし、匂いやドリップ(死骸の血液・体液)も通しませんし、中身が透けて見えることもありません。 
ニホンイタチの亡骸を持ち上げると、ぐにゃりと柔らかい感触が印象に残りました。 
死後硬直は未だ起きていないことになります。
急ぐ用事のあった私は、外性器をチェックする余裕もありませんでした。(性別不明) 
死骸の下には微小なアリ(種名不詳)が群がっていました。 


本当はイタチの頭骨標本を作りたいのですが、残念ながら頭蓋骨は折れていそうです。 
この日は忙しい予定があり、イタチの死骸を解剖して胃内容物を調べる余力もありませんでした。 
どこか人里離れた山中に死骸を放置して、様々なスカベンジャー(屍肉食者)によって分解され土に還るまでの一部始終をトレイルカメラで記録するのも面白そうです。 
しかし、いざ実際にやろうとすると細々とした準備が必要なので、急には対応できませんでした。 
残暑が続く季節のため、放っておくと死骸は刻々と腐敗してしまいます。 
仕方がないので、今回は手っ取り早く遺骸をそのまま地中に埋めて、白骨化するまで気長に待つことにしました。 

つづく→?

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