2023/01/25

夜の溜め糞場で活動する糞虫たち【5倍速暗視映像:トレイルカメラ】

 

2022年8月下旬 

里山の林道に残されたタヌキとアナグマの溜め糞場sをトレイルカメラで見張っていると、監視映像にときどき糞虫の活動が記録されています。 
本来、変温動物の糞虫がいくら動き回ってもカメラのセンサーは反応しないはずです。 
たまたま恒温動物(哺乳類と鳥類)が通りかかったときに、糞虫が写り込んでいるときがあるのです。 
引きの絵では糞虫の動きが遅過ぎて分かりにくいので、5倍速の早回し映像に加工しました。


シーン1:8/22・午後23:45・気温22℃ 
自動撮影カメラが何に反応して起動したのか不明です。 
別アングルのトレイルカメラをチェックすると、この時刻にカモシカが写っていたのですが、こちらのカメラの死角を通ったようです。 

赤丸で囲った画面の中央に注目して下さい。 
スギの落葉が敷き詰められた林道上を、黒っぽい糞虫(種名不詳:センチコガネの仲間か?)がアナグマの溜め糞に向かって歩いています。 
辿り着く前に、トレイルカメラの録画タイマーが切れてしまいました。 


シーン2:8/23・午後19:45頃・気温25℃ (@0:14〜) 
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の顔黒個体が登場し、溜め糞場sをうろついてから帰りました。
関連記事(等倍速の映像はこちら)▶ 同じ日に溜め糞場を別々に訪れる2頭のニホンアナグマ(顔白、顔黒)【トレイルカメラ:暗視映像】

赤丸で囲ったホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の溜め糞の上を黒っぽい糞虫(種名不詳:センチコガネの仲間か?)が活発に動き回っています。 
後半(@0:36〜)になると、左から別の黒い甲虫がタヌキの溜め糞に向かって歩いて来ました。 
辿り着く前に尻切れトンボに終わったのは残念でした。 

糞虫は餌から発する糞便臭に誘引されてまっしぐらに集まってくるようです。
暗闇ですから、視覚頼りではなく触角の嗅覚による化学走性と思われます。
いつも歩いて溜め糞に向かっています。
本に書いてあるような、糞虫が飛来するシーンはなぜか一度も見たことがありません。

溜め糞に集まる糞虫を狙って捕食する動物や野鳥がいるのではないかと予想しているのですけど、決定的な捕食シーンの証拠映像がなかなか撮れません。


【追記】
中村圭一『たくましくて美しい 糞虫図鑑』を読んで知ったのですが、たとえばゴホンダイコクコガネという糞虫は夜行性なのだそうです。
私は未だ見つけたことがありません。


2023/01/24

ニホンイノシシのヌタ場を探せ(1)雨天の水溜りで泥浴びせず【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年8月下旬・午後 17:40頃・雨  (日の入り時刻は午後18:20)

里山の林道でヌタ場らしき水溜りのある区間をトレイルカメラで見張っていると、待望のニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)が遂に登場しました。 
果たして泥浴びしてくれるでしょうか?

雨が降る夕方で暗く、霧も少し立ち込めています。 
動画の冒頭から至近距離でイノシシの横顔が写りました。
カメラを固定したシナノキの幹の匂いを嗅いでいるのか、近くで灌木の葉を採食したのか、とにかくレンズに近過ぎて何をしているのか不明です。 
ゴソゴソと物音が聞こえます。 
シナノキの幹で牙を研いだ可能性も考えましたが、後日現場検証しても研ぎ跡は見つかりませんでした。
幼獣(ウリ坊)ではなく成獣であることは間違いありませんが、口元の牙が見えないので性別が分かりません。 
この個体の毛皮にどのぐらい泥汚れが付いているのか、赤外線の暗視映像ではよく分かりません。(見える範囲では、きれいな体のような気がします。) 

ようやくイノシシが現れたのは嬉しいのですけど、水溜りで泥浴び(ヌタ打ち)をしてくれず、予想が外れました。 
おかしな異物(トレイルカメラ)の存在に匂いで気づいて、警戒したのでしょうか? 
雨の日は泥浴びする気が失せるのかな? 
林道上の水たまり(ヌタ場?)に立ち寄らずに法面を登ってきたのか、逆にカメラの背後にある斜面の獣道を下ってきた可能性もあります。 
マルチアングルで重点的に監視したいところですが、予算不足でトレイルカメラの台数を気軽に増やせません。
関連記事(3日前の撮影)▶ ニホンイノシシによる泥汚れ?(2)獣道の下草
この水溜りの前後で林道の下草が泥でひどく汚れていたことから、イノシシのヌタ場ではないかと予想して監視カメラを設置したのです。 
しかしイノシシがヌタ打ちするには、この水溜りはどうも小さ過ぎるかな?と早くも弱気になってきました…。
本当のヌタ場は別の所にあるのでしょうか? 
とりあえず、しばらくはここで粘って監視を続けます。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。



桑の葉を後食したキボシカミキリが食休み

 

2022年8月下旬・午後15:45頃・晴れ 

平地の農道沿いに自生するヤマグワの群落でキボシカミキリ(Psacothea hilaris hilaris)が天辺の若葉に乗っていました。 
その若葉には食痕があり、萎れていました。 
キボシカミキリは食べ残した桑の葉の主脈に乗って休んでいました。 
隣の葉も萎れています。 
カミキリムシが後食した虫食い痕(食痕)の切り口は、鱗翅目幼虫による食痕よりも不規則で汚らしい印象になります。 
口元にズームインしても、食事中ではなく静止しているだけでした。 

私はカミキリムシの成虫が後食するシーンを観察したことがありません。
少し離れたところからしばらく見守ったのですけど、残念ながら食休み(私に対する警戒?)は解けませんでした。 
後で思うと、採集して持ち帰れば飼育下で後食シーンを撮影できたかもしれませんね。 
しかし当時は忙し過ぎて、新たに飼育ネタを増やす余力がありませんでした。 

桑の葉は傷口からアルカロイドを含む白い乳液を出して虫による食害を減らすように自衛します。 
それに対抗してキボシカミキリは摂食前にトレンチ行動するのかどうか、興味があります。 
今回、食痕の切り口に乳液は滲んでいませんでした。 
【参考】:クワは乳液で昆虫の食害から身を守る  @農業生物資源研究所からのプレスリリース



【追記】
新開孝『虫のしわざ観察ガイド—野山で見つかる食痕・産卵痕・巣』で本種の食痕について調べると、やはり成虫はトレンチ行動をするようです。
葉裏側の葉脈にかじった茶色の食痕と、葉を真ん中から雑にかじり空けた、大きな食痕が目立つようになる。(p96より引用)
クワの葉のつけ根側の葉脈をかじってから、葉脈を中心に葉を食べている。クワやイヌビワ、イチジクの場合、乳液が滲出するので、その予防策かと思う。  ※ 後食とは幼虫の摂食と区別して、成虫が摂食すること。(p97より引用)





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