2021/08/05

ツタウルシの葉裏に作られた初期巣を守るキボシアシナガバチ創設女王

 

2021年6月上旬・午後16:55頃・晴れ 

平地の防風林の樹に巻き付いて伸びるツタウルシを調べに来ました。 
訪花昆虫を観察したくて去年から通っているのですが、残念ながら花は咲いていませんでした。 
どうもツタウルシの開花時期を見定めることができません。 

その代わり、1枚のツタウルシの葉の裏面にアシナガバチの初期巣を見つけました。 
創設女王が巣盤の上に乗り、やや警戒しながら腹式呼吸しています。 
フラッシュを焚いて撮った写真を見直すと、いくつかの育房内に白い卵が見えました。 
単独営巣期のアシナガバチの女王蜂は一般に臆病なので、私がよほど無茶をしない限り刺される心配はあまりありません。 

ウルシ科では唯一の蔓植物であるツタウルシには強力な「かぶれ成分」(揮発性のウルシオールなど)が含まれているので、それと分かってるヒトは(物好き以外は)嫌がって近づきません。 
女王蜂がツタウルシの葉裏を営巣地に選んだのは、なかなか賢い選択だと思います。 

キボシアシナガバチまたはコアシナガバチだと思うのですけど、蜂が背面を向けてくれないので識別点の前伸腹節がしっかり見えません。 
第1腹節の黄色紋のほかに腹節には黄色斑が無いので、コアシナガバチではなくキボシアシナガバチだろうと判断しました。 
営巣環境も現場は自然度が高く、キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)で良さそうです。 
コアシナガバチの巣はもっと人家の近くで見つかることが多いです。 

ツタウルシの蔓が巻き付いた樹種を調べるのを忘れました。(ハンノキかな?)

※ 昼間でも薄暗い林床なので、手持ち夜景モードで撮影しました。(それでも暗い)

庭の巨岩から電線に飛び移るモズ♂(野鳥)

 

2021年6月上旬・午後14:10頃・晴れ 

お寺の境内の電線にモズ♂(Lanius bucephalus)が止まっています。 
逆光で見えにくいのですが、黒い過眼線から♂のようです。 
モズが電線に止まると脚が長く見えますね。 

電線から飛び去ったモズ♂の行方を探すと、庭の大岩の天辺に乗っていました。 
縄張りを見張ったり獲物を探すためにモズは高い所によく止まるのですが、大岩の上で見かけたのは初めてです。 
周囲よりも高くて見晴らしが良ければどこでも良いのでしょう。 

庭石から飛び上がると、近くの電線に止まり直しました。 
嘴を開けて小声で鳴いているようですが、聞き取れません。 
更に高い電線に止まり直してから、どこかへ飛び去りました。 
どうも近くの庭木で営巣している気がするのですが、巣を見つけられません。

2021/08/04

リンゴ園に設置された巣箱に群がり交尾相手♀を探すマメコバチ♂の群飛【HD動画&ハイスピード動画】

 

2021年5月上旬・午後15:10頃・晴れ
▼前回の記事: リンゴ園でヨシ筒の巣に出入りするマメコバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】

春のリンゴ園をあちこち見て回ると、リンゴの木の下に設置されたマメコバチ(Osmia cornifrons)の巣箱を観察しやすい場所を新たに見つけました。 
果樹園の敷地内に立ち入らなくても横の公道から撮影が可能です。 

この日はもうリンゴの花が萎れかけていて、受粉を媒介する訪花昆虫(送粉者)の姿はほとんど見当たりませんでした。 
(クマバチのリンゴ訪花シーンを撮り損ねました。) 

 切り揃えたヨシの茎を大量に束ねたネスト・トラップをプラスチックの箱の中に水平に収納しています。 
巣箱が雨で濡れないようにする屋根は簡易的で、ビニールシートを無造作に被せてあるだけでした。 
これを園内に設置しておくだけで多数のマメコバチが勝手に営巣してくれ、春の受粉期に大活躍するのです。
斜めにカットしたヨシ筒束の切り口がマメコバチの巣口になっています。 
その手前で多数の小さな蜂が忙しなく飛び回っていました。 

肉眼では蜂の動きが早過ぎて何が起こっているのか分かりませんから、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみましょう。(@0:45〜) 
すると、巣箱の周囲で群飛している個体のほとんどが雄蜂♂であることが判明。 
マメコバチの雄蜂♂は体型がほっそりしていて触角がやや長く、頭楯に白い毛が密生しているのが特徴です。 
つまり、この群飛は雄蜂♂が交尾相手の処女♀を探索する探雌飛翔でした。 
マメコバチもおそらく♂成虫が♀よりも早く羽化する雄性先熟なのでしょう。 
・♂が♀よりもやや早く羽化を始める現象をプロタンドリー(protandry;雄性先熟)
・1年で1世代しか過ごさず、決まった季節に蛹から羽化してきて数週間の配偶行動を経て産卵を終えるというタイプの昆虫は、♂が♀よりも早く羽化する(プロタンドリー現象) 渡辺守『チョウの生態「学」始末』より引用
♂はヨシ筒束の巣口から羽化してくる未交尾♀を近くで待ち構えて、見つけた♂が早いもの勝ちで交尾するのでしょう。 
マメコバチ♂は巣箱の手前でひたすらホバリング(停空飛翔)しています。 
♂同士の縄張り争いや空中戦は全く見られませんでした。 
(空中で軽く衝突して墜落することがたまにありました。) 

ときどきヨシ筒に着陸して潜り込む雄蜂♂も見受けられました。 
しばらくすると外に出てきて、再び探雌飛翔を続けます。 
羽化直後の処女♀と巣内で交尾したとしても、このアングルではおそらく見えないでしょう。 

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