2021年6月上旬・午後16:55頃・晴れ
平地の防風林の樹に巻き付いて伸びるツタウルシを調べに来ました。
訪花昆虫を観察したくて去年から通っているのですが、残念ながら花は咲いていませんでした。
どうもツタウルシの開花時期を見定めることができません。
その代わり、1枚のツタウルシの葉の裏面にアシナガバチの初期巣を見つけました。
創設女王が巣盤の上に乗り、やや警戒しながら腹式呼吸しています。
フラッシュを焚いて撮った写真を見直すと、いくつかの育房内に白い卵が見えました。
単独営巣期のアシナガバチの女王蜂は一般に臆病なので、私がよほど無茶をしない限り刺される心配はあまりありません。
ウルシ科では唯一の蔓植物であるツタウルシには強力な「かぶれ成分」(揮発性のウルシオールなど)が含まれているので、それと分かってるヒトは(物好き以外は)嫌がって近づきません。
女王蜂がツタウルシの葉裏を営巣地に選んだのは、なかなか賢い選択だと思います。
キボシアシナガバチまたはコアシナガバチだと思うのですけど、蜂が背面を向けてくれないので識別点の前伸腹節がしっかり見えません。
第1腹節の黄色紋のほかに腹節には黄色斑が無いので、コアシナガバチではなくキボシアシナガバチだろうと判断しました。
営巣環境も現場は自然度が高く、キボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)で良さそうです。
コアシナガバチの巣はもっと人家の近くで見つかることが多いです。
ツタウルシの蔓が巻き付いた樹種を調べるのを忘れました。(ハンノキかな?)
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