2020/09/15

ナツメの花を舐めるニクバエの一種



2020年7月上旬・午後15:40頃・くもり

農家の庭に植栽された落葉樹が昨年の晩秋に見たことのない奇妙な果実をつけていて、ずっと気になっていました。
樹種を知りたくて春から定点観察に通っていたところ、ようやく蕾(※)から黄色い小さな花が咲いてナツメと判明しました。



花の正体が分かると、次に気になるのは訪花昆虫です。
生憎この日は今にも雨が降りそうな天気で、虫はあまり来ていませんでした。
ようやく撮れたのは、ニクバエの一種です。
口吻を伸縮させて花粉や花蜜を舐めています。
食事の途中でナツメの花から離れ、葉の上で後脚を擦り合わせ身繕い。






※【追記】
6月中旬に撮影した蕾(花芽)の写真です。
夏になると芽が出ることから、ナツメなのだそうです。
風揺れがひどいのにストロボを焚かなかったので、ブレブレですね…。




小鳥を解体し幼鳥4羽に巣外給餌するハシブトガラス親鳥(野鳥)



2020年7月上旬・午後16:35頃・晴れ

川沿いに建つ2階建ての民家の赤いトタン屋根でハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の群れがやかましく鳴き騒いでいました。
何事かと思いカメラでズームインしてみると、親鳥が獲物の死体を解体している周囲で4羽の幼鳥がやかましく餌乞いしています。
嘴の中が赤いのがカラスの幼鳥の特徴です。(成鳥の口内は黒くなる。)
親鳥は解体した獲物を独り占めにはしないで、1羽の幼鳥に口移しで給餌しました。
残り物の内臓を自力で拾い食いしている逞しい幼鳥もいます。

トタン屋根に白っぽい羽毛が散乱しているので、親鳥が解体した獲物はネズミ類ではなく小鳥(スズメやドバト、ハクセキレイ?)だったようです。
親鳥が生きた小鳥を襲って狩ってきたのか(捕食)、それとも死骸を運んできたのか(屍肉食)、どちらでしょう?
ハシブトガラスの場合は前者の可能性が高いらしいのですが、見逃したのが残念です。

幼鳥への巣外給餌を済ませた親鳥がトタン屋根から飛び立つと、近くの電線に止まりました。
獲物の血や脂で塗られた嘴を足元の電線に擦りつけてきれいにしています。
屋根に居残った幼鳥群を親鳥は近くから見守ります。

しばらくすると再び親鳥が屋根に戻り、幼鳥に給餌しました。(先程とは別個体の親鳥かもしれません。)
その際に何か白っぽい破片(パン粉?)が屋根に落ちたり嘴に付着したので、今度の給餌メニューはパンかもしれません。
物足りない幼鳥は餌乞いを続け、トタン屋根に散らばった小鳥の肉片を拾い食いしています。

屋根の上に最後まで残っていた幼鳥が、屋根に登る梯子の天辺に飛び乗り、親鳥の帰りを待っています。
屋根に再登場した親鳥の喉袋が餌で膨らんでいます。
それを見た幼鳥が親鳥の横にフワリと舞い降り、餌をねだりました。
給餌後に親子のハシブトガラスが相次いで屋根から飛び立つと、隣接するヒマラヤスギ並木の方へ飛んで行きました。
先に飛び去った幼鳥は、肉片を嘴に咥えたまま飛び立ちました。




2020/09/14

ヒヨドリバナの花蜜を吸うナミツチスガリ♀



2020年7月中旬・午後17:00頃・くもり

道端(民家の庭先)に咲き始めたヒヨドリバナの群落でナミツチスガリ♀(Cerceris hortivaga)が訪花していました。
未だ咲いていない蕾が多いので、吸蜜してもすぐに飛んで別の花序に移動してしまいます。

後半からはマクロレンズを装着して接写しました。(@2:44〜)
黒光りする体表の点刻が見事です。
ナミツチスガリの顔は愛嬌があって好きです。

私にはナミツチスガリの性別の見分け方が分からず、ネット検索でも苦労しました。
おそらく頭楯に分かりやすい性差が出るはずだと思うのですが、私は♀の顔写真しか撮れていません。
交尾シーンを顔正面から撮った写真があれば一目瞭然なのですけど、ネット上に見当たらないのです。
狩蜂の生態写真を得意としておられる「裏庭観察記 外伝」ブログでナミツチスガリ雄蜂♂の見事な顔写真が掲載されていました。

華奢な体格。オレンジ髭。
この特徴的な口髭が雄蜂♂の特徴のようです。
さて、今回私が撮った個体はどちらでしょう?
吸蜜シーンを接写しても、蜂の動きが忙しない上にヒヨドリバナの長い雌しべが邪魔で、肝心の口元がよく見えません。
スロー再生してもオレンジ色の口髭は見えなかったので、おそらく♀だと思うのですが、どうでしょうか?
そもそも私は、ナミツチスガリの訪花シーンを見たのは今回が初めてです。

重い腰を上げて「ツチスガリ属の種の検索表」を紐解いてみると、「腹部は6節の可視節からなる。触角は12節からなる」のが♀で、「腹部は7節の可視節からなる。触角は13節からなる」のが♂と記述されていました。
寺山守氏のホームページ内で公開されている「フシダカバチ亜科の種検索」および「フシダカバチ亜科 カラー画像」のPDFファイルを参照。)
同定用の生態写真をしっかり接写するか、採集して標本を精査しない限り、動画派の私にはツチスガリの性別を見分けるのは困難だと分かりました。




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