2019/11/26

葛の葉を切り取るクズハキリバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】



2019年8月上旬・快晴、酷暑の午後

川沿いに繁茂するクズの群落でクズハキリバチ♀(Megachile pseudomonticola)が何匹も巣材集めに通っていました。
ハキリバチの巣材集め行動を見るのが長年の悲願だったので、感無量です。
特に、切り抜いた葉片に跨って飛び去る様子が感動的でした。

飛来したクズハキリバチ♀がクズの大きな葉の縁にしがみつくと、鋭い大顎で楕円形または円形に巣材を切り抜きます。
採餌活動はせずに巣材集めに専念しているようで、腹部下面のスコパは空荷でした(茶色の毛が密生)。
透明な翅は黒く縁取られています。
葉片を切り落とす直前から羽ばたきを始め、曲げた巣材を脚で抱えると、巣に向かって飛び去ります。
河川敷を横切って一気に高度を上げると、青空に吸い込まれるようにゆっくり飛んで行きます。
本で読んだ通りの美しさでした。
空輸スピードが意外に遅いのは、荷物が重いというよりも空気抵抗が大きいためでしょう。

このクズ群落を見回すと、あちこちの葉にハキリバチがくり抜いた痕跡が残されていて穴だらけになっていました。
ハキリバチに何回も繰り返し切り抜かれた結果、葉の縁がギザギザの鋸歯のようになった葉もあります。
クズハキリバチ♀にくり抜かれてしばらくすると、丸い穴の縁から少し変色が始まるようです。
ニセアカシアやノイバラなども近くに生えていましたが、クズ以外の植物の葉で巣材を集める個体は見られませんでした。(巣材の選択性)

それぞれのクズハキリバチ♀はクズ群落の中でもお気に入りの葉を選ぶと毎回同じ葉に集中的に通って来ているのでしょうか?
(活動するクズハキリバチ♀の個体数がなまじ多いと目移りして右往左往するだけなので、葉切り行動をどうやったら効率よく撮影できるか?という必要に迫られた実用的な疑問です。)
蜂を個体標識してしっかり調べた訳ではありませんが、私が特定のクズの葉に注目して待ち構えていても、クズハキリバチ♀はほとんど戻って来ませんでした。
古い(前回の?)切り抜き穴の隣から採取することもあれば、無傷のクズ葉の縁から葉片を切り抜くこともありました。
特定の葉に戻って来るつもりなら、場所をしっかり記憶するために、葉を切り抜いた直後に定位飛行をするはずです。
しかし帰巣する前に定位飛行する個体は見られませんでした。
どの葉から切り取るか、おそらく毎回ランダムというか臨機応変に選択しているようです。
辺りにはクズの大群落が生い茂っていて巣材源は無尽蔵にありますから、わざわざ細かい場所まで記憶する必要が無いのでしょう。
ハキリバチ♀は巣作りの進捗状況に応じて、次に必要となる巣材の大きさや形、柔らかさなどを変えているのだそうです。

クズハキリバチ♀は単独で営巣するので、社会性のハチではありません。
それなのにお気に入りのクズ群落が集団採葉場として選ばれ、多数の♀が巣材の葉片を集めに通って来るのは一体どうしてでしょう?
クズは至る所に生える雑草ですから、クズハキリバチ♀は各自が巣に近い別々の場所で巣材集めをしても良さそうなものです。

来年も次世代のクズハキリバチ♀が同じ場所に生えたクズ群落を集団採葉場とするのかどうか、非常に興味があります。 (ドロバチ類では集団採土場を何年か連続して見ています。)

葉片を持って帰巣する蜂を毎回途中で見失ってしまい、営巣地は不明です。
飛び去った方向には堤防があり、土手の上には桜(ソメイヨシノ)並木が見えました。
クズハキリバチは借坑性ですから、おそらくソメイヨシノ樹上のあちこちに小さな樹洞があり、そこに巣があるのではないかと私は予想しています。

クズハキリバチ♀の一連の行動を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみましょう。(@1:16〜)
葉片を切り取った後に羽ばたくのが遅れて地上に軽く墜落してしまった個体が微笑ましいです。
ハイスピード・モードにすると固定焦点なので、飛び去る蜂を流し撮りしてもすぐにピントが合わなくなってしまいます。(一長一短)

複数個体を撮影。

実はハキリバチ類の葉切り行動を実際に観察するのは、生まれて初めてでした。
これまでハキリバチの仕業(葉切り痕)をフィールドで見つけたことも数えるぐらいしかなかったのです。
蜂好きを自称している割にはハキリバチの仕事っぷりを見ていないことが、密かなコンプレックスになっていたぐらいです。
ずっと見たい見たいと思っていた長年の夢がようやく叶い、この夏で一番嬉しく興奮しました。

私が夢中になって動画を撮りまくっていると、やがて巣材集めに通うクズハキリバチ♀の数が減りました。
おそらく日周リズムで活発に働く時間帯が決まっているのでしょう。
次回はもう少し早い時間帯に来てみようと思います。



つづく→クズハキリバチ♀は巣材を切り取る葉を選り好みする【HD動画&ハイスピード動画】


クズハキリバチ♀@クズ葉切り取り:巣材集め
クズハキリバチ♀@クズ葉切り取り:巣材集め
クズハキリバチ♀@クズ葉切り取り:巣材集め+運搬帰巣

クズ葉:クズハキリバチ♀巣材集め痕
クズ葉:クズハキリバチ♀巣材集め痕
クズ葉:クズハキリバチ♀巣材集め痕

2019/11/25

ウワミズザクラの枝を揺すり葉を食べるニホンザル



2019年7月下旬・午前6:36

若いニホンザルMacaca fuscata fuscata)が山麓の雑木林の林縁で灌木によじ登りました。

灌木の樹種はおそらくウワミズザクラだと思います。
太い枝の途中から伐採されています。

幹をすばやく登ると、横枝に腰掛け、体を掻きました。
枝葉の隙間から私の姿を認めると、また威勢よく幹を少し登り、枝揺すりの誇示行動を披露してくれました。(@0:27)
全身で反動を付けて幹をユサユサと揺すっています。
下で撮っている私に対する威嚇行動でしょう。

枝の又に腰掛けてモグモグと口で何か食物を咀嚼しています。

急に立ち上がって上の枝葉に狙いを定めると素早く両手を伸ばし、葉裏に止まっていた虫?を捕まえようとしました。(@1:01)
まずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
しかし、どうやら捕虫に失敗したようです。
取り損ねた虫が擬死落下したのか、猿は悔しそうに下を見ています。
子供の頃に虫捕りに励んでいた人は皆、親近感を覚えることでしょう。



直後にウワミズザクラの葉を千切って少し食べました。
これは悔し紛れの転移行動なのかな?
左手で小枝を引き寄せ、再び葉を一口だけ採食しています。

最後は大きくジャンプして隣の木(樹種不明)の枝に跳び移りました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

野生ニホンザルの一挙手一投足は本当に見ていて飽きません。


ニホンザル@ウワミズザクラ樹上

アカメガシワ雌花の周囲で群飛するオオハキリバチ♂【HD動画&ハイスピード動画】



2019年7月下旬

民家の裏庭に植栽されたアカメガシワの雌株に多数のオオハキリバチ♂(Megachile sculpturalis)が集まっていました。
雌花に訪花して吸蜜しています。

雄蜂♂の群飛(♂による探雌飛翔)の様子を引きの絵で、240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。(@0:36〜)

オオハキリバチ♂に比べて♀が圧倒的に少ないのは、なぜでしょう?
オオハキリバチは雄性先熟ですから、この時期は未だ羽化した成虫♀個体数が♂に比べて少ないのかもしれません。
それとも、採餌・貯食活動に励む♀は花粉を出さない雌花があまり好きではなくて、雄花が咲いている雄株の方に行っているのでしょうか?
もしかするとアカメガシワの樹上に小さな樹洞が幾つか開いていて、その巣からこれから羽化してくるオオハキリバチ♀を多数の♂が待機している可能性もありそうです。

クマバチも少数ながら来ていました。

▼関連記事(同じ日に撮影)
アカメガシワで訪花中のクマバチに誤認求愛するオオハキリバチ♂

余談ですが、この日もアカメガシワに訪花するミツバチを見かけなかったのが不思議でした。(花粉の無い雌花は敬遠される?)
今季はミツバチの個体数が激減しているのではないかと非常に気がかりです。




オオハキリバチ♂2@アカメガシワ訪花吸蜜
オオハキリバチ♂@アカメガシワ訪花吸蜜

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