2019/03/23

クルマバッタモドキを捕食するコカマキリ♀



2018年10月中旬

舗装された農道でコカマキリ♀(Statilia maculata)がクルマバッタモドキOedaleus infernalis)を捕食していました。

獲物を鎌で捕らえたコカマキリ♀は私が近づくと警戒し、こちらを見上げてじっとしています。
左の鎌で獲物の胸部(翅)を、右の鎌で獲物の頭部をガッチリ挟み込んでいます。
虫の息の獲物がヒクヒクと動きました。
餌食となったクルマバッタモドキは、後脚の脛節が赤く、膝(後腿節末端)は黒色でした。
胸背にトレードマークのX紋があります。
やがて警戒を解いたコカマキリ♀が獲物を生きたまま貪り食い始めました。
頭部の脳や胸部の飛翔筋が好きなようです。
コカマキリが獲物を食べながら顔を動かすと、偽瞳孔も動いて見えます。

獲物の胸背(後頭部?)に噛み付くと、クルマバッタモドキが急に力強く跳んで逃げようとしました。
一緒に宙を飛ばされたコカマキリ♀は鎌で獲物を離しませんでした。
その後も何度かバッタが必死に跳んで脱走を試みました。
頭部の脳を食われても胸部の末梢神経節が残っていれば、なんとか脚を動かせるようです。

数時間後に現場を再訪すると、コカマキリ♀は居なくなっていたものの、路上に食べ残しを見つけました。
現場検証のようにクルマバッタモドキの死骸を採寸しましたが、後翅を広げて黒紋の有無を確認すべきでしたね。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食
コカマキリ♀@クルマバッタモドキ捕食

クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:側面(コカマキリ♀食痕)+scale
クルマバッタモドキ死骸:背面(コカマキリ♀食痕)

2019/03/22

柳にツツドリ(野鳥)



2018年10月中旬
▼前回の記事(撮影順序は逆です)
柳でイモムシを捕食するツツドリ(野鳥)

平地の池の畔に立つ柳の木でツツドリCuculus saturatus)が休んでいました。
初めは横枝に止まってこちらを向いていたので、腹面の横縞模様がよく見えました。
(白い腹部の下面の横縞は足までに9本あるのがツツドリの特徴)
辺りをキョロキョロと見回すと、急に飛び立って上の枝に移動しました。
「尾は扇形で、白い小斑点がある」こともしっかり確認できました。

今度は柳の幹の二股になった所に止まり、背面を向けていました。
背面は地味な灰色で、背景に上手く溶け込んでいます。
初めからこの状態で静止していたら私には見つけられなかったでしょう。
どうやら私がカメラを向けているのが気に入らないようで、警戒したツツドリは再び飛び上がって上の枝に移動しました。
最後は枝葉の茂った梢に隠れてしまいました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ツツドリ(野鳥):腹面@柳枝
ツツドリ(野鳥):背面@柳枝

2019/03/21

繭を紡ぐイラガ(蛾)終齢幼虫【100倍速映像】



イラガ(蛾)の飼育記録2018年:#4


▼前回の記事
イラガ(蛾)終齢幼虫が小枝の樹皮を剥いで営繭準備【100倍速映像】


2018年10月上旬・午前8:30〜午後15:30

飼っていたイラガMonema flavescens)終齢幼虫がカキノキの斜めに伸びた小枝の下面に遂に繭を紡ぎ始めました。
微速度撮影で記録したので、100倍速の早回し映像をご覧下さい。
イラガの繭の表面の模様は個性豊かで、そのパターン形成は見ていて飽きません。
このテーマが大好き過ぎるあまり、実はこれが3回目の微速度撮影です。

▼関連記事(2年前の撮影)
イラガ(蛾)終齢幼虫の繭作り【100倍速映像】
小枝に繭を作り直したイラガ(蛾)終齢幼虫b【100倍速映像】

三度目の正直でもなかなか思い通りの映像が撮れず、奥が深いです。
完成した繭でカメラのレンズに向いていた面は白い縦縞模様の発達が悪く途中で途切れており、なぜか逆面の方が縞模様がきれいに形成されるのです。(縞模様の非対称性)

繭の形成過程を真横からではなく少し斜め上から撮ったのも実は狙いがありました。
繭を地球儀に例えて説明すると、北極点から経線のような縞模様が放射状に描かれる様子を記録したかったのです。
しかし残念ながら今回の繭は北極点の付近(北半球の片面)が茶色に塗り潰されて縞模様になりませんでした。
2年前は偶然による失敗作なのかと思ったのですが、今回も同じ結果なので
(縞模様の非対称性)、ひょっとすると再現性があるかもしれません。
背景を黒布で覆って暗くしている上に、長時間の撮影中に白色LEDのリングライトで幼虫を一方向から(カメラ側から)ずっと照らし続けているので、その悪影響なのでしょうか?
もし幼虫が周囲の環境に対して繭を保護色にしたいのであれば、明るい光が当たる面を白っぽく、日陰の面を黒っぽくするはずです。
ところが実際の繭は全く逆(日向の面が黒っぽく、日陰の面が白っぽい)なので不思議です。
眩しい照明の光を嫌った幼虫が、遮光のために焦げ茶色の硬化剤(タンパク質)で繭の内部を片面だけ念入りに塗り潰したのでしょうか?
そもそも繭を内側から見たときに白い部分と茶色の部分で遮光性に差があるのかどうか、羽化後の空繭で調べる必要がありますね。(私は差が無いと予想)
照明を嫌ったイラガ幼虫が繭の中で動き回る動きが微妙に不均一になり、結果として縞模様が非対称になったのかもしれません。

次回に再挑戦する際の撮影アイデアをいくつか考えました。
  • 背景の黒布を白布に変えてみるだけでも(レフ板のようになって)結果が変わるかも? ただし幼虫が吐く白い絹糸やシュウ酸カルシウムの白濁液が見え難くなりそうです。
  • (鏡を使うなどして)照明を繭の四方から当ててみる?
  • カメラを2台使って繭の逆面からも同時に微速度撮影するべきかも。
  • 動画による微速度撮影ではなくて、写真のインターバル撮影でストロボを焚いたらどんな結果になるのかな?
  • もちろん一番良いのは、野外の自然光下でイラガの営繭を微速度撮影することですね。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




↑【おまけの動画】
100倍速では早過ぎて営繭行動の詳細がよく分からないとのご指摘を頂いたので、元々の素材である10倍速映像(42分間)も公開します。
長編の動画は視聴者から敬遠されてしまいがちなので、どう編集するのかいつも悩ましいところです。


イラガ(蛾)終齢幼虫@営繭
完成したイラガ繭(表面)
完成したイラガ繭(裏面)

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