2019/01/18

昼塒のトンネルで寝るコウモリ♀に寄生虫?【暗視映像】



2018年9月上旬

ボックスカルバートのトンネル内を日中の集団ねぐらとしている夜行性コウモリを毎年少しずつ調べています。
昨年は9月中旬にトンネル内を初めて調査したのですが、今年は少し時期を早めて(前年の15日前)入洞してみました。
コウモリの育児を撮影してみたい気持ちと、デリケートな繁殖期が終わるまでコウモリの活動を邪魔してはならないというコウモリ保全上の配慮との間で葛藤があります。
私が繰り返し侵入するせいでコウモリがこのトンネルは危険とみなして塒に使わなくなってしまったのでは、私も観察できなくなって困ります。
一応、私なりの配慮として、年に1回しか入らないようにしています。
日没前の夕方に、赤外線の暗視動画を撮りながら、トンネルを探検開始。
トンネルの奥にコウモリの集団塒(コロニー)があるようで、コウモリの鳴く声が可聴域でキキキキキ♪と反響して聞こえるのは前年と同じです。

真っ暗なトンネルの中程でようやくコウモリと遭遇しました。
コンクリート天井に2頭が間隔を明けてぶら下がっていました。
1頭に注目してズームインすると、コウモリの体表で何か小さな虫が動きました!(矢印に注目@0:19)
おそらくクモバエやコウモリバエなどの体外寄生虫でしょう。

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現場ではこの虫に気付かなかったので、ストロボを焚いた証拠写真は撮れませんでした。

コウモリは畳んだ翼で顔を覆って寝ています。
一本足で天井からぶら下がっています。
幼獣を抱えた母獣かどうか、映像をしつこく見直したのですが、素人にはよく分かりませんでした。

私がゆっくり回り込みながらアングルを変えてしつこく撮り続けるとコウモリは覚醒して最後は飛び去りました。
飛び立つ直前にタラララ…♪と速いクリック音が私の耳にはっきりと聞こえました。
(映像でも確認できますが、ビデオカメラのノイズだったりして…)
エコロケーションのためにコウモリが発している超音波だと思うのですが、可聴域なのが不思議です。
トンネルなどの閉鎖空間では超音波が可聴域にシフトするのでしょうか???
コウモリ関係の本を読んでいても超音波の話ばかりで、可聴域の鳴き声についてはほとんど情報がありません。

飛び立つ瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイしても、下腹部に陰茎が見えないので♀のようです。
やはり、幼獣を抱えていない、単独の♀だと思います。
この映像でコウモリの種類が見分けられる方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。

1頭のコウモリに注目している間に、もう1頭は飛んで逃げてしまいました。

この直後にビデオカメラのバッテリーが切れてしまいました。
交換しようとしたらスペアのバッテリーがなぜか充電されていないことが判明しました。
準備してきたはずなのに、我ながら酷い大失態です…。
仕方がないので暗視映像を諦め、これ以降はストロボ写真による撮影に切り替えました。

つづく→トンネルを塒とする野生コウモリの写真集


キクイモモドキの花蜜を吸うベニシジミ夏型



2018年10月上旬

河川敷に咲いたキクイモモドキの群落で夏型のベニシジミLycaena phlaeas daimio)が訪花していました。
翅の縁の破損が激しい個体でした。
黒っぽい翅を半開きにしたまま、花の上でゆっくりと向きを変えながら吸蜜しています。

ハナアブの一種が飛来して同じ花に着陸しそうになると、ベニシジミは翅を軽く素早く開閉して追い払いました。
撃退シーンを1/10倍速のスローモーションでご覧下さい。

最後にようやく飛び立ったものの、再び同じ花に舞い戻って来ます。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ベニシジミ夏型@キクイモモドキ訪花吸蜜
ベニシジミ夏型@キクイモモドキ訪花吸蜜

2019/01/17

稲刈り後の杭掛けに群がり稲穂を盗み食いするスズメ(野鳥)



2018年9月下旬

快晴で絶好の稲刈り日和でした。
あちこちの田んぼでコンバインが稲刈りしていました。
最新式のコンバインでは脱穀まで一気にやるらしいのですが、昔ながらの稲作農家では、刈り取った稲穂の束を杭に掛けて積み上げ、天日干しでしばらく乾燥させます。
この干し方は地域によって色々で、呼び方も異なるようですが、ここでは「稲杭掛け」としておきます。

この杭掛けにスズメPasser montanus)が群がり、せっかく収穫したばかりの稲穂を啄んでいました。
欲を出した私がもう少し近づこうとしたら、スズメの群れは警戒し逃げてしまいました。

こうした鳥害を少しでも防ぐために、稲作農家では涙ぐましい工夫を凝らしています。
ある刈田では、杭掛けの列に沿って白い網が張られていました。
スズメを捕獲するための本格的な霞網ではなく、スズメが警戒して近寄らなくなることを期待しているのでしょう。
また別の田んぼでは、稲杭掛けの周囲に昔ながらの防鳥テープ(赤銀)を張り巡らせていました。
スズメが来ていないのは、ちらちらと光る赤銀テープの効果というよりも、たまたま撮影時刻が薄暗い夕方でスズメの採餌活動時刻が終わっていただけのような気がします。
どうも私は赤銀テープの防鳥効果について懐疑的なのです。

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防鳥テープの無効例:田んぼの稲穂を食害するスズメの群れ(野鳥)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


スズメ(野鳥)群れ@田んぼ棒掛け+米採食
稲刈り後:棒掛け+霞網(鳥害対策)
稲刈り後:棒掛け+防鳥テープ赤銀(鳥害対策)

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