2018/11/12

ゴイサギ幼鳥の群れが昼塒のヨシ原で羽繕い、脱糞(野鳥)



2018年8月中旬・午前7:14〜7:21

溜池の周囲のヨシ原に隠れるようにゴイサギNycticorax nycticorax)の幼鳥が4羽休んでいました。
ここが昼塒なのでしょう。
じっとしていればゴイサギ幼鳥(別名:ホシゴイ)の迷彩柄は目立ちません。
互いに少し離れ、のんびり自分で羽繕いしています。

1羽が池にお尻を向けて足を屈め、粘り気のある白い糞を水面に排泄しました(@0:57)。
その後は葦原の茂みの中へ移動し、隠れました。

辺りに成鳥の姿は見当たりませんでした。
なぜか、この池でゴイサギの成鳥を見つけたことがないのです。(とても上手く隠れているのか、親子で完全に別行動しているのか、不明です。)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池畔:葦原
ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池畔:葦原
ゴイサギ幼鳥(野鳥)@池畔:葦原+羽繕い

2018/11/11

夜明け前に飛び回りコナラの樹液を舐めるシダクロスズメバチ♀【暗視映像】



2018年8月中旬・午前4:47〜4:52(日の出時刻は4:51)

定点観察している里山のコナラ樹液酒場を日の出前から見に行くと、クロスズメバチの一種のワーカー♀も来ていました。
樹液を吸汁するシーンを撮りたくてもすぐに飛び去ってしまいます。
入山前に吸血性ブヨ対策として体中に噴霧した虫除けスプレーの匂いが嫌いなのかもしれません。(蚊に刺されるのは慣れで我慢できても、ブヨに刺される痛さは耐えられないのです。)
私が少し動いただけですぐ逃げてしまうため、白色LEDを点灯できず撮影は赤外線の暗視モードのみです。
シダクロスズメバチが薄明の森を自由に飛び回ることが可能だと分かったのは一つ収穫です。
スズメバチの仲間で暗い夜も飛べるのはモンスズメバチだけだと思っていたからです。
こんなに早い時刻から巣外で活動を始める個体がいるとは意外でした。
私がしばらく粘ってじっと待つと、ようやく落ち着いて樹液を吸汁してくれました。
樹液を舐めながら腹部を激しく伸縮させているのは、激しい飛翔運動をした直後の腹式呼吸なのでしょう。

同定のため、動画撮影後にビニール袋を被せて捕獲しました。
採集に手こずって少し時間が開いてしまったので同一個体である保証はありません。

しかし、それ以降は樹液酒場にクロスズメバチの仲間が1匹も来なくなったので、おそらくこの個体でしょう。
標本を精査すると、シダクロスズメバチ♀(Vespula shidai)でした。
以下は標本の写真。

死骸の腹端から毒針が伸びていました。

シダクロスズメバチ♀標本:背面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:側面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:側面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:腹面@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:単眼@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:顔@方眼紙
シダクロスズメバチ♀標本:顔@方眼紙



【追記】
有賀文章『スズメバチの生活:生態に光をあてて』という本を読むと、筆者はクロスズメバチとシダクロスズメバチ、それぞれの巣の入り口(巣口)に出入りする蜂の数を一日中連続観察するという偉業(苦行)を成し遂げておられました。
シダクロスズメバチの或る巣を8月下旬の午前4時23分から午後18時45分まで5分間隔で調べた結果、暑い夏季には朝と夕方という涼しい時間帯にもっとも多くのワーカーが活動するそうです。あるていど日がのぼり、気温があがってくると、活動がぐっと少なくなる。(p58〜61) 
筆者は晩秋の11月下旬にも同様の終日観察をされています。最初に蜂が出巣したのは午前7時46分、そのときの気温は4.4℃、照度1649ルクスとのこと。晩秋になると朝夕は活動は鈍っても日中に気温が高くなると、巣の入り口は夏の朝夕をおもわせる賑わいを見せます。外が十分に明るくても外気温が低いと蜂は出巣しても慌ててすぐにUターンして巣に戻るらしい。(p66〜70)
この本を読むと、暑い夏にシダクロスズメバチのワーカー♀が未だ薄暗い日の出直前に巣を出て外役に従事するのはおそらく普通のことだと知りました。
蜂の活動性と照度(明るさ)や気温の関係を調べれば面白いかも知れません。


チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)



2018年8月中旬


▼前回の記事
親鳥に巣外給餌してもらい食後に脱糞するチゴハヤブサ幼鳥(野鳥)

チゴハヤブサFalco subbuteo)の止まり木に少し近づいてから撮影を再開。
相変わらず逆光のアングルでシルエットしか写っていませんが、幼鳥への巣外給餌を再び観察することができました。

ヒノキ横枝の下段に居る幼鳥aの右に再び親鳥が飛来し、狩ってきた獲物を幼鳥に与えました。(撮り損ね)
獲物はどうやらオニヤンマやギンヤンマなど大型のトンボのようです。
翅をむしったり肉をついばんだりする幼鳥の横(右)で親鳥が見守っています。
獲物を平らげた育ち盛りの幼鳥aが食べ残しを下に落とし、物足りないようで隣の親鳥におかわりを求めました。
餌乞いの鳴き声は周囲の喧騒で聞き取れませんでした。
催促された親鳥は、すぐにまた採餌に出かけました。(@0:55)

その間に新しい個体が飛来し、横枝の上段に居る幼鳥bのすぐ左に並んで止まりました。(@0:20)
幼鳥bに巣外給餌しなかったので、これは親鳥ではなく幼鳥cなのかもしれません。
逆光で羽根の色が全く分からないので、成鳥か幼鳥か見分けられないのです。
これで計4羽の家族群となりました。
親鳥の♀♂つがいは体の大きさで性別が見分けられるらしいのですが(♀>♂)、観察を始めたばかりで慣れていない私には未だよく分かりません。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→チゴハヤブサ親鳥に餌乞い♪し、ヤンマを給餌してもらう幼鳥(野鳥)



【追記】
平凡社『日本動物大百科3鳥類I』でチゴハヤブサの習性を調べると、
巣立ちして間もないヒナは親の姿を見つけると「キーキー」と鋭い声でくりかえし鳴いては食物を催促する。その後、1ヶ月から1ヶ月半ぐらい親鳥から給餌を受け、10月ごろ独り立ちする。 (p172より引用)



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