2018年8月中旬
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チゴハヤブサ幼鳥にヤンマを給餌する親鳥(野鳥)
チゴハヤブサ(Falco subbuteo)の止まり木に更に少し近づいたのですが、相変わらず逆光で後ろ姿です。
飛んで来る親鳥の姿を見つけた3羽の幼鳥が嬉しそうに餌乞いを始めました。
近づいた甲斐あって、キーキーキー♪という幼鳥の甲高い鳴き声が聞こえるようになりました。
ヒノキ横枝の止まり木で幼鳥が方向転換してくれたおかげで、赤褐色の脛毛をかろうじて確認できました。
これでようやくチゴハヤブサと判明したのです。
飛来した親鳥が止まり木の下段に着陸すると、その右で待っていた幼鳥aが慌てて駆け寄り、巣外給餌を受けました。(@0:16)
私がこれまで観察してきた他の種類の幼鳥とは異なり、幼鳥が餌乞いする際に両翼を持ち上げる仕草をしないのが興味深く思いました。
シルエットから獲物は今回も大きなトンボで、おそらくヤンマの一種でしょう。
幼鳥aは足で獲物を押さえつけ、早速食べ始めました。
トンボの透明な翅を毟り取って捨て、肉を食べています。
さっきから幼鳥aばかりが続けざまに給餌を受けているのは親鳥の依怙贔屓にように思えますけど、兄弟の中で一番空腹な個体なのでしょう。
止まり木の上段に居る2羽の幼鳥b,cは、下段で給餌を受ける兄弟の幼鳥aをキーキー♪鳴きながら見下ろしているだけで、獲物を奪い取りには行きませんでした。
そこへ別個体が左から鳴きながら飛来しました。(@0:49)
ヒノキの梢をかすめるように高速で飛びましたが、止まり木のチゴハヤブサ家族群4羽に威嚇され、そのまま逃げたようです。
もう1羽の親鳥が家族の様子を見に来たのでしょうか?
幼鳥aはヤンマの胴体を美味そうに飲み込み、翅は下に捨てました。
食後も満足せず、左隣りで待っている親鳥に対してすぐに鳴いて♪おかわりを催促しています。
幼鳥aは餌乞いの合間に足元の枝で嘴を拭いました。
再び別個体が高速で飛来しました。(@2:03)
枯枝の上段と下段の間を猛スピードで通過しました。
親鳥かと思ったのですが、これは縄張り争いのような、威嚇の誇示行動なのでしょうか?
止まり木の家族群4羽は一瞬だけ警戒して迎撃態勢になりました。
このときに発したキーキーキー♪という警戒声は幼鳥の甘えるような餌乞いよりもテンポが早くて切迫しています。
やがて、止まり木の上段から一羽が急に左へ飛び去りました(@2:38)。
餌乞いしていたのでてっきり幼鳥だと思っていたのに、これで分からなくなりました。
(飛び去る様子をスロー再生しても、素人目には成鳥には見えません。)
巣立ち雛(幼鳥)の中でも発育の度合いに個体差があるのでしょう。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→止まり木の周囲で飛行訓練を繰り返すチゴハヤブサ幼鳥の群れ(野鳥)
【追記】
チゴハヤブサはこの辺りに多いドバトを襲って捕食するのではないかと予想したのですが、私が観察した捕食シーンや幼鳥への給餌メニューはいつも昆虫、特にトンボでした。
平凡社『日本動物大百科3鳥類I』でチゴハヤブサの習性を調べると、
食物としてはトンボやセミなどの飛翔性昆虫からスズメ、メジロ、ツバメなどの小鳥類、ヒヨドリやイカルなどの中型の鳥まで、すぐれた飛翔力をいかして空中で捕食する。 (p172より引用)
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