2017/08/10

ハシボソガラスの雛が巣立った後の空巣(野鳥)



▼前回の記事
巣内で各々羽繕いするハシボソガラスの雛と高圧線から見守る親鳥(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#12


2017年5月下旬

前回の観察から間隔が空いてしまいました。
8日ぶりに様子を見に行ってみると、雛の巣立ちを見逃してしまったようです。
雛が羽ばたき練習をあまりしなかったので、すっかり油断していました。
ハシボソガラスCorvus corone)の巣はもぬけの殻でした。
他の用事を済ませてから再訪しても同じで、空巣のままでした。
鉄塔の周りをグルグル回りながら動画と写真で空巣を記録しました。
早朝に見に行ったので、東の空がやや朝焼けしています。

木の小枝を組み合わせて作った巣の崩壊が進んでいますね。
巣が前よりも明らかに小さく貧弱になって、形も崩れています。
風化しただけでは説明できそうにないので、おそらく巣立ち直前の雛鳥3羽が元気に暴れ回った結果、巣材がどんどん脱落してしまったのだろう、と想像しています。
今思うと、鉄塔の真下に巣材が散乱していないかどうか、確かめに行けばよかったですね。

さて、私が未練がましく空巣を撮りまくっている間、縄張り内で親鳥らしきハシボソガラスが電線で羽繕いしているのを見つけました。
おそらく横目で私の動きを監視しているのでしょう。
雛が巣立った後も親鳥はしばらく幼鳥を巣外給餌しているはずですが、幼鳥をどこかに匿っているのか居場所を突き止められませんでした。

次に気になる疑問としては、幼鳥の子育てが一段落したら親鳥の同じ番(つがい)が同じ営巣地で二度目の繁殖を始めるか?という点です。
近くを通りがかる度にこの高圧線鉄塔#19をチェックしたところ、その後も巣は再建されませんでした。
当地ではハシボソガラスの繁殖は年一回なのだろう、と分かりました。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

シリーズ完

野鳥の育雛をじっくり定点観察できたのは初めてで、色々と勉強になりました。
ここは巣が高所とは言え丸見えの状態なので、バードウォッチングの初心者向けの教材ですね。
しかし撮り損ねてしまった習性が幾つかあり、心残りです。
こんな事もあろうかと、同時並行で別なカラスの巣も観察していますので、怒涛のカラス・シリーズはまだまだ続きます。



食欲を失ったイチモンジチョウ終齢幼虫の徘徊運動



2017年5月中旬

イチモンジチョウの飼育記録#6


イチモンジチョウLimenitis camilla)終齢幼虫の食欲が無くなり、タニウツギの小枝をやたらと登り降りするようになりました。
枝先の蕾を調べても以前のように萼片を食べることは無く、引き返します。

相変わらず蠕動運動による前進のリズムがぎこちない点が気になりました。
体長は終齢でもおかしくないのですが、素人目には細くて痩せている印象です。
このギクシャクした独特な動きがてっきり異常な運動障害だと思いこんでいた当時の私は、体内寄生されていて栄養不足なのではないか?と気を揉みました。

この記事を書くための調べ物で最近知ったのですが、実は本種の幼虫に特有の動きなのだそうです。

(イチモンジチョウ)幼虫の歩き方はミスジチョウ類ともよく似ており、緩急のリズムを伴ったごくゆっくりしたものである。(保育社『原色日本蝶類生態図鑑(II)1983』p134-135より引用)



撮影直後(午後19:07)に測定した室温は26.8℃、湿度35%。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

その後はタニウツギ小枝の下面に静止しました。(下に掲載した写真参照)
上半身を丸めるような奇妙な姿勢ですが、蛹化前の眠に入ったのです。


つづく→#7→イチモンジチョウ前蛹:蛹化前の蠕動【20倍速映像】



2017/08/09

巣内で各々羽繕いするハシボソガラスの雛と高圧線から見守る親鳥(野鳥)



▼前回の記事
巣内で相互羽繕いするハシボソガラスの雛(野鳥)


高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#11


2017年5月下旬・午前11:51~12:13

ハシボソガラスCorvus corone)親鳥の1羽が給餌後に鉄塔の天辺から伸びる高圧線の定位置に止まり、縄張りを監視しています。
下の巣では3羽の幼鳥が身動きしています。
しばらくすると親鳥が高圧線から飛び立ち、餌を取りに出かけました。
親鳥の帰りを待つ間、巣内の雛は各々がのんびり羽繕いしています。

私がアングルを変えながら巣をしつこく撮っていたら、いつの間にか親鳥が1羽戻って来て、鉄塔のすぐ横の高圧線から油断なく見張っていました。

この日はなぜか雛が羽ばたきの練習をする行動は一度も撮れませんでした。
これが巣立ち前の雛を見た最後の映像になります。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
実際の空はもっとどんよりしていたのですが、カラスのコントラストを上げるために補正しました。

つづく→#12:ハシボソガラスの雛が巣立った後の空巣(野鳥)



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