2017年5月中旬
河川敷にそびえ立つキリ(桐)の高木の花を橋の上から更に観察すると、交尾中のツマジロカメムシ♀♂(Menida violacea)を見つけました。
咲いた花の根元の茶色の萼に乗って静止しています。
体長に性差がありました。
大きい左の個体が♀なのかな?
口元がよく見えませんが、おそらく♀は吸汁しているのでしょう。
互いに逆向きで交尾しながら、結合部を上下に何度も繰り返して動かしています。
♀がしつこい♂から逃れるために交尾器を外そうと躍起になっているのか、それとも♀が口吻をキリの萼に突き刺すためにグリグリと力を込めて前傾姿勢になっているのかもしれません。
以前観察した、木苺の実に取り付いていたツマジロカメムシは、果実に突き立てた口吻を抜き差ししたり体をグリグリと激しく動かしたりしながら吸汁していました。
▼関連記事
クマイチゴの果実を吸汁するツマジロカメムシ
♀が動くせいで持ち上げられそうになっている右の♂が後脚をばたつかせていて滑稽でした。
やがて♀♂ペアは落ち着きました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
ツマジロカメムシは普通種ですけど、私はいつもスコットカメムシと迷います。
スコットカメムシは、体長1センチメートル前後の、キリやヤマハンノキなどのさまざまな樹木で見つかる山地性のカメムシ (藤崎憲治『カメムシはなぜ群れる?』より引用。『動物たちの気になる行動〈2〉恋愛・コミュニケーション篇 』p100より)
しっかり同定するために交尾ペアの近くに居た別の個体を一匹採集しました。
橋の欄干から手を伸ばせばキリの樹幹に手が届くという、観察には理想的な環境なのです。
捕獲したら臭気を発しました。
以下は採集した標本の写真。
▼前回の記事
巣で羽ばたき練習をするハシボソガラスの雛(野鳥)
高圧線の鉄塔#19でのハシボソガラス営巣記録#10
2017年5月下旬・午前10:56~10:59
久々に様子を見に行くと、雛が巣立ってしまったのではないかと心配でしたが、無事3羽とも巣に残っていて一安心。
暑そうに口を開けている個体が居ます。
親鳥が留守の間に、ハシボソガラス(Corvus corone)雛同士が相互羽繕いを始め、珍しく思いました。
隣の個体(兄弟姉妹)の羽毛を嘴でやさしく掻き分けています。
ニホンザル同士でよくやる蚤取りを連想しました。
ただしこの羽繕いは一方的で、お返しはありませんでした。
ですから厳密には、相互羽繕いではなく、対他羽繕いと呼ぶべきですね。
あまり深い意味は無い、ただの暇つぶしなのかな?
私は未だカラスの相互羽繕いを滅多に見たことがありません。
▼関連記事
ハシボソガラスの相互羽繕いと空中戦の遊び【野鳥】
つづく→#11:巣内で各々羽繕いするハシボソガラスの雛と高圧線から見守る親鳥(野鳥)
2017年5月中旬
河川敷で育ったキリ(桐)の高木の花を橋の上から観察していると、ツマジロカメムシ(Menida violacea)を見つけました。
ほころびかけた蕾の萼片に静止しています。
口元がよく見えないのですが、茶色の萼から吸汁しているようです。
しばらくすると徘徊を始め、隣の花の萼にせかせかと移動しました。
今度は蕾ではなくしっかり咲いた花に来たのに、花弁には進出しないで萼に留まっているのが興味深く思いました。
最後には後翅を広げて茶褐色の毛が密生している萼から飛び立ちました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
辺りを探すと更に複数個体のツマジロカメムシがキリの枝先に集まっていました。(映像公開予定)
不思議なことに、いつも茶色の萼に止まって吸汁しています。
花筒の中に決して入らないので、花の受粉には関与しません。(桐の送粉者ではない)
いつも花筒の根元に止まっていたので、昆虫の盗蜜行動に興味のある私は一瞬だけ興奮しました。(ぬか喜び)
なぜツマジロカメムシは桐の葉柄や枝から吸汁せずに萼を好むのでしょう?
つづく→交尾