2016/12/25

アカオニグモ(蜘蛛)の交接前ガード



2016年9月上旬

用水路近くの道端でアカオニグモ(Araneus pinguis)の垂直円網を見つけました。
昼間なのに造網済みで、網の作り主である♀はイヌタデの穂先を糸でゆるく綴り合わせた隠れ家(地上からの高さ70cm)に潜んでいました。
アカマンマとアカオニグモの組み合わせがちょっと面白く思いました。
よく見ると、♀は歩脚の先で信号糸に触れています。
網に獲物がかかればその振動をいち早く感知して駆けつけ、捕食するのです。

♀はおそらく最終脱皮前の亜成体なのでしょう。
♀のすぐ近くに小柄な♂も居ました。
♀♂ペアで居るアカオニグモを見たのは初めてです♪
♂の触肢がおそろしく複雑な形状に発達していることから、♂は成体であることが分かります。
この♂は、♀が脱皮して成体となり交接のチャンスが来るまでひたすら待っているのでしょう(交接前ガード)。
もしもう一匹のアカオニグモ♂が網に侵入したら、♂同士の争いが見られるはず。

定点観察に通って♀の脱皮からの求愛、交接を観察したいものです。
アカオニグモの交接は♀の網上で一瞬のうちに終わるらしいので、よほどの幸運に恵まれないと野外で観察するのは難しそうです。
オニグモ類を飼育するスキルが未だ私には無いので、採集して飼育に挑戦すべきかどうか悩みます…。


参考:『クモの親と子』p44〜57


『クモのはなしII:糸と織りなす不思議な世界への旅』p8によると

造網性クモ類では♂は成体になると、♀の網に寄生生活をするようになり、自分では餌をとれません。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→交尾前ガード中のアカオニグモ♀♂(蜘蛛)の網にムラサキツメクサの花を給餌すると…?



2016/12/24

ミズナラの葉を蚕食し脱糞するウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】



2016年9月上旬
▼前回の記事
ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の排便


ウスムラサキイラガ(蛾)の飼育記録#5


ウスムラサキイラガ(Austrapoda hepatica)の亜終齢幼虫は凄まじい食欲でミズナラの葉を貪り続けています。
食害シーンをじっくり微速度撮影したので、100倍速の早回し映像でご覧下さい。

初めは葉先からきれいに律儀に食べ進みます。
葉縁の鋸歯も太い主脈も平気で食べています。
柔らかそうな若葉には拘らず、ミズナラの立派な(大きな)葉でも平気で食べています。
幼虫は葉を食べながら横に移動できるようです。
食痕がほぼ横一直線になるのが面白く思いました。
食べ残しがでっぱった部分に遭遇すると往復して重点的に食べ、他の部分に合わせて一直線にしています。
やがて摂食パターンが変わりました。
横一直線に食べ進むのを止めて、何とも形容しがたい複雑な虫食いパターンになりました。
幼虫が葉上で方向転換する様子がルンバを連想させ、コミカルで可愛いですね。
独特の横歩きが面白い。

ルンバなど掃除ロボットの動きはプログラムで実現されています。
ウスムラサキイラガ幼虫の摂食行動はどのようなアルゴリズムで遺伝的にプログラムされているのでしょう。

背面からの撮影に切り替えると、定期的な脱糞シーンも録画されるようになりました。
(@4:04, 4:14, 4:26, 4:38, 4:49, 5:00, 5:14, 5:26, 5:38, 5:50, 6:01)

マクロレンズで接写していると葉がよく揺れて困るのですけど、必ずしも風のせいではありません。
室内の扇風機を止めても相変わらず揺れるのです。
幼虫が摂食中に葉先で動くせいで葉が揺れてしまうのだと原因が分かりました。
後半はクリップやビニールテープを使って葉をしっかり固定すると、ようやく悩ましい葉の振動が止まりました。


つづく→#6:ウスムラサキイラガ(蛾)亜終齢幼虫の口元を隠す食事マナー




【おまけの動画】
同じ素材ですが早回し速度を少し変えて、60倍速映像をブログ限定で公開します。


【追記】
安田守『イモムシハンドブック2』でウスイロイラガ幼虫の食性を調べると、
コナラ(ブナ科)、ウメ(バラ科)、ヤナギ類(ヤナギ科)など多食性(p35より引用)
とのことでした。




夕暮れにハチミツソウの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)



2016年9月上旬・午後17:58〜18:14

川沿いの堤防に生えたハチミツソウ(=ハネミギク、羽実菊)の群落で日没直後からシロオビノメイガ(Spoladea recurvalis)が訪花していました。
私が草むらにそっと近づくと蛾は警戒して飛び立つものの、すぐ同じ株の花に舞い戻ってくれるので助かりました。
刻々と暗くなっても熱心に吸蜜を続け、花から花へ飛び回っていました。
吸蜜中も触角を激しく上下しています。
ちなみに、この日の公式な日の入り時刻は午後17:55。
後で思えば、赤外線の暗視カメラでも夜行性の吸蜜シーンを記録すればよかったですね。



この黄色い花の名前を知りませんでした。
おそらくキク科だと思うのですが、オオダイコンソウにしては葉の形が全く違います。
外来種や園芸植物だろうと予想をつけて、植物関連の掲示板にて問い合わせたところ、北米原産のハチミツソウと教えてもらいました。
養蜂用の蜜源植物として1960年代に北海道に導入されて以来、野生化して日本各地に分布を広げている侵入植物らしい。



【追記】
後日、明るい日中も同様に訪花することを観察しました。
▼関連記事 
昼間にオオハンゴンソウの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)

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