2016/06/27

農道や畑で仲良く採食するキジ(野鳥)の♂♀カップル



2016年5月中旬

川沿いの農道でキジPhasianus versicolor)の♂♀つがいを見つけました。
初めは警戒してリンゴの木の下に隠れていたのですが、私が辛抱強く動きを止めていると徐々に大胆になり、農道や畑に出てきて採食を始めました。
おそらく様々な雑草の実を啄んでいるのでしょう。


地味な♀の採食シーンを観察するのは初めてです。
キジの♀は完璧な保護色で、動いていないとまず見つけられません。

番が互いに寄り添うように離れず、草むらで採食しています。
♂は定期的に縄張り宣言の囀り(ケーン、ケーン♪)と母衣打ち(羽ばたき)をセットで行い、アピールに余念がありません。
その間も♀は無関心そうに♂の近くで採食を続けています。
後半になると、各々が単独で(バラバラに別れて)採食行動するようになりました。

私の勝手な想像では、♂は先導して♀を安全な場所(営巣適地?)へ連れて行きたがっていたように感じました。

ところが♀は♂に比べて臆病かつ慎重で、開けた場所にあまり行きたがらない(農道を横断したくない)印象を受けました。

もてるキジ♂は複数の♀を囲ってハーレムを作ることもあるそうですが、この縄張りでは一夫一妻のようです。
先日はこの近くでキジ♂が♀に求愛ディスプレイを行う様子を動画で撮影しました。
この時期の♀は未だ巣作りや抱卵を始めないのでしょうか?
実は近くに巣があるのかな?
結構長い時間、つがいが行動を共にしたものの、求愛行動や交尾は行いませんでした。
監視している私の目を盗んで死角(リンゴの木陰)に隠れた一瞬で事が行われた可能性はあります。
それとも♂が死角で求愛したのに、♀に振られたのかもしれません。

キジ♂が日向に出ると羽毛の光沢のある模様が美しく、我々が見ても惚れ惚れしますね。
単独行動の♀はやがて畑を越え、住宅地へ向かう斜面の草むらを登りつつ採食しています。
♂も♀を追いかけて土手を登り始めましたが、どうやら草深い斜面で♀を見失ったようです。
映像後半に見られた♂の囀りと母衣打ちは、離れてしまった♀を引き止めたり呼び戻そうとする意図がありそうです。




キリの花で採餌するトラマルハナバチ♀



2016年5月中旬

春に咲くキリの花は素晴らしく上品で強い芳香を放ち、野生の木の花の中では個人的に一番好きかもしれません。
今季の目標の一つは、桐の花の送粉者を突き止めることです。
キリは高木となるため、下から枝を見上げるのでは花を観察しにくいのが難点です。
急斜面に聳え立つ桐の高木を探して、花が咲いた枝の高さが目線に近くなるまで私が斜面を登れば観察しやすいだろうと考えました。

山麓で見つけたキリの高木で、まず最初に訪花したのはトラマルハナバチ♀(Bombus diversus diversus)でした。
梢に咲いた大きな花筒に潜り込む正当訪花で採餌していますが、後脚の花粉籠は空荷でした。



2016/06/26

アワフキムシ幼虫の泡巣を舐めるムモンホソアシナガバチ♀



2016年5月中旬

里山で林道脇に生えたコナラ幼木の茂みにムモンホソアシナガバチParapolybia indica)♀が飛び込みました。
この時期は未だワーカー♀ではなく、創設女王ではないかと思います。
獲物を狩る瞬間が撮れるのではないかと期待していると、アワフキムシの仲間の幼虫が枝に作った白い泡巣を見つけた蜂が顔を突っ込みました。
中に潜んで枝から吸汁しているアワフキムシの幼虫を狩るのが目的ではなく、あくまでも泡を舐めています。
満足した蜂は飛び去りました。
初めて見る謎の行動に興奮したあまり、泡巣を調べて中の幼虫を同定するのを忘れてしまいました。
…と思ったら、実は7年前にも観察していました。


▼関連記事
アワフキムシの泡巣を舐めるキアシナガバチ女王

Polistes属のアシナガバチだけでなく、Parapolybia属の蜂でも見られる行動だとこれで分かりました。

『日本動物大百科8昆虫Ⅰ』p136によれば、

(アワフキムシ類の)幼虫がつくる泡の素材は排泄液(尿)由来のアンモニアと腹部第7節、第8節にあるバテリ(Batelli)腺から分泌されるロウ脂質由来の脂肪酸とのアンモニア塩の鹸化物で、腹部を伸縮させて空気を送り込み排泄液中の水分とともに泡立て、繊維状タンパク質を混ぜて強度を高めている。



アシナガバチは水分補給や巣材集めに泡巣を舐めた可能性も考えられます。



【追記】
小松貴『虫のすみか―生きざまは巣にあらわれる (BERET SCIENCE)』p183によると、
アワフキムシのつくる泡の巣は、アリのような小型の外敵から身を守るのに非常に有効です。石鹸水でできているため表面張力が働かず、小さな虫がうかつに泡に触ると容易に全身が石鹸水まみれになり、気門を塞がれて呼吸ができぬまま死んでしまいます。
今回のアシナガバチは顔だけを泡に突っ込んでいるので、呼吸は問題ないのでしょう。



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