2016/05/27

ヨシの葉に産卵するオツネントンボ♀【接写】



2016年5月上旬

尾繋がりしたオツネントンボ(Sympecma paedisca)の♀♂ペアが産卵していました。
場所は、湿地帯の水溜りの岸に生えかけたヨシ(=葦、アシ)の群落です。
そっと近寄りマクロレンズで接写してみると、翅の縁紋がずれていることを確認できたので、ホソミオツネントンボではなくオツネントンボです。

ヨシ若葉の表面に止まった♀の腹端には、焦げ茶色でやや湾曲した棘状の突起があります。
その産卵管をヨシの縦に走る葉脈に沿って葉身の薄い植物組織内に器用に差し込んで、卵を一粒ずつ産み付けています。
産卵管を引き抜くと真横にずれて挿し直すため、産卵痕はほぼ等間隔で横一列に並びます。
葉縁に達すると♀はヨシの葉を少し前進してからまた横へ産み進めます。
その結果、独特のパターンで刺青のような産卵痕が並ぶことになります。
もっと細かく観察すると、♀は腹部を屈曲させΩの体勢で産卵を始めます。
♀は少しずつ腹部を後ろに伸ばしていくため、産卵痕の列は後ろへ後ろへ並びます。
腹部が伸び切ったり腹端が障害物(ヨシの茎)に突き当たったりすると、♀はヨシの葉を少し前進してから改めて産卵を再開します。

♂は産卵する♀の首根っこを掴んだままおとなしく待っています。
尾繋がりの♀♂ペアが左右の足でヨシの葉を抱え込むことで葉身を軽く丸め(凸状に湾曲)、産卵しやすくしているのかもしれません。
一心不乱に産卵する♀の前脚の先が左右ともに欠損している事に気づきました。
本種は「越年蜻蛉」の名前が示すように成虫で越冬することで有名ですから、凍傷で壊死したのかな?

帰ってから手持ちのトンボ関連本や図鑑を調べても、オツネントンボの産卵行動に関する記述は見つかりませんでした。
こんな時期に産卵するということも、植物組織内に産むことも知りませんでした。
ヨシの葉が大きく育つと産卵痕はどのような形状になるのでしょう?
ところで、孵化した幼虫(ヤゴ)はヨシの茎を歩いて降りて下の水溜りに自力で入水するのでしょうか?
ヤゴは鰓呼吸のはずですが、陸上ではどうするのでしょう?
それともヨシの葉裏から孵化してすぐ水溜りに落下するのかな?

つづく→尾繋がりのオツネントンボ♀♂が産卵開始


オツネントンボ♂側面@尾繋がり+産卵中
オツネントンボ♂縁紋@尾繋がり+産卵中
オツネントンボ♀側面@尾繋がり+産卵中。
焦げ茶色の部分に白い毛が生えています。
オツネントンボ♀産卵管@尾繋がり+産卵中@ヨシ葉

2016/05/26

枯れ枝で虫を捕食するスズメ【野鳥:ハイスピード動画】



2016年5月上旬

池の岸で落葉した立ち枯れしたハンノキの枝に居たスズメ(Passer montanus)の活動を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
未だ葉が芽吹いていない枯れた枝から枝へ軽快に跳び回り、虫などの獲物を探しています。
空中で軽く羽ばたくときもありました。
細い小枝に飛びついてぶら下がり、羽ばたきながらアクロバチックな体勢を披露してくれました。
最後はどこかへ飛び去りました。


ナミテントウ黒色二紋型♀♂:交尾中の尻振り



2016年5月上旬

斑紋の異なるナミテントウ♀♂の交尾を見たすぐ近くの柳の枝で黒色二紋型のナミテントウ(Harmonia axyridis)の♀♂ペアも交尾していました。

ときどき♂が交尾器を結合したまま体を左右に激しく振る謎の行動が見られました。
先にこの♀と交尾したライバル♂の精子を掻き出そうとしている動き(精子競争の一種)なのかと想像してしまいます。
♀に対して何らかのシグナルを送っているのですかね?
他の昆虫(甲虫?)の交尾でも以前見たことがある気がするのですけど、思い出せません。
単に、交尾器の挿入角度を調節したり引き抜こうとする動きなのかな?
柳の若葉が邪魔で、側面からの接写アングルは確保できませんでした。

一方、♀は交尾中もアブラムシをむしゃむしゃと捕食していました。

私の印象では、北国なのに当地のナミテントウは黒色二紋型が主流派です。(温暖化の影響?)



【追記】
ナミテントウの配偶行動を研究した小畑晶子『幸せを運ぶテントウムシ』を読んでいたら、この尻振り行動の謎が解けました。
私が予想したような、前に交尾した♂の精子を掻き出す行動ではありませんでした。
・♂が交尾中に体を左右に振動させる 
・個体による差異はほとんどなく、特徴として交尾開始後約35分経過してから振動が始まること、振動の間隔が25〜30秒と一定していることなどがわかってきた。 
・ナミテントウでは交尾が始まっても、♂の体の振動が起こるまでは精子が♀の体内に送り込まれていないことを示唆している。直接的な証明はできていないが、♂の体の振動はおそらく精子を送り込む運動であると考えられる。 
・交尾開始から♂の体の振動が始まるまでの約30分は、精包の材料を送り込むのに必要な時間だった。 
(『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第1-3章p36-37より箇条書きで引用)



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