2016年5月上旬
斑紋の異なるナミテントウ♀♂の交尾を見たすぐ近くの柳の枝で黒色二紋型のナミテントウ(Harmonia axyridis)の♀♂ペアも交尾していました。
ときどき♂が交尾器を結合したまま体を左右に激しく振る謎の行動が見られました。
先にこの♀と交尾したライバル♂の精子を掻き出そうとしている動き(精子競争の一種)なのかと想像してしまいます。
♀に対して何らかのシグナルを送っているのですかね?
他の昆虫(甲虫?)の交尾でも以前見たことがある気がするのですけど、思い出せません。
単に、交尾器の挿入角度を調節したり引き抜こうとする動きなのかな?
柳の若葉が邪魔で、側面からの接写アングルは確保できませんでした。
一方、♀は交尾中もアブラムシをむしゃむしゃと捕食していました。
私の印象では、北国なのに当地のナミテントウは黒色二紋型が主流派です。(温暖化の影響?)
【追記】
ナミテントウの配偶行動を研究した小畑晶子『幸せを運ぶテントウムシ』を読んでいたら、この尻振り行動の謎が解けました。
私が予想したような、前に交尾した♂の精子を掻き出す行動ではありませんでした。
・♂が交尾中に体を左右に振動させる
・個体による差異はほとんどなく、特徴として交尾開始後約35分経過してから振動が始まること、振動の間隔が25〜30秒と一定していることなどがわかってきた。
・ナミテントウでは交尾が始まっても、♂の体の振動が起こるまでは精子が♀の体内に送り込まれていないことを示唆している。直接的な証明はできていないが、♂の体の振動はおそらく精子を送り込む運動であると考えられる。
・交尾開始から♂の体の振動が始まるまでの約30分は、精包の材料を送り込むのに必要な時間だった。
(『虫たちがいて、ぼくがいた:昆虫と甲殻類の行動』第1-3章p36-37より箇条書きで引用)
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