2014/02/11

イシサワオニグモ♀(蜘蛛)によるオオアオイトトンボ♀の捕食と再ラッピング【10倍速映像】



2013年9月下旬

オオアオイトトンボを捕食するイシサワオニグモ♀:後編(捕食と獲物の再ラッピング)

前編はこちら


正常円網の中央にある甑(こしき)に持ち帰った獲物のオオアオイトトンボ♀(Lestes temporalis
イシサワオニグモAraneus ishisawai)♀成体がゆっくり捕食する様子を記録してみました。
長撮りした動画素材を10倍速の早回し映像に加工してみました。
無音だと寂しいので、現場の背景音を等倍速で付け足しています。
クモは獲物を噛む位置を変えながら体外消化しています。
捕食の合間にときどき獲物を捕帯でラッピングし直しています。
食餌が進むと体外消化液で捕帯の糸も一緒に溶けてしまい、梱包がほどけてしまうのでしょうか。
普段は下向きに占座していますが、再ラッピングの作業時は必ず糸疣を下に向ける(体の向きを上下変える)ようです。
次第に獲物は原形を留めない肉塊へと変わりました。



【おまけ】
リアルタイム再生のオリジナル動画もブログ限定で公開しておきます。
42分弱の長編です。


帰る頃にはもはや獲物は原形を留めない。

水溜まりで行水、飲水するヒガラとカワラヒワの混群(野鳥)



2013年10月下旬

林道の轍にできた水溜まりでヒガラPeriparus ater insularis)とカワラヒワCarduelis sinica)の混群が行水していました。
岸辺から水を飲んだり、水溜まりの近くで地面を啄んで採食したりしています。

手前に生えたススキの穂が邪魔でフラストレーションが溜まりますけど、私が少しでも横に動けば野鳥は間違いなく警戒して逃げてしまいます。
じっと我慢して(気配を消して)撮影。
たまたま望遠レンズを外していたのも残念でした。





汗を舐めるシタキモモブトスカシバ(蛾)の停空飛翔【ハイスピード動画&HD動画】



2013年8月上旬

登山道の東屋で休憩していると、一頭の蛾(スカシバガの一種)がどこからともなく飛来しホバリングしながら私の脚にまとわりついてきました。
濃い脛毛がお見苦しいのですが、毛深い「腿太」同士の奇跡の邂逅です。
これぞまさに「類は友を呼ぶ」♪

よく見ると、蛾は口吻を伸ばして私の体表から汗を舐めています。
ミネラル(塩分)補給しているのでしょう。
汚物やヒトの汗に集まる蝶は珍しくありませんけど、蛾では初めて見ました。
しぐま汁がよほど気に入ったのか、私がじっと立っていると繰り返し飛来します。
ズック靴の甲から靴下、脛へと吸汁ホバリングしながら登って来ました。
単なる脚フェチではなく、足の匂いフェチなのかな?(フェロモン成分と似ていたりして…。)
脛毛も気にせず素足の脛から吸汁を続けます。
近寄ってきたクロアリに驚いて飛び去っても、すぐに戻ってきます。

停空飛翔(ホバリング)を240-fpsのハイスピード動画で撮ってみました。
吸汁の間は前脚を掛けつつも、決して羽ばたきを止めません。
高速で羽ばたく翅の動きは、1/8倍速のスローモーションでも速すぎてよく見えません。

ホバリング中に毛深い後脚を左右交互に動かしているのが興味深く思いました。
羽ばたきの風圧で毛束がなびいているだけなのかと初めは思いました。
ところが『擬態:だましあいの進化論〈1〉昆虫の擬態』という本によると、深い意味があるようです。

(オオモモブトスカシバやシタキモモブトスカシバは訪花の際に)前脚を花にかけて空中で翅をはげしく動かしてホバリングしながら、セイヨウミツバチやマルハナバチ類のように後脚を「く」の字に曲げて交互に動かして吸蜜しながら花から花へと移動していく。飛翔しながら後脚を「く」の字に曲げて交互に動かす行動は、ミツバチ類とまったく同じである。(p68-69)

関連記事(横から見た映像が分かりやすい)→「シタキモモブトスカシバ(蛾)の吸蜜ホバリング【ハイスピード動画】



同一個体を通常のHD動画でも撮ってみました。
見下ろすアングルでは蛾の口吻になかなかピントが合いません。
せめて私の腕に移動してくれれば撮影しやすいのですが、汗ばんだ腕を差し出してみても、なぜか気に入らないようで逃げられました。
結局、私の脚に戻ってきます。

山中の草むらを歩いて来た際に蛾の好きな花の芳香が脚に付着したのではないか、とコメントをYouTubeで頂きました。

驚いたことに、この蛾は少なくとも4分半以上も私の汗を吸い続けました。
「生きる小型扇風機」が懸命に扇いでくれて、束の間の涼を得ました。

蛾の種類はオオモモブトスカシバMelittia sangaica nipponica)またはシタキモモブトスカシバMelittia inouei)と思われます。
東北地方にはシタキモモブトスカシバしか分布していないのだそうです。
しっかり同定するためにストロボ写真も撮るべきでしたが、動画撮影に夢中になりチャンスを失いました…。


【追記】
有田豊、池田真澄『擬態する蛾スカシバガ (月刊むし・ブックス 3)』という本の口絵 p55 に「指から汗を吸うMelittia sumatrana(スマトラ)」と題した見事な生態写真が掲載されていました。
スマトラ産の同属近縁種が日本産のシタキモモブトスカシバ(Melittia inouei)と同じ習性を持つのは面白いですね。


動画を撮りながらのスナップショットではシャッター速度が遅くて翅がぶれてしまう。

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