2013年9月下旬
ニホンザルの死骸を土に還す者たち:#01
害獣駆除のため山裾に仕掛けられた檻の中で野生ニホンザル(Macaca fuscata)が2頭捕らえられたまま死んでいました。
餌に釣られて罠に閉じ込められたのは好奇心旺盛な子猿のようです。
山でニホンザルの行動を観察してきた者としては、殺された猿の姿を見ることはショックで色々と思うところはあります。
その一方で、農作物を荒らされ猿害の現実に苦しむ人々にも言い分があることを知っています。
野生動物の死体が生物分解される過程を観察できるチャンスは滅多に無いので、定点観察に通って一部始終を見届けることにしました。
木陰に設置された金網製の檻のサイズは98×98×185cm。
檻を破って逃げられないよう全面が(底も)丈夫な金網で覆われています。
金網は5×5cmの鉄格子。
これなら放置された死骸を誰かに悪戯されたり野犬やカラスに持ち去られる心配は無さそうです。
忌み嫌われる死を仏画の九相図のようにしっかり記録することが私に出来るせめてもの供養です。
先ずは横向きに倒れて死んだ個体Lに注目して、全身像を10倍速で微速度撮影してみました。
(手っ取り早くジオラマモードで撮った動画のため、画面の周縁部はティルトシフト処理でピンぼけになっています。)
死後数日が経過しているようで、死骸には夥しい数のハエの幼虫(蛆虫)が沸き、川の流れのように毛皮の上を蠢いています。
子供の頃に読んだ漫画『はだしのゲン』に登場するような地獄絵図です。
風下にはきつい腐臭が漂っています。
この日は気温を測るのを忘れました。
様々な昆虫が次々と死体に飛来し、掃除屋として各々の役割を果たしています。(これから順に紹介します)
自然界のリサイクル(輪廻転生)をテーマとして、しばらく長期連載します。
つづく→#2(ウジ虫の活動をリアルタイムの寄りの絵で撮りました)
2013年9月下旬
農道脇に咲いたキバナコスモスの群落でモンキチョウ♂(Colias erate poliographus)が飛び回り訪花していました。
翅を閉じて吸蜜しています。