2013/08/03

ナワシロイチゴの花に群がるヒメシジミ♀♂



2013年6月中旬

道端に生えた木苺の群落でヒメシジミPlebejus argus micrargus)が花に群がり、蜜を吸っています。
この時期は平地でも山地でも道端のあちこちで見られる光景です。
撮影中も花に続々と飛来します。
数は♂の方が♀よりも多い印象です。
しかし一体なぜ交尾しないのか不思議です。

キイチゴ類には疎いのですが、この花はナワシロイチゴでしょうか。





2013/08/02

イタチハギに訪花するスミゾメハキリバチ♀



2013年6月中旬

山道の脇に生えたイタチハギ(別名クロバナエンジュ)の花に真っ黒で見慣れないハキリバチの仲間が来ていました。
口吻を花に差し込み、吸蜜して回ります。
腹部下面にスコパ(集粉毛、花粉刷毛)があるのは♀です。

スコパにオレンジ色の花粉が付着しています。
小刻みに体を左右に振りながら花の上を歩き回っているのは直接スコパに花粉を付けて集めようとする行動なのでしょうか?
マルハナバチ類がよくやる振動
集粉のような甲高い羽音は聞き取れませんでした。
イタチハギの花の構造(葯が露出している)では不要なのか、あるいはハキリバチ類は振動集粉を行わないのでしょうか?






途中で蜂を見失ったので、映像の前後半で別個体である可能性があります。
撮影後に一匹採集しました。

忙しくて一ヶ月以上も放置していたら標本が汚れてしまいました。
(綿埃? クモの巣? カビ?)
お湯で洗うときれいになるらしいのですが、クリーニングしていません…。

この蜂はスミゾメハキリバチ♀(別名ムナカタハキリバチ、Megachile sumizome)ですかね? 
それともスコパが明るい褐色なのでヤマトハキリバチ♀かな?

【追記】
いつもお世話になっている「蜂が好きBBS」にて問い合わせたところ、青蜂@管理人さんよりスミゾメハキリバチ♀で大丈夫とご教示頂きました。










臭角を伸ばすキアゲハ終齢幼虫



2013年6月下旬

キアゲハの飼育記録2

『日本の昆虫1:ギフチョウ』p32より

アゲハチョウ科の幼虫の特徴として、嫌な臭いを出す臭角(肉角)をもつことがあげられる。頭部と前胸部の間から二叉突起を出し、嫌な臭いを発散させる。
キアゲハPapilio machaon)終齢幼虫をつつくと橙色の臭角を伸ばし、独特の強い芳香を放ちます。
食草であるセリ科植物由来の成分と思われますが、個人的には悪臭というよりも若干良い匂いのような気もします。
撮影中は綿棒でつついて刺激しましたが、指で体を摘み上げる方が効果的でした。
臭角が引っ込んで節間に収納される様子が面白く、しつこくつついてしまいました。

同じオオハナウド群落から採集してきたキアゲハ終齢幼虫3匹のうち、接触刺激に対して臭角を伸ばしたのは1匹だけでした。
他の2匹はどういう訳か反応しません。

  • 単なる個体差?
  • 前蛹になる前兆?(食欲は旺盛なので眠ではありません。)
  • 寄生されている? (確かに後日、1匹の蛹から寄生蜂が羽化してきました。ただし、寄主が幼虫期に臭角を伸ばせなかった個体かどうか追跡確認つまり個体識別していません。)

つづく→「キアゲハ終齢幼虫の脱糞


関連記事(8年後の撮影)▶ キアゲハ幼虫は触られた側の臭角を長く伸ばす?


【追記】
学研の写真図鑑『チョウ:くらしとかいかた』p27によると、
(アゲハチョウ類の)幼虫の出すくさい角は、人には通じてもアシナガバチなどにはききめがない。角にかまわず食べてしまう。

【追記2】
『チョウのはなしII』p69(第11章:幼虫の保身術)によると、
キアゲハではイソ酪酸と2-メチル酪酸が臭気成分となっています。



【追記3】
藤丸篤夫『アゲハチョウ観察事典』を読むと、臭角の自衛効果について、少なくともナミアゲハ幼虫の場合は懐疑的に書かれていました。
コカマキリに捕食された終齢幼虫およびコアシナガバチに捕食された4齢幼虫の写真も掲載されていました。

 臭角は、敵から身を守るためのもので、とくにアシナガバチにたいしてきくといわれています。(中略)臭角があれば、かならずアシナガバチから身を守れるとはいえないようです。(p16より引用)

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