2012/06/29

スズバチ♀の羽化と泥巣からの脱出



スズバチ泥巣の飼育記録

2012年5月下旬・室温21℃

前年の11月中旬に山中の三角点からドーム状の泥巣を採集しました。
(詳細はこちらの記事参照。)
泥巣を室内で越冬させ飼育してきたものの、羽化してくるのは寄生者のドロバチヤドリニクバエAmobia distortaばかりでした。

明け方に飼育容器の方から聞こえるガリガリという音で目が覚めました。
このときはカタツムリ(ヒダリマキマイマイ)が餌を齧っているのかと思い、あまり気に留めずにまた寝てしまいました。
朝に飼育容器を覗くと、育房内でスズバチOreumenes decoratus)の成虫が羽化していました。
泥巣を中から大顎でガリガリ齧って壊し、脱獄作業の真っ最中でした。
慌てて撮影開始。
無事に羽脱する瞬間を記録することができました♪

砂を噛むような生活?

硬く乾いた泥巣を中から大顎で削り取り脱出を試みる。

羽脱直後のスズバチの体は土で汚れている。
容器の底には寄生者ニクバエの囲蛹が多数転がっている。


蜂はプラスチック容器の壁を登れないようです。
汚れた体をきれいにし始めました。


羽化したスズバチの性別は?(※)
標本にしないと分からないかも。
もう一つ育房が残っているのですが、多くのドロバチで見られるように雄性先熟なのだろうか?

大量のニクバエに寄生されて寄主は全滅かと諦めかけていたので一安心。
形状から予想した通り、スズバチの泥巣であることが確かめられました。

スズバチ羽化後の泥巣

側面に脱出口

3つある育房のうち、中央の育房から羽化していました。

残りの育房はニクバエに寄生されている?

(つづく→「蜂蜜を舐めるスズバチ♀」)

【追記】
※ いつもお世話になっている「蜂類情報交換BBS」にて問い合わせたところ、青蜂@管理人さんから以下の回答を頂きました。
動画のスズバチの性別ですが、動画を確認したところメスのようですね。腹柄が第1節、それ以降の腹節を数えたところ腹柄を含めて6節でしたのでメスになります。

図鑑『札幌の昆虫』p352によると、蜂の♂と♀の区別は
ミツバチ、アナバチ、スズメバチ、ツチバチの仲間は、♂の触角は13節、♀は12節で、腹節の数も♂は♀より1節多い。

同一個体の標本

スズバチ♀顔

スズバチ♀右触角

スズバチ♀側面


腹柄が第1節、それ以降の腹節を数えたところ腹柄を含めて6節

腹端から毒針は伸びていなかった。

標本:腹面@方眼紙

標本:腹部腹面@方眼紙

【追記】
『とっくりばち (かがくのとも特製版)』によると、同じドロバチ科のキアシトックリバチは羽化の際に壺の泥壁を中から湿らせてから食い破って脱出するらしい。
唾液を吐き戻すのでしょうか。
次回はこの点に注目してドロバチの羽化を観察してみます。




2012/06/28

カエデの葉を食すドロハマキチョッキリ♂?



2012年5月下旬

渓流の岸に生えたカエデの若葉にミドリキンバエが飛来したと思ったら、小さなチョッキリの仲間でした。
緑色の金属光沢が美しい小さな甲虫です。
樹種はヤマモミジかな?


もしチョッキリの♀だとすると、これから葉を巻いて揺籃を作り始めるかと期待して見守りました。
しかし風で葉が揺れて、小さな虫の接写は困難を極めました。
モミジ葉表の主脈上に静止しています。
口吻を突き刺して葉脈を断ち切ろうとしているのかと思いきや、歩いて葉柄に移動。
どうやら摂食行動だったようです。
チョッキリが口を付けていた部分の葉がしばらくすると透けて見えるようになりました(虫食い穴)。


やがて再び葉柄をうろうろ歩き始めました。
葉の縁にてしばし静止。
葉裏から見上げるアングルなので、チョッキリのシルエットがちょっぴりフォトジェニック♪
葉先に移動すると食痕もよく見えるようになりました。
最後に飛び立つ瞬間は残念ながら撮り損ねました。

採集してないので、初めての私には同定は難しいです。
『オトシブミ・ハンドブック』を参照すると、カエデで揺籃を作るチョッキリで見た目が似ているのはドロハマキチョッキリ♂でした。
動画で前胸下部に鋭い刺状の突起が一瞬見えたことから♂と判明(@1:40付近)。
更にドロハマキチョッキリ♂の口吻は長く、触角付着点あたりで湾曲するらしい。
カエデをホストとしないサメハダハマキチョッキリは除外したものの、この推理が妥当かどうか自信ありません。
(サメハダハマキの♂成虫がカエデの葉を食べても不思議でないのかな?)
でもやはり、カエデの葉に卵を産みに来る♀と交尾しようと待ち構えているついでに食事をしたと考えるのが自然ではないかと思います。




※ 複数個体を区別せず撮ってしまった可能性もあります。



2012/06/27

アオダイショウの木登り



2012年5月下旬

岸から伸びた潅木に掴まりながら渓流を遡上していたら、手を伸ばした枝に蛇が居て目が合いました。
予想外のニアミスにどっきりしましたが、水音のせいで蛇も私の接近に気づかなかったのかもしれません。
目測で体長約2mの立派なアオダイショウElaphe climacophoraでした。

アオダイショウは落ち着くと舌の出し入れを始めました。
なんとなく、これから脱皮するのかと思いました。
しかし横顔をクローズアップしても、目は特に白く濁っていません(脱皮の兆候なし)。

やがて蛇は向きを変え、枝を伝ってこちらに向かって来ました。
枝伝いにゆっくり上へ移動していきます。
ヘビの木登りを目の当たりにするのは初めてでした。
下半身で体を支えたまま、持ち上げた上半身で行き先の経路を探索しています。
蛇腹だけを使った登り方は実にしなやかで美しく、惚れ惚れします。
樹上でも必ず枝の上面を伝って蛇行で移動するようです。
(枝の下面にぶら下がることはない。)
下から見上げると、アオダイショウの下面は白色でした。

野鳥の卵や雛を狙って、樹上に鳥の巣を探し回っているのかもしれません。
しばらく登ると疲れたのか、枝に顎を乗せて静止。

wikipediaの記述によると、
(アオダイショウが)樹上に上るときには枝や幹に巻きついて登っていくのではなく、腹盤の両端には強い側稜(キール)があり、これを幹や枝に引っかけることでそのまま垂直に登ることができ、樹上を移動する。壁をよじ登ることもできる。

次は、蛇が川面を泳ぐ様子を動画に撮りたいなー。

【追記】
内山りゅう『ヘビのひみつ (ふしぎいっぱい写真絵本)』によると、
アオダイショウみたいに、木登りをするヘビもいる。木登りができるのは、お腹にある鱗が角張っていて、引っかかるから。背中の表面には、つるつるした鱗がある。(p9-11より引用)











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