2011/09/20

垂直円網の横糸を張るドヨウオニグモ♀(蜘蛛)



2011年9月上旬


夕方に堤防を散歩していると、草むらで網を張っているクモを発見。
既に横糸を張り始めた段階で、新網を一から作っているのか古い網を張り替えているのか不明です。


この日は残念ながら三脚を持参しておらず、手持ちカメラで撮影開始。
うまく西日に照らされて糸がキラキラ光り、なんとか網が写りました。
しゃがんだ姿勢で25分もノンストップで長撮りすると、最後は足が痺れて限界でした。


とにかく(無駄に?)長い動画なので、適当に飛ばしながらご覧下さい。
あえて未編集(ノーカット版)でお届けします。
(HTML5対応のブラウザなら、YouTube動画の再生速度を好きなように変える裏技もあります。)
三脚を使えばお洒落でコンパクトな早回し映像に加工できたのですが、手持ちカメラの映像を早回しにすると手ブレが酷く酔いそうな動画になるので断念。
クモの営み/造網行動をひたすら愚直に撮ると何か見えてくるものがあるかもしれません。

粘着性の横糸は網の外側から内側へ螺旋状に旋回しながら張り進めます。
横糸の間隔はかなり狭く、密に張っていきます。
クモの旋回の向きは最後まで一定でした(時計回り)。
映像では倍率不足かつ動きも速過ぎてよく分かりませんが、予め張っておいた足場糸を歩脚で切りながら横糸を張っていると思われます。
近くを列車が通過したとき以外、クモは殆ど作業を止めず、一気呵成に横糸を張り終えました。
お暇な方は映像でクモが何回転したか数えてみて下さい。
(数えた人は教えてください。)
甑(こしき)の部分をどう処理したか、詳細はよく分からず。
見事な正常円網が完成すると、クモは下向きに占座しました。




甑の高さは地上約60cm、枠糸はススキやセイタカアワダチソウなどの茎に固定されていました。
完成した端正な垂直円網の写真で放射状の縦糸を数えると29本ありました。

せっかく店開きしたばかりのクモには申し訳ないのですけど、記録のため一時的に捕獲。
いつものように炭酸ガス麻酔で眠らせてから接写しました。



初めて見るクモでしたが、図鑑で調べると普通種のドヨウオニグモNeoscona adiantaらしいとすぐに判明。
体長6.5mmと小ぶりながらも、外雌器にコガネグモ科特有の垂体がある成体♀でした




横糸を張り終えてから最後に甑(こしき)の部分をどう処理したのか興味があるので、次回は機会があればマクロで撮りたいと思います。
造網行動で見逃した前半部(枠糸、縦糸、足場糸の張り方)も観察してみたいものです。


2011/09/19

クズの花で吸蜜するオオハキリバチ



2011年9月上旬

堤防に生い茂ったクズの群落で、またオオハキリバチMegachile sculpturalis)の姿を目にしました。
去年は見たことなかったのに、一度存在に気づくと、すぐに何匹も見つけられるようになりますね。
前回の映像はこちら→「葛に訪花するオオハキリバチ

どれも♀だと思うのですが、腹部下面のスコパに花粉を付けていないので、花蜜だけが目的なのでしょう。
未だ営巣を始めていないのかな?
葛の葉でしばらく休んでから飛び去りました。


クズの花びらの中に黄色いところがあります。いいにおいに惹かれてハチが飛んできました。(中略)ハチたちは黄色いところを目印にやって来ます。この下に口を差し込むと、蜜が吸えることを知っているのです。 
『どんどんのびる草』p21より引用






2011/09/18

ウスバカマキリ♀は怒ると威嚇音を発する♪



2011年9月上旬・室温23℃

ウスバカマキリ♀(Mantis religiosa)を一匹飼育しています。
怒らせると青筋立てた腹部から「ふいご」のようにフシュー、フシューと激しい威嚇音を発することに気づきました。
腹部の気門から息を吸い込み、敵に自分の体を出来る限り大きく見せようとする威嚇誇示行動の副産物かもしれません。
迫力満点で、いかにも恐ろしげです。


生き餌を目の前に近づけて直接与える(handfeed)際に驚いて同様の威嚇音を発することがありました。
しかし次第にこの給餌法に慣れたのか、残念ながらどうも再現性がいまいちで撮影できず。



カマキリを掴まえて、どうしたら一番怒るか色々と試しました。
どうやら身重の腹部や翅を触られるのを嫌うようです(スカート捲りのセクハラ!)。
和名(ウスバカマキリ)の由来となった薄い後翅を開いてついでに確認しました。


今まで飼ってきたオオカマキリ、コカマキリではこのような威嚇音を聞いたことはありません。
本種に特有な行動なのだろうか。

つづく


【追記】
小松貴『絶滅危惧の地味な虫たち (ちくま新書)』を読むと、ウスバカマキリの威嚇行動について詳しく書いてありました。
しかし私が観察した行動と少し違うようです。
(ウスバカマキリに)ちょっかいを出して怒らせると、(中略)閉じていた翅を突然パッと開く。このとき、畳んでいた後翅の縁と腹部がこすれて、毒蛇が威嚇するような「シャーッ」という音がする。コカマキリもこれをするが、かなりはっきり聞き取れる大きな音だ。
 さらにこれでも足りないと言わんばかりに、上半身を持ち上げて左右の鎌状の前脚を顔の脇に添える。このカマキリの前脚の「二の腕」部分には、黒い大きな斑紋が付いている。個体によっては、この黒い紋の中にさらに小さな白い紋が出る。(眼状紋:しぐま註)
(中略)この威嚇体勢は単なるこけおどしのため、長時間継続しない。隙を見て、素早くその場から走り去ってしまう。(p234-235より引用)






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