2011/08/14

身繕いしながら鳴くハヤシノウマオイ♂(動画と声紋解析)





2011年8月上旬・深夜・室温27℃
ハヤシノウマオイ♂の飼育記録

ハヤシノウマオイ♂(Hexacentrus hareyamai)の鳴き声と言えば皆様お馴染みの特徴的なスーイッチョン♪の繰り返しですが、鳴き始め(イントロ)を聞いたことがありますか?
今回飼育下でようやく前奏部から主題部および終結部までを通して記録することができて大満足。
触角や前足の先を口で舐めて身繕いしながら美しい鳴き声を聞かせてくれました。


楽器となる前翅の動きに注目してみましょう。
キリギリス類の鳴く仕組みは左右の前翅が重なる部分(左翅が上で右翅が下)にある摩擦片とヤスリ状の翅脈にあるそうです。
下になる右前翅の中央にある透明な丸い区画は「発音鏡」と呼ばれる薄膜で、振動音を共鳴・増幅させる働きがあるのだとか
参考】『科学のアルバム:鳴く虫の世界』p16より



立ち止まって前翅を広げ鳴く準備が整っても、すぐにスーイッチョン♪と鳴き始めるわけではありません。
必ず長い前奏部があるようです。
前翅を細かく擦り合わせジジジ♪と単調に鳴き続ける音が次第に大きくなります(クレッシェンド)。
弦楽器のチューニング(調律)に手間取っているのかもしれません。
ミンミンゼミの鳴き始めに少し似ているような気がしました。
盛り上がってくるとようやく主題部(スーイッチョン♪のサビ)に移ります。
半開きの前翅を更に広げる際にチョン♪と弾く音が響きます。
鳴き終わりに楽器をしまう(前翅を閉じて重ねる)際にも同じく舌打ちのような音がします。




一頻り鳴いて満足すると♂は毎回必ず辺りを忙しなく歩き回るようです。
求愛歌を奏でても♀がやって来ないので場所を変えるつもりなのか、あるいは同じ場所で鳴き続けると天敵に狙われる危険性があったりするのかもしれません。
野外でも同じ行動(鳴き終わりの徘徊)を示すのかな?


蓋に止まっている際に腹面で採寸すると体長は24mm(長い後翅や触角は含まない)。



前翅を広げて鳴く準備をしている状態。
右前翅の中央にある透明な丸い区画は、振動音を共鳴・増幅させる
「発音鏡」と呼ばれる薄膜だと思います。


少しでも鮮明に撮影できるよう飼育容器の蓋を外し、替わりにサランラップを張っています。
このままでは中が蒸れるので昼間はラップを外しています。

【追記】
同じ動画から音声部をwavファイルに抽出して鳴き声を解析してみました。
このカメラは録画の際に音声は無圧縮(PCM)で記録する仕様ですので、MP3とは異なり高周波領域もカットされていません。



ちなみに、イントロを省いた主題部(スーイッチョン♪)だけの鳴き声を解析した結果はこちらになります。(前の晩に暗闇で録音






2011/08/13

スイカを食すヒダリマキマイマイ




2011年7月下旬

公衆トイレの壁に止まっていたヒダリマキマイマイEuhadra quaesita)を持ち帰り飼育開始。
甘いスイカを食べた後の皮をお裾分けしてみたら喜んで食べてくれました。
普段の餌は主に野菜屑を与えています。
殻の成長にカルシウム分も必要かと思い、鶏卵の殻も念のため入れています。




2011/08/12

カツオ節を食すハヤシノウマオイ♂



2011年8月上旬
ハヤシノウマオイ♂の飼育記録

室内に迷い込んで鳴いていた一匹のハヤシノウマオイ♂(Hexacentrus japonicus)を捕獲し、飼い始めました。
キリギリス類で前足に刺がたくさん生えているのは肉食の印です。
水で湿らせた削り節を丸めた団子を与えてみると、喜んで食べてくれました。
意外に立派で鋭い大顎で咀嚼しています。
口器や口髭の複雑な動きに魅せられて、長々と接写してしまいました。
夢中で食べている間は飼育容器の蓋を開けても跳んで逃げ出すことはなく、じっくり観察することが出来ました。


試しに入れてみた野菜屑(キュウリ、カボチャ)はどうやら気に入らなかったようで、全く口を付けていないようでした。
飲み水はペットボトルの蓋を皿にして与えました。


wikipediaによるとウマオイは
「キリギリスやヤブキリ、各種コオロギと異なり、人工飼料にあまり餌付かない。与えても少し口を付ける程度である。一方、生きた昆虫や死んで間もない新鮮な死骸を与えると喜んで食べる。」






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