2010/12/26

交尾嚢を付けたウスバアゲハ♀




2010年6月中旬


草むらにウスバシロチョウ(ウスバアゲハ;Parnassius citrinarius)♀が止まっていました。
下腹部に交尾嚢(sphragis;交尾板、交尾付属物)が不着しているので、交尾済みの個体ということになります。
交尾に成功した♂が♀に粘液で作った貞操帯を付けて次の♂(ライバル)と物理的に交尾できないようにしているのです。
一時捕獲して交尾嚢をしっかりお見せしようと思ったのですが、殺気を感じたのか逃げられてしまいました。



【追記】
上村佳孝『昆虫の交尾は、味わい深い…。 (岩波科学ライブラリー)』によれば、
チョウやガの♂の交尾器では「バルバ」と呼ばれる把握器が発達していて、交尾器自体が翅を広げたチョウのように見える。このバルバで、♀の交尾器を左右からギュッと把握する。ウスバシロチョウのあの見事な交尾栓も、バルバを鋳型にして♂の精液が固まり、ちょうど鯛焼きのごとく形成されるようだ。  (p23より引用)
いつか交尾の一部始終と交尾栓の形成を観察・撮影してみたいものです。

【追記2】
渡辺守『チョウの生態「学」始末』という名著によると、交尾嚢の浮気防止効果は100%ではないそうです。
ウスバシロチョウ類では、交尾後、♀の腹部末端に交尾孔を隠すように交尾栓が♂の分泌物によって構成され、♀が再交尾を受け入れようとしても受け入れられないようにする物理的妨害の役割をもっていると考えられていた。しかし近年の研究により、ジャコウアゲハの場合、再交尾相手となった♂は、形成されている交尾栓の隙間から交尾嚢へとペニスを挿入して交尾を成功させていることがわかった。したがって、単婚的と信じられていた種であっても、時と場合によって、再交尾している可能性がある。(第5.5章より引用)


芋虫を捕食するコハナグモ





2010年6月中旬

林道を歩いていたら、長い糸で宙吊りになったままコハナグモDiaea subdola)が芋虫(尺取虫?)を食べていました。
面白い被写体なのですが、風で揺れてピントがなかなか合いません。 
格闘中に樹上から転げ落ちたのでしょうか。
長い糸を吐いて枝からぶら下がっている幼虫を時々見かけるので、上からその糸を伝ってクモが降りてきて獲物を捕らえたのだとしたら面白いなー。
クモの糸はあの細さと軽さで自重の何倍もの荷重に耐えられる優れた素材です。


ニホンカモシカとの対峙




2010年6月下旬

細い山道を静かに登っていたら、上から激しい鼻息とドドドドドと地響きのような足音が近づいて来ました。
もしや熊かと思い、腰に携帯している護身用(クマ対策)の唐辛子スプレーに手を伸ばしかけたらニホンカモシカCapricornis crispus)と判明。


向こうも気づいて立ち止まりました。
頻りにこちらの匂いを嗅いで警戒しています。
緊張のにらみ合いの末、くるりと向きを換えると鋭い鼻息とともに横の茂みに走り去りました。


ランダムに記事を読む