2026/07/04

夕方にホンドタヌキ♂がパートナー♀の尻の匂いを嗅いで発情チェックしたら怒られた:3月中旬【トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶ 早春のホンドタヌキが林内の巣穴の横で暇を持て余し落葉灌木や落枝を何度も甘噛み【トレイルカメラ】 


2025年3月中旬・午後17:00頃・晴れ・気温7℃・日の入り時刻は午後17:52 

ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する二次林内の営巣地で、夕方になっても♀♂ペアが留まっていました。 
晴れた昼間は暖かったものの、日が傾くとだいぶ気温が下がりました。

巣口Rの横で♀♂2頭が横に並んだまま立ち上がっています。 
左の個体♂Lが、右の個体♀Rの尻の匂いを嗅いで発情状態をチェックすると、苛ついた♀が♂に軽く噛み付きました。 
本気で嫌だったらしく、軽く吠えて威嚇しました。 

痴話喧嘩の後、何事もなかったように、♀Rは雪面に座りました。 ♂Lが欠伸をすると、続けて♀Rも欠伸しました。 
タヌキも親密な家族間で欠伸が伝染するのですね! 

やがて、♀Rが自分で毛繕いをしてから、立ち上がって背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしました。 


※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 


つづく→

ハルジオンの花蜜を吸うキオビトビノメイガ(蛾)

 

2026年5月下旬・午後13:55頃・晴れ

里山の山腹をトラバースする林道に咲いたハルジオンの群落でキオビトビノメイガPyrausta mutuurai)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 


とても小さな蛾ですけど、翅の模様のデザインが美しくて好きな種の一つです。
翅を全開にしたまま口吻を伸ばして中心部の筒状花から吸蜜していました。 
背後にクロマルハナバチ♀?(またはベーツ擬態のハナアブ)が飛来しても、この小蛾は気にせず吸蜜を続けています。 

私が動画を撮りながら近づいたら、キオビトビノメイガはハルジオンの花から飛び立ちました。 
高速の羽ばたきによって翅のオレンジ色の斑紋がチラチラと明滅して見えます。
雑草が一面に蔓延る林道を低空で飛んでから、カキドオシの葉の上に留まりました。 
触角を前脚で拭ったり、前脚を口で舐めたりして、身だしなみを整えています。


【考察】
小蛾の中では結構メジャーな種なのに、キオビトビノメイガ幼虫の食餌植物はまだ解明されていないそうです。
最新科学技術を使ってどのようにアプローチすれば良いでしょうか?
ChatGPTにアイデアをもちかけて相談してみました。

Q: 昆虫の中には、幼虫時代の食餌植物がいまだに分かっていない種がいる。採集した成虫を試料とし、DNAバーコーディングによって消化管内に残った微量な餌の種類を突き止めることはできないか? 変態の時期に消化管内の餌は完全に分解されてしまうだろうか?

A: 結論から言うと、ほとんどの完全変態昆虫では、この方法は期待できません。理由は、幼虫から成虫への変態の過程で消化管の内容物がほぼ失われるためです。

もう少し詳しく説明します。

完全変態昆虫(チョウ目、コウチュウ目、ハエ目、ハチ目など)では、終齢幼虫が蛹になる前に**摂食を停止し、消化管内の内容物を排出(gut purge)**することが一般的です。その後、蛹期には消化管を含む多くの組織が大規模に再編成されます。

このため、

  • 幼虫が最後に食べた植物組織

  • 植物DNA

  • 葉緑体DNA

などが成虫までそのまま残る可能性は極めて低いと考えられます。

したがって、成虫の消化管から「幼虫時代の食草」をDNAバーコーディングで特定することは、通常は困難です。

一方、不完全変態昆虫(バッタ類、カメムシ類など)では話が少し違います。幼虫(若虫)と成虫の間で消化管が完全に作り替えられるわけではないので、羽化直後であれば若虫時代の餌が残っている可能性はあります。しかし時間が経って成虫が摂食を始めれば、当然その情報は失われます。


では未知の食草はどう調べているのか?

現在では、いくつかの方法が用いられています。

1. 幼虫を探してDNAバーコーディングする(最も確実)

未知の幼虫を採集し、成虫とDNAバーコードを比較して同種であることを確認します。

これは近年非常によく行われています。


2. 幼虫そのものをDNAメタバーコーディングする

幼虫の消化管内容を解析し、食べた植物を同定します。

こちらは現在かなり一般的な手法です。


3. 成虫が産卵した植物を調べる

雌を飼育して産卵させ、

  • どの植物に産卵するか

  • 孵化幼虫が実際に食べるか

を確認します。


4. 野外で植物表面の卵や幼虫を探す

地道ですが、今でも非常に重要な方法です。


ただし、成虫から食草を推定できる特殊な場合もある

完全変態昆虫でも、

  • 成虫が羽化直後でまだ排便していない

  • 成虫が幼虫時代の巣や材の中で羽化する

ような場合には、体表や直腸付近に幼虫時代の残留物が残っている可能性はゼロではありません。

また、成虫ではなく

  • 蛹殻

  • 幼虫の糞(フラス)

  • 巣材

から植物DNAを検出できる例は報告されています。


むしろ有望なのは「腸内細菌」や「安定同位体」

近年は植物DNAだけでなく、

  • 腸内微生物叢

  • 安定同位体比(炭素・窒素など)

から幼虫時代の栄養源や生活環境を推定する研究も進んでいます。

これらは食草を種レベルまで特定することは難しいものの、「針葉樹由来か広葉樹由来か」「C3植物かC4植物か」といった情報を与えてくれることがあります。


つまり、ご提案の「採集した成虫から幼虫時代の食草をDNAバーコーディングで特定する」という発想は非常に魅力的ですが、完全変態昆虫では変態前の消化管内容がほぼ失われるため、現状では一般的な方法にはなっていません

ただし、この発想自体は研究者も以前から検討しており、その延長として現在は幼虫の糞(フラス)のDNAメタバーコーディングや、**環境DNA(eDNA)**を利用した手法などが発展しています。特にフラスは、幼虫を直接採集できなくても食草を高い精度で推定できるため、未知の食草を解明する有力なアプローチとして期待されています。

2026/07/03

【実録:猿も木から落ちる!】リンゴの樹上から落ちたニホンザル

 



2026年6月上旬・午前10:10頃・晴れ 

山麓の果樹園に群れで侵入した野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)を観察していると、「猿も木から落ちる」衝撃映像が撮れました。 

シーン1: 
リンゴの木に登って未熟な果実を食べている成獣♀が、隠し撮りする私に気を取られたのか、樹上でバランスを崩して落ちそうになっていました。 
足元の枝が不安定なようです。 
決まりが悪そうに樹上で向きを変えました。 


シーン2: 
なぜか毛皮が濡れている個体です。 
直前に小川で水浴びをしてきたのかもしれません。 
股間は見えませんでしたが、胸の乳首が小さいので、若い♀のようです。(♂の可能性は?) 

リンゴ灌木の梢でニホンザルが私を見つけて警戒していたら、座っていた細い横枝が猿の体重を支え切れずに、分岐点から折れてしまいました。 
この滑落事故は不可抗力です。 
咄嗟に下部の枝にしがみついてなんとか滑落を免れ、すぐに登り直しました。 
怪我はなかったようで、一安心。

樹冠部から大きく跳んで隣の木に移ると、青りんごの実った枝葉がしばらく上下に激しく揺れています。 


シーン3: 
「猿も木から落ちる」瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:51〜)
止まり木(横枝)の破断という不可抗力の墜落でした。
落ちていく猿に回転運動は見られず、折れた枝と一緒に自由落下しただけでした。

ついでに跳躍樹間移動もスローモーションで見直すと、激しく揺れた青リンゴ(未熟果)がいくつか落ちていました。(落果)


「猿も木から落ちる」様子は狙って撮れるものではないので、ラッキーでした。
次は、高所から落ちたネコが空中で自ら体をひねる有名な運動をスーパースローで撮ってみたいものです。


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サクランボの樹上で熟果をついばむスズメの群れ(野鳥)

 

2026年5月下旬・午後14:00頃・晴れ 

民家の庭で育ったサクランボの果樹にスズメPasser montanus)が賑やかに鳴き交わしながら群がり、赤く熟した果実を採食していました。 
枝葉の生い茂った中央部に隠れているスズメは撮影しにくいので、枝先部分スズメが来るまで待って撮影しました。 
青空を背景にすると、ピントを合わせやすいのです。 

スズメは、サクランボの果皮がまだしっかり赤く色づいていない果実を選んで食べることもありました。 
体の大きなムクドリとは違って、スズメはサクランボの果実を丸ごと飲み込めません。 
枝からぶら下がっているサクランボの果肉を、小さな嘴でちびちびと啄んでいます。 
熟果を枝からもぎ取って咥えた個体も、丸ごと飲み込まずに、果肉だけを器用に食べて種子は下に捨てました。 

サクランボの種子に注目すると、重力散布とほぼ変わりませんから、スズメはサクランボの被食型種子散布に寄与していると言えません。 
種子捕食者ではないものの、サクランボにとっては甘い果肉の食べられ損になります。 
ムクドリなどがサクランボの種子散布者を務めています。



離れた位置から撮影している私のことをスズメは明らかに警戒しているようで、横枝を伝って移動し、果樹の枝葉が生い茂った中央部に隠れてしまいました。


関連記事(7年前の撮影)▶ サクランボの熟果を食害するスズメ(野鳥)

2026/07/02

早春のホンドタヌキが林内の巣穴の横で暇を持て余し落葉灌木や落枝を何度も甘噛み【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬〜下旬 

落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

シーン1:3/15・午前5:42・気温-1℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:48。 
日の出直前に右から来た先行個体のタヌキが、通りすがりに巣口Rをちらっと見下ろしてから、右から生えた落葉灌木の枝を甘噛みしました。 
後続個体は巣口Rに顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
巣口Rの窪みから左にピョンと飛び出して、先行個体の後を追います。 

シーン2:3/18・午後15:03・晴れ(@0:41〜) 
♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが一緒に来ていました。 
左の個体Lが、巣口Rに生えた細い落葉灌木の枝先をガジガジと甘噛みしました。 
手前の個体Rが巣口Rを点検してから、横に並んだパートナーLに対他毛繕いしました。 

シーン3:3/18・午後15:31・晴れ(@1:42〜)
ペアで来ていたタヌキのうちの1頭が、巣口Rの縁から奥の雪面に出てから、眼の前にあった落葉灌木を甘噛みしました。 
手前の個体は自分で毛繕いを始めました。 

シーン4:3/18・午後15:47・晴れ(@2:42〜)
1頭が再び巣口Rの灌木を甘噛みしました。 
左の個体Lは右の個体Rの尻の匂いを隙きあらば嗅ごうとしているようです。 
♂がパートナーの♀の発情状態をチェックしているのでしょう。 

シーン5:3/23・午前9:05・晴れ(@3:24〜) 
今回はタヌキが単独で巣穴Rに来ていました。
(この個体は、両目を失明したヘルパー♀ではないかと思います。) 
横から巣口Rを塞ぐように伸びている落葉灌木を甘噛みしてから、クゥーン♪と甲高い声でかすかに鳴きました。 
巣口Rの上の縁の残雪を前脚で何度も掻きました。 
もう本格的に雪かきをする必要がないので、ただの暇つぶしでしょう。 
手前に回り込んでから巣口Rに顔を突っ込んで、再び鳴きました♪ 

シーン6:3/23・午前9:27・晴れ・気温24℃(@4:24〜) 
♀♂ペアで来ていたタヌキの1頭が、巣口Rで落葉灌木を甘噛みしました。 
ときどき身震いしています。 

シーン7:3/23・午後16:56・晴れ・気温13℃(@5:24〜) 
両目を失明したヘルパー♀と思しき単独個体が、巣口Rで暇つぶしに落葉灌木や落枝を甘噛みしました。 
ようやく雪面に座り込んで、休んでいます。 

シーン8:3/23・午後17:02・晴れ・気温13℃(@6:10〜)
立ち上がったタヌキが巣口Rに顔を突っ込んで覗き込みながら、クゥーン♪と鳴きました。 
巣口Rの上を塞ぐように倒れている落葉灌木を甘噛みしました。 
小声で鳴いてから、巣穴Rに潜り込みました。 

シーン9:3/25・午後18:12・気温8℃(@7:03〜)日の入り時刻は午後17:58。 
日が暮れた晩に、奥から来たタヌキのペアが監視カメラを見上げていました。 
このペアのタペータム(輝板)は正常に赤外線を反射しています。 

左の個体Lが自分で毛繕いをしたり、欠伸や身震いをしました。 
体を少し掻いてから、目の前の落葉灌木を甘噛みしました。 
その後、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしました。 
これは出巣直後のタヌキによく見られる行動ですけど、今回の文脈とは合いません。 
再び落葉灌木に甘噛みしました。 


※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。


【考察】 
この時期のホンドタヌキは営巣地でもとにかく退屈そうです。
巣口R付近で落葉灌木や落枝を何度も甘噛みする謎の行動が見られました。

邪魔な枝を折ろうとしている訳でもありません。 
冬の積雪で押しつぶされた灌木をぐいぐい引っ張って掘り出そうとしている訳でもありません。

これは空腹しのぎの行動なのでしょうか? 
 食べられる餌かどうか調べる探索行動なのかもしれません。 
しかし、タヌキはたとえ厳冬期でもニホンザルのように樹皮を食べることはありません。
私には手持ち無沙汰の暇つぶしに見えました。

営巣地の残雪が完全に溶ければ、タヌキは露出した地面に寝そべってのんびり日向ぼっこをするようになるのですが、早春の溶けかけた残雪に座ると毛皮がビシャビシャに濡れて(冷たくて)嫌なのかもしれません。

タヌキは主に夜行性なので、昼間は巣穴で寝ていることが多いはずです。
しかし、雪国のタヌキはこの時期、滅多に巣穴に入らなくなりました。
早春の時期は巣穴の中に雪解け水がしみ出しくる結果、敷き藁(寝床)も濡れて居住環境が劣悪になるのではないかと予想しています。
春の到来はタヌキにとって嬉しいことだけではないのかもしれません。
タヌキが居ないときに巣内にカメラを突っ込んで中の様子を撮影し、確認してみないといけません。



つづく→

アズマシャクナゲの花蜜を吸うニッポンヒゲナガハナバチ♂

 

2026年4月下旬・午後12:40頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたアズマシャクナゲの植え込みでニッポンヒゲナガハナバチ♂(Eucera nipponensis)が訪花していました。 
長い触角は、ヒゲナガハナバチ属の雄蜂♂に特有の形質です。
正当訪花で吸蜜しながら、左右の後脚を擦り合わせていました。 
付着した花粉を払い落としているのでしょう。 
♀と違って雄蜂♂は花粉を集めることはありませんし、後脚に花粉籠もありません。 
口元をよく見ると、黒い口吻を伸ばして蜜腺に差し込んでいました。 

飛び去る瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:40〜) 
前翅の亜縁室が3個(緑の矢印@0:43)だったことから、ニッポンヒゲナガハナバチと判明。 


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2026/07/01

イタヤカエデの灌木で若葉と花を食べるニホンザル♀

 

2025年4月下旬・午後12:55頃・くもり 

ようやく残雪がほとんど消えた里山で、斜面の途中に生えたイタヤカエデの灌木にニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)が登って座り込み、採食していました。 
枝先の若葉を手で次々にむしり取って食べています。 
若葉を手でちぎらずに、直接口で食べることもあります。 
危なっかしくバランスを取りながら細い枝先を手繰り寄せて、若葉を採食することもあります。 
よく見ると、イタヤカエデの若葉と一緒に黄色い花も食べていました!
この個体は採食に右手ばかり使う右利きでした。 

胸にピンクの細長い乳首が見えたので、この個体は経産婦♀と分かります。 
子猿はどこに居るのか、姿が見えませんでした。 

最後にいつものようにズームアウトして周囲の状況を記録してから録画を終えたのですが、そのとき左右の奥に1頭ずつ子猿が樹上で採食している姿が写っていました。(赤丸@2:10〜) 
手持ちカメラでニホンザルの群れを長時間撮り続けていた私は腕の筋肉が限界を迎えていたので、その2頭に気づいていません。 
この子猿たちが採食していた灌木の樹種は、白い花が咲いているので、なんとなくヤマザクラでしょうか。 

奥の斜面に咲いていた草本植物の紫色の花はカタクリかな?


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アケボノスギの落葉樹上で枝を折り巣材として持ち去る早春のハシボソガラス(冬の野鳥)

 

2025年3月中旬・午前7:05頃・晴れ 

朝から庭木のメタセコイア(=アケボノスギ)ハシボソガラスCorvus corone)が来ていました。 
落葉したメタセコイアの枝先には冬芽が付いています。 
前年の球果が残った枝もありました。 

カラスは樹上でY字形に分岐した小枝を持ち歩いていました。 
いよいよ繁殖期が始まり、巣材として持ち帰りたいのでしょう。 
その小枝をカラスが自分で折り取った瞬間を見ていないので、冬の間に折れた落枝が他の枝の途中に引っかかっていたのかもしれません。 
ハシボソガラスは足で小枝を押さえつけると、長過ぎる先端部を嘴で器用に折って捨てました。 

巣材を嘴に咥えたまま、お辞儀をしつつガーガー♪と嗄れ声で繰り返し鳴きました。 
近くに来ているつがいのパートナーの姿が見えませんが、鳴き交わしているのです。

小枝が依然として長過ぎて取り扱いにくいので、足で押さえつけながら嘴でつついていますが、上手く整形できていません。 
巣材を咥えたままで、斜めに伸びた横枝を横歩きで登ると、隣の少し上の枝に飛び移りました。 
巣材を持って飛び立ちたくても周囲の枝に引っかかりそうなので、離陸に適した地点を探すのに苦労しています。 
再び巣材の不要な細い枝先を折って捨てました。 
更に隣の枝に跳び移り、メタセコイアの太い幹の陰に隠れてしまいました。 
そこから左の枝に飛び移り、横歩きで枝伝いに上へ上へと登って行きます。 

ようやく樹形の中心から端まで辿り着いたハシボソガラスは、巣材を咥えてメタセコイア樹上から飛び降りました。 
住宅地の屋根を飛び越えて行くカラスの後ろ姿を見送ります。 
営巣地は意外と遠いようです。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

 

↑【おまけの動画】 
"The nature of war: Ukraine birds weave nests of fiber optic cable" by Reuters 

ロシアと戦争しているウクライナの最前線では、ドローンが大活躍しています。
戦争初期のドローンは無線で操作していましたが、やがて防御側は電波を強烈に妨害(ジャミング)するように対策するようになりました。
そして次は、ジャミングの影響を受けない有線(光ファイバーケーブル)でドローンを操作するように改良しました。 (軍拡競争による進化)
毎日多数のドローンが飛び交う結果、戦場には使い捨ての光ファイバーケーブルが大量に張り巡らされました。
クモの遊糸と違って、光ファイバーケーブルはいつまで経っても分解されません。
(たとえ劣化して粉々になっても、今度はマイクロプラスチックという厄介な環境汚染問題が発生します。) 

戦場に生息する野鳥の中には、枯草の代わりに落ちている光ファイバーケーブルを巣材として拾い集めて巣として編み上げる者が登場した、という報告です。 
光ファイバーケーブルは細くて軽くても丈夫ですし、自由に曲げることができて好都合なのでしょう。 

戦場で爆撃や砲撃が続き、環境を汚染するのは、野鳥や野生動物にとっても大迷惑です。 
しかし、苛烈なドローン戦争によってヒトが全く立ち入れないDMZ(非武装地帯、軍事的な緩衝地帯)が安定して実現したら、野鳥や野生動物にとってはサンクチュアリになる可能性もあるのが皮肉です。

2026/06/30

貯食地点の雪面に連続して排尿マーキングするホンドタヌキの♀♂ペア【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬・午前5:43・気温-1℃・日の出時刻は午前5:48 

まだ残雪に覆われている落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 

早朝に♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが前後してやって来ました。 
日の出直前ですが、雪明りで充分に明るいです。 
タヌキの体格は一般に♀<♂なので、先行個体が♂と思われます。 

4日前にパートナーの♀が貯食物を雪の下から掘り出して食べた地点で立ち止まって匂いを嗅ぎ、雪面に排尿マーキングしました。 


このとき後足を上げずに腰を落として小便したのは♂らしくないのですが、灌木のような対象物がない場合、地面や雪面にマーキングする際には♂でも♀スタイルで小便するのでしょう。 
次に、すぐ横の雪面に残っていた食べ残しの欠片を拾い食いしました。 

その間、後続個体♀が巣口Rに顔を突っ込んで何かしていました。(映像公開予定) 
追いついてきた後続個体♀も、先行個体♂と同様に腰を落としながら、貯食地点に排尿マーキングしました。 

タヌキの♀♂ペアが前後して右へ立ち去った後、死角でかすかに鳴く声がしました。 

貯食地点の雪面にホンドタヌキの♀♂ペアが連続して排尿マーキングする様子を、1.5倍に拡大した上でリプレイ。(@0:35〜) 


ヘビイチゴの花蜜を吸って飛び回るツマキチョウ♂

 

2026年5月中旬・午後13:00・晴れ 

里山で山腹をトラバースする下草の生い茂った林道でツマキチョウ♂(Anthocharis scolymus)が低く飛び回っていました。 
どうせいつものスジグロシロチョウだろうと思って初めは見過ごしていたのですが、翅先に黄色いワンポイントが見えたのでドキッと二度見しました。 
ようやく花に留まった蝶にズームインしてみると、やはりツマキチョウ♂(Anthocharis scolymus)でした。 
私にとって、年に1回見れるかどうかという春限定のレアな蝶なので、嬉しい出会いでした。 

ヘビイチゴと思われる黄色い花で翅を半開きにしたまま口吻を伸ばして吸蜜しています。 
ツマキチョウ♂が低空でヒラヒラと飛び回る様子を1/5倍速のスローモーションでまずはご覧いただき(@0:13〜1:14)、続いて等倍速でリプレイ。 

動画の冒頭で、飛来したツマキチョウ♂が長靴を履いた私の足元にちょっとまとわりついたような気がしました。 
安物の長靴を彩る派手なオレンジ色の模様がツマキチョウ♂にとって超正常刺激になり、誘引されたのかな?と妄想しました。 
しかし冷静になって考えると、ツマキチョウの前翅の先端(翅頂)にある黄色い斑紋は♂にしかありません。 
つまり同種内で雌雄を見分けるための模様になっているのです。(性的二型) 
もしツマキチョウ♂が私の長靴のオレンジ色に反応したのなら、それは同種の♀だと誤認して求愛に来たのではなく、同種のライバル♂だと思って追いはらうために近寄ってきたことになります。 
映像を見直すと、そんな感じではなさそうなので、私の思い過ごしでしょう。 

この黄色い可憐な花を咲かせた野草は、いつもジメジメ湿っている林道という環境も考えると、おそらくヘビイチゴの群落だと思うのですが、似た種類もあるそうです。 
念のために、後日に現場を再訪して、果実を調べて確認することにします。

2026/06/29

ハリギリの大木に登り若葉を食べるニホンザル♀

 

2025年4月下旬・午後12:50頃・くもり 

里山で渓谷の横にハリギリ(別名センノキ)の大木が聳え立っています。 
ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが辺りに散開して、それぞれが好きなメニューを採食していました。 
その中の♀2頭が、ハリギリの樹上で掌状の若葉を次々と食べ漁っていました。 

手を伸ばしてハリギリの若葉をちぎり取り、ワシワシと食べています。 
近くにある細い枝を右手で手繰り寄せ、左手で若葉を葉柄ごと採取して柔らかい葉を食べることもありました。 
胸に見えるピンクの乳首が細長く伸びていないことから、経産婦ではない若い♀であることが分かります。 
逆光ですけど、採食シーンがしっかり撮れました! 
食べ残しの若葉をすぐに捨てて次の葉を採取するというニホンザルの採食法が、我々の感覚ではどうしても勿体なく感じてしまいます。 
葉によってアク(二次代謝物や毒)の含有量にばらつきがあるのでしょうか。
ウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪とさえずる鳴き声が聞こえます。 

やがてニホンザル♀は満腹になったようで、採食のペースが落ちてきました。(@2:04〜) 
それでも食休みを挟みつつ、思い出したように、ハリギリの若葉に手を伸ばしました。 
興味深いことに、今度は若葉そのものではなく、葉柄をちびちびと食べ始めました。 
採取した若葉を手でしごいて捨ると、残った葉柄の皮を口で剥いて食べています。(@2:22〜) 
若葉と葉柄という部位の違いで、味や食感の違いを楽しんでいるのでしょうか。 
まさか食後に歯間ブラシするための爪楊枝を自作したのなら、驚きの「道具使用」ということになります。 
強い逆光なので、残念ながら肝心の口元がよく見えませんでした。 


後半は別個体♀の採食シーンです。(@3:00〜) 
ハリギリの枝を一旦少し下りてから、分岐から別の幹に登り直しました。 
苔むした(地衣類の着生?)太い幹に抱きつくようによじ登ると、梢で若葉を採食再開。 
幹の樹皮が縦に深く裂けているのがハリギリの特徴です。 

この♀個体もどうやら満腹になったようで、横枝に腰掛けて渓谷を眺めて物思いにふけっています。 
近くに来た個体の発した小声のクーコール♪(コンタクトコール)を聞くと、左を振り返ったものの、返事はしませんでした。(@4:03〜) 

私が別の撮影をしていたら、ハリギリ樹幹部に座っていた♀個体がいつの間にか向きを変えて、私をじっと見下ろしていました。 
咀嚼もしておらず、私を怖がってもいません。 
「私がニホンザルの深淵を見る時、猿もまた私の深淵を見下ろしているのだ。」 


【考察】 
 私は知らなかったのですが、ハリギリの若葉は春の山菜として人気があるのだそうです。 
小学館フィールドガイド『山菜』でハリギリを調べると、
苦味、えぐ味は強く、タラノキの比ではない。これを処理すれば、ハリギリは大きな芽でもあり山菜として十分楽しめる。採取はごく若いうちのほうがよい。(p152より引用)
いつか山菜としてハリギリを試食してみたいものです。


ハリギリと言えば、「鋭い棘で身を守っている木」というのが私の認識です。
Gemini AIを相手に問答してみました。 

Q1:大木になったハリギリの幹に棘は生えているか? 

A1: ハリギリ(Kalopanax septemlobus)の幹の棘についてですね。 若いハリギリの木や枝には、鋭い棘がたくさん生えています。しかし、木が成長して大木になり、幹が太くなると、これらの棘は次第に少なくなり、目立たなくなるか、脱落していく傾向があります。 大木の幹では、若い頃にあった棘はほとんど見られなくなり、代わりに樹皮が縦に深く裂けてゴツゴツした質感になります。 したがって、大木になったハリギリの「幹」の部分には、若い木のような鋭い棘はほとんど生えていないか、全くなくなっていることが多いです。ただし、古い枝などには一部残っている可能性はあります。 

Q2:ハリギリが大木になっても、細い枝(若い枝)には棘は生えたままか?

A2: はい、その通りです。 先ほどお答えしたように、ハリギリは大木になると太い幹の部分の棘は脱落したり、樹皮に埋もれて目立たなくなったりします。 しかし、大木であっても、その年に伸びた比較的新しい枝や、細い枝(若い枝)には、鋭い棘が残っていることが一般的です。これらの若い部分は、まだ成長途中で柔らかいため、棘による保護が必要なのかもしれません。 したがって、大木のハリギリであっても、細い枝や上部の若い枝を扱う際には、棘に注意が必要です。 


Q3:実は山中でハリギリの大木によじ登って若葉を採食するニホンザルを観察したのです。ハリギリの木には鋭い棘が生えているはずなのに、サルが木登りしても手足に刺さって痛くないのか不思議でした。 

A3: それは非常に興味深い観察ですね!ハリギリの鋭い棘を知っていると、ニホンザルがどのようにして登り、若葉を食べるのか不思議に思うのは自然なことです。 考えられる理由はいくつかあります。 大木の幹の棘の減少: これまでお話ししたように、ハリギリは大木になると幹の太い部分の棘は少なくなるか、ほとんどなくなります。そのため、サルは比較的登りやすい幹の大部分を伝って、木の上部まで到達することができると考えられます。これが一番大きな理由でしょう。 サルの身体能力と学習: 巧みな動き: ニホンザルは非常に身軽で木登りが得意です。棘の少ない場所を選んだり、棘に刺さらないように巧みに手足を運んだりする技術を持っていると考えられます。彼らはどの部分が危険か学習している可能性が高いです。 硬い手足の皮膚: 日常的に木登りをしているサルの手足の裏は、人間の足の裏のように皮膚が硬く角質化(タコができているような状態)しており、ある程度の棘は刺さりにくいか、刺さっても平気なのかもしれません。 若葉のある場所へのアクセス: 若葉は主に新しい枝、つまり棘がまだ残っている細い枝についています。サルは棘の少ない太い幹や枝を足場にして体を安定させ、棘のある枝には最小限の接触で、あるいは慎重に手を伸ばして若葉を採っているのかもしれません。 食料としての魅力: ハリギリの若葉(地域によっては「タラの芽」と似た山菜として認識されることもあります)は、サルにとって栄養価の高い魅力的な食料なのでしょう。そのため、多少の棘のリスクは承知の上で、食べることを優先している可能性もあります。 これらの要因が組み合わさって、ニホンザルはハリギリの大木に登り、棘のある若葉を食べることができるのだと考えられます。幹の棘が少ないことが、まず登ることを可能にし、その先の棘のある枝はサルの身体能力と知恵で攻略しているのでしょうね。 

Q4:ハリギリ大木にどうやって登ったのか、観察できたのは1頭だけです。隣の別の樹種(棘なし)の大木に登ってから、樹冠で重なるハリギリの横枝に移動していました。 

A4: なるほど、隣の木からハリギリの枝に移ったのですね!それは非常に重要な観察情報です。ありがとうございます。 その方法であれば、ニホンザルがハリギリの若葉を食べるメカニズムはさらに明確になりますね。 棘のある幹の回避: 隣の棘のない木を登ることで、ハリギリの幹(たとえ大木になって棘が減っていたとしても)に触れる必要が全くなくなります。これが最も安全で効率的な方法です。 目的の場所への直接アクセス: 樹冠部で枝が重なっていれば、棘のない木から直接、若葉が多くついているハリギリの上部の枝や若い枝に移ることができます。地上からハリギリの幹を登るよりも、目的の場所に早く、安全に到達できる可能性があります。 一般的なサルの行動: このように隣接する木々の間を枝伝いに移動する「樹冠移動(キャノピー・ブリッジング)」は、ニホンザルを含む多くの樹上性のサルの得意な移動方法です。地上に降りるリスクや、登りにくい木を避けるために使われます。 つまり、そのニホンザルはハリギリの棘を攻略するというよりは、棘のある部分(特に幹)を完全に避けるルートを選択したと考えられます。これは非常に合理的で、サルの賢さを示す行動ですね。 もちろん、ハリギリの枝先に移って若葉を食べる際には、その若い枝にある棘には依然として注意を払う必要がありますが、一番大変な「登る」プロセスを安全な木で行ったというのは、なるほどと思いました。 

Q5:ハリギリの棘は本来、食害を物理的に防御するために発達したのですよね? 今回は賢いニホンザルに攻略されてしまいましたけど。 

A5: はい、おっしゃる通りです。一般的に、植物の棘(とげ)や刺(はり)は、動物による食害(食べられたり、幹を傷つけられたりすること)を防ぐための物理的な防御機構として進化したと考えられています。 ハリギリの鋭い棘も、特に以下のような動物から身を守るために発達したと考えられます。 大型草食動物: シカやカモシカなどが若い幹や枝をかじるのを防ぐ。 木登りする動物: クマなどが木に登って実や葉を食べたり、巣を作ったりするのを困難にする。あるいは、サルも含む他の動物が容易に登れないようにする。 若い木ほど樹皮が薄く、全体が食べられやすいため、棘による防御が特に重要になります。大木になると幹の樹皮が厚く硬くなり、物理的な強度が増すため、幹の棘の必要性が相対的に低下し、脱落していくのかもしれません。 そして、今回のニホンザルの観察例は、まさに「植物の防御戦略」と「動物の採食戦略」の間の進化的な駆け引き(「軍拡競争」や「いたちごっこ」と表現されることもあります)の一端を示していますね。 ハリギリは棘で身を守ろうとしますが、賢いニホンザルは隣の木を使うという回避戦略で、少なくとも幹の防御を無力化して若葉を手に入れました。これは、防御が必ずしも万能ではなく、それを上回る(あるいは回避する)能力を動物が発達させる場合があることを示しています。 とはいえ、棘があることで、ニホンザルにとっても採食の難易度やリスクは上がっているはずです。もしハリギリに全く棘がなければ、もっと多くの動物にもっと簡単に利用されてしまうでしょうから、棘の防御機能が無意味というわけではありません。 賢いニホンザルに一部「攻略」されてはしまいましたが、棘は本来の目的を果たしていると言えるでしょう。非常に興味深い生態系の相互作用ですね。 


Q6:ニホンザルが木登りする際には、その木に巻き付いたフジなどの太い蔓を頼りによじ登ることが多いようです。蔓植物は、巻き付いて葉を広げることで日光を奪うだけでなく、木登りする草食動物に安全な足場を提供することで、ハリギリの防御戦略(棘)を無効にしてしまう厄介な困り物(寄生者)かもしれません。 

A6:なるほど、ニホンザルとフジの関係、そしてそれがハリギリの防御戦略に与える影響について、興味深い視点ですね。 おっしゃる通り、太いフジの蔓はニホンザルにとって、滑りやすい木の幹を登る際の強力な補助となるでしょう。特に、ハリギリのように幹に鋭い棘を持つ木の場合、直接幹を掴んで登るのは困難ですが、しっかりと巻き付いたフジの蔓があれば、安全かつ容易に樹冠へとアクセスできると考えられます。 これは、ハリギリが進化の過程で獲得したであろう棘という防御機構が、フジのような蔓性植物の存在によって、結果的にその効果を弱められている可能性を示唆しています。 もしそうだとすれば、 フジは、ハリギリにとっては単なる寄生者というだけでなく、その防御戦略を間接的に無効化する、より厄介な存在と言えるかもしれません。 ニホンザルの食性や行動範囲は、森林内のフジの分布と量によって影響を受けている可能性も考えられます。フジが豊富に生えている場所では、ニホンザルはハリギリをより容易に利用できるかもしれません。 生態系の中では、植物と動物、そして植物同士の相互作用が複雑に絡み合っているのですね。今回のニホンザル、フジ、ハリギリの関係は、その一例として非常に興味深いと思います。 

早春の落葉二次林を歩くキジ♂を見送るホンドタヌキ【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬 

シーン1:3/13・午前6:31・朝霧・気温1℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:51 

朝霧が立ち込める落葉二次林でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で越冬用営巣地をうろついていました。 
画面左上奥で林床を歩くキジ♂(Phasianus versicolor)を発見すると、タヌキはその場に立ち止まって凝視しています。 
キジ♂もタヌキに気づいたのか、立ち止まりました。
すぐに警戒を解くと、キジ♂はセットに向かって歩いて来ます。 
グズグズに溶けかけた雪質(いわゆる腐れ雪)のため、体重の軽いキジでも足が雪面にズボズボと潜って歩きにくそうです。 
キジ♂も飛ぶのが苦手とは言え、鳥類のはしくれですから、襲われたらいつでも飛んで逃げられる自信があるのでしょうか? 

狩猟本能に駆られたタヌキが走り出して獲物に襲いかかる展開を予想したのですけど、意外にもタヌキは待ち伏せ戦略を取っています。 
タヌキが積極的に狩りの行動を起こさなかったのは、走りにくい残雪では足を取られて獲物に追いつけないと判断したのかもしれません。
同じイヌ科でもキツネと違ってタヌキは動きが鈍臭いので、積極的に獲物を襲って狩る捕食者ではないと言われています。
このタヌキが、視力の弱い個体(タペータムの機能を両眼喪失)だった可能性も考えられます。

遠くから救急車のサイレン♪がかすかに聞こえてきます。
飼い犬とは違って、タヌキはサイレンを聞いても遠吠えしません。 
もちろん今回のような緊迫した場面では、タヌキが鳴かないのは当然でしょう。


シーン2:3/13・午前6:34・朝霧(@1:01〜) 
約2分後に、別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
巣口Rから離れるように歩き出したタヌキが、立ち止まって左の林内を見つめています。 
林内を横切るキジ♂を見送っているようです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。 


つづく→

2026/06/28

雪原の営巣地で交尾するホンドタヌキ♀♂とそれを邪魔する娘?:3月中旬【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬・午前11:30〜午後12:00頃・晴れ 

残雪に覆われた休耕地でホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の家族群(両親と娘の計3頭)が暮らす営巣地を2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:3/12・午前11:31・気温20℃(@0:00〜) 
画面の右端で大雪が積もって折れたオニグルミ灌木にお転婆なタヌキ♀cが登っていたので、ビックリしました。(初見です) 
タヌキは木登りが苦手なはずなのに、とても意外でした。 
木登りする瞬間が撮れてないのは残念です。 
雪面から跳び乗ったのかな? 

巣口に居た両目失明♀hが、身震いしてから、両親♀♂のいる右へ向かって歩き始めました。 
♂もオニグルミの木に近づこうとしたら、溶けかけた雪面に足がズボッと潜りました。(@0:14〜) 
地上の2頭も、♀の真似をして木登りしたがっているのか、少なくとも興味を持ったことは間違いありません。 

♂が強引に木登りしようとしたら、狭くて滑りやすい止まり木でバランスを崩し、♀♂ペアは一緒に雪面に落ちました。 
どうやら、♂がオニグルミ樹上で♀の尻の匂いを嗅いで、背後からマウントしかけたら、足元が滑ったようです。 


樹上から無様に落ちてもめげない♂は、♀の背後に回り込んで遂にマウントしました!(@0:40〜) 
そのまま♂が腰をスラストしたので、交尾行動で間違いありません。 
その間、♀は頭を下げて姿勢を低くしました。 
交尾の前後にタヌキの鳴き声♪はまったく聞き取れませんでした。 

興味深いのは、3頭のうち交尾にあぶれた個体の行動です。
交尾中の♀♂ペア(両親)に娘♀hが無邪気に近寄ってきました。 
マウンティングしている♀♂ペアの間に割り込もうと邪魔しています。 
擬人化するとかなり気まずい状況です。
もしかすると、それまで娘はタヌキの交尾行動を見たことがなくて、両親が遊んでいるのかと勘違いして仲間に入ろうとしたのかもしれません。 
だとすると、結果的に娘への性教育になっている可能性があります。 
実は、両目失明のヘルパー個体の性別を私は見分けられていないのですが、もし息子♂(あぶれ♂)だとすると、交尾を邪魔された父親♂は激怒するはずです。 
そもそも発情期が来る前に、両親(特に父親)は息子にたとえハンディキャップがあっても縄張り内に残ることを許さず、他の兄弟(姉妹)と一緒に追い出していたはずです。(子別れ) 
今回、発情した両親の交尾を妨害しても怒られなかったということは、両目失明のヘルパー個体は娘♀だろうという推測が強まりました。 


シーン2:3/12・午前11:43・くもり・気温21℃(@1:00〜) 
次に監視カメラが起動したのは、約10分後でした。 
 画面右下の雪上で、♀♂ペアが交尾を続けています。 
オニグルミの木の根元の雪が溶けて地面が露出した窪みで交尾しているので、♀の姿がよく見えません。 

やがて、交尾中の♀が背後を振り向いて、嫌がり始めました。(@1:15〜) 
暴れる♀を背後から♂が首筋を噛みながら組み伏せたようです。
(よく見えないので、アナグマの交尾行動からの類推です。) 

その間、両目失明のヘルパー個体♀hは、交尾中の両親♀♂から離れて、逆の左を向いて佇んでいます。
 「いいから、あっち行ってろ!」と両親に追い払われたのでしょうか? 
身震いしてから巣口に歩いて戻り、周囲を警戒しています。 


シーン3:3/12・午前11:56・晴れ・気温23℃(@2:00〜) 
12分後に監視カメラが再び起動すると、あぶれ♀(両目失明のヘルパー個体♀h)が巣口から居なくなっていました。 
入巣または外出したのかもしれません。 

交尾を終えた♀♂ペアが互いに少し離れて、巣口の右の雪原に佇んでいました。 
右の個体Rが身震いしてから、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしました。 
左の個体Lが体をねじって毛繕いを始めました。 
私はまだ外見でタヌキの性別をしっかり見分けられません。 
♂の体格が♀よりも少し大きいらしいので、交尾後の♂が自分の陰茎を舐めているようです。
♀♂ペアが並んでいるのに、対他毛繕いなどの後戯はありませんでした。(賢者タイム?) 
右の個体♀Rがパートナー♂Lの横を歩いて通り過ぎ、巣口に辿り着きました。 


つづく→


【考察】 
ようやくこの重要な動画を紹介できる日が来ました。 
トレイルカメラの設置場所を変更したおかげで撮れた、スクープ映像です。 

「猿も木から落ちる」ならぬ、「狸も木から落ちる」という貴重な映像が撮れました。 
前評判通り、タヌキの木登りは下手糞でした。
幸い地上からの高さも低く、雪面のクッションがあるおかげで、落ちた2頭は無傷で済みました。 
この近くで昨年見かけた、下半身が麻痺したホンドタヌキ個体は、交通事故ではなく、木登り中に落ちて脊髄を損傷した、という新しい可能性も出てきました。 

もしかすると、ホンドタヌキ♂からのしつこい求愛を嫌がって、身軽な♀が樹上に逃げたのかもしれません。 
穿った解釈をすると、発情した♀が求愛する♂をふるいにかける行動かもしれません。 
つまり、♀の後を追って木登りできるぐらい運動能力の高い♂を交尾相手として選ぶのです。 


ホンドタヌキの交尾行動を無人カメラで初めて撮影することができました。
(もちろん発情期にはカメラに写らない所でも交尾を繰り返しているはずです。)
両親♀♂が娘の目の前で交尾していました。
父親が娘(両目失明のヘルパー♀h)に交尾を挑まなかったのは、性的に未熟で発情もしていないからでしょう。 
近親婚を避けるように本能でプログラムされているのかな?(インセスト・タブー
しかし、父親のタヌキが息子を縄張りから追い払う(子別れ)ということは、母親と交尾する可能性がある息子を性的なライバルとみなしていることになります(エディプス・コンプレックス)。


タヌキの交尾についてPerplexity AIを相手に問答してみました。

Q1: 交尾中のタヌキの♀♂ペアに、別個体が近づいて邪魔しようとした。この行動を繁殖干渉と呼ぶのは不適切か?

A1:この状況を繁殖干渉と呼ぶのは適切ではありません。繁殖干渉は、異なる種の個体間で起こる現象を指します。

繁殖干渉(Reproductive interference)は、以下の特徴を持つ現象です:

異種の個体が配偶過程で相互作用する

その結果、関与する個体の一方または両方の適応度が低下する

個体が誤認をしたり、自種を識別できないことが原因で生じる

タヌキの事例では、同種の個体間での相互作用であるため、繁殖干渉の定義に当てはまりません。

この状況はむしろ、同種内での繁殖競争や交尾妨害と呼ぶべきでしょう。多くの動物種において、オス同士が交尾の機会をめぐって競争することは一般的な行動です。

繁殖干渉は、昆虫、哺乳類、鳥類、両生類、海洋生物、植物など、さまざまな分類群で確認されていますが、あくまでも異種間の現象です。


Q2: 同じ巣穴でホンドタヌキの♀♂ペア以外にもう1頭が冬からずっと同居している。タヌキの性別や年齢を私には見分けられないのだが、この個体は前年に産まれたヘルパーだろうか? 営巣地の近くで交尾する♀♂を少し妨害した後は巣口に戻っておとなしく見ていたので、あぶれ♂かもしれない。しかしあぶれ♂と♀♂ペアが普通に同居するとは思えない。3月中旬に山形県でトレイルカメラによる観察。

A2:ご観察された状況は非常に興味深いです。ホンドタヌキの通常の社会構造と繁殖行動を考慮すると、以下のような可能性が考えられます:

前年生まれの子供(ヘルパー)
観察された3頭目の個体が前年に生まれた子供である可能性が高いです。タヌキは通常、春から初夏にかけて3-5匹の子供を出産します。前年生まれの子供が親と同じ巣穴で冬を過ごすことは珍しくありません。

繁殖期の行動
3月中旬は、タヌキの繁殖期にあたります。この時期、前年生まれの子供が親の交尾を妨害しようとする行動は、自然な現象かもしれません。ただし、その後おとなしく見ていたという観察結果は、この個体が完全に性的に成熟していない可能性を示唆しています。

社会構造の柔軟性
タヌキは基本的に一夫一妻制ですが、その社会構造には柔軟性があります。特に冬期は、生存のために複数個体が同じ巣穴で過ごすことがあります。

あぶれオスの可能性
観察された個体があぶれオスである可能性も完全には否定できませんが、通常、あぶれオスが繁殖ペアと長期間同居することは稀です。

個体識別の難しさ
タヌキの性別や年齢を外見から判断するのは非常に困難です。トレイルカメラによる観察では、さらに判別が難しくなります。

結論として、観察された3頭目の個体は、前年に生まれた子供(ヘルパー)である可能性が最も高いと考えられます。この個体が親の交尾を軽く妨害した後、おとなしく見ていたという行動は、性的に完全には成熟していない若い個体の特徴と一致します。




Q3: 3頭目の個体の性別を推理したい。前年生まれの子供が親と同じ巣穴で冬を過ごす場合、子供の性別は♀♂両方ありえるか? タヌキで親と同居するヘルパーは♀に限る、というような知見は得られているか?

A3:3頭目の個体の性別について、以下のように推理できます:

前年生まれの子供の性別
タヌキの場合、前年生まれの子供が親と同じ巣穴で冬を過ごす際、♀♂両方の可能性があります。タヌキの社会構造に関する具体的な情報は限られていますが、近縁種であるキツネの例を参考にすると、♀♂両方が親と同居する可能性があります。

ヘルパーの性別
タヌキにおいて、ヘルパーが♀に限るという明確な知見は得られていません。しかし、キツネの例を見ると:

ホンドギツネでは、前年生まれのメス(ヘルパー)が母親の子育てを手伝うことが知られています。

ヘルパーは最大4頭になることもあります。

オスも子供が生後1ヶ月頃までは子育てを手伝いますが、その後は家族群に加わらなくなります。

タヌキの社会構造
タヌキの社会構造は柔軟性があり、冬期には生存のために複数個体が同じ巣穴で過ごすことがあります。これは♀♂両方の若い個体が含まれる可能性を示唆しています。

性別判断の難しさ
タヌキの性別を外見から判断するのは非常に困難です。特にトレイルカメラによる観察では、さらに判別が難しくなります。

結論として、3頭目の個体の性別は♀♂両方の可能性があります。タヌキに関する具体的な研究データが限られているため、キツネの例を参考にすると、ヘルパーとして同居する可能性が高いのは♀かもしれません。しかし、タヌキの社会構造の柔軟性を考慮すると、♂が同居している可能性も完全には否定できません。

より正確な判断のためには、タヌキに特化した長期的な観察研究が必要です。現時点では、3頭目の個体が♀である可能性がやや高いと推測されますが、♂である可能性も排除できません。


Q4: キツネと違ってタヌキではヘルパーは存在しない(報告されていない)のか?

A4:タヌキにおけるヘルパーの存在については、キツネほど明確な報告はありませんが、完全に存在しないとは言い切れません。

キツネとの比較
ホンドギツネでは、前年生まれのメス(ヘルパー)が母親の子育てを手伝うことが明確に報告されています。ヘルパーは最大4頭になることもあり、オスも子供が生後1ヶ月頃までは子育てを手伝います。

タヌキの社会構造
タヌキは基本的に一夫一妻制をとり、オスとメスが協力して子育てをします。しかし、タヌキの社会構造には柔軟性があり、環境に応じて変化する可能性があります。

タヌキのヘルパーに関する研究
タヌキのヘルパーに関する直接的な報告は少ないですが、いくつかの研究がタヌキの社会構造の複雑さを示唆しています:

東京都心部の赤坂御用地での研究では、タヌキが行動圏およびコアエリアを大きく重複させて生息していたことから、孤立緑地内でのタヌキの社会構造が一般的な一夫一妻制の社会構造ではない可能性が示唆されています。

タヌキのタメフン場(排泄場所)は、単なる排泄の場としてだけでなく、情報交換の場として利用されており、家族および隣接個体の確認や相互許容の機能など、タヌキの社会構造に深くかかわっていることが指摘されています。

結論
タヌキにおけるヘルパーの存在は、キツネほど明確には報告されていませんが、完全に否定されているわけでもありません。タヌキの社会構造の柔軟性や、一部の研究結果から、環境によってはヘルパー的な役割を果たす個体が存在する可能性は否定できません。

ただし、タヌキの社会構造や繁殖行動に関する研究はまだ十分ではなく、より詳細な調査が必要です。今後の研究によって、タヌキにおけるヘルパーの存在や役割がより明確になる可能性があります。

Q5: タヌキは交尾後に着床遅延するか?

A5: タヌキ(Nyctereutes procyonoides viverrinus)は、交尾後に着床遅延を行うという明確な証拠は提供されていません。タヌキの繁殖サイクルについて、以下の情報が分かっています:

タヌキの繁殖期は1月から3月頃で、この時期にオスとメスがペアを形成し交尾します。

妊娠期間は約60〜65日間です。

出産は通常4月から5月にかけて行われ、2〜6頭(最大12頭)の子を産みます。

これらの情報から、タヌキの繁殖サイクルは比較的直線的であり、交尾から妊娠、出産までの期間に明確な遅延は見られません。着床遅延は、提供された検索結果ではタヌキについて言及されておらず、むしろニホンアナグマ(Meles anakuma)の特徴として述べられています。

したがって、現在の情報では、タヌキが交尾後に着床遅延を行うとは結論付けられません。タヌキの繁殖生理について更なる研究が必要かもしれません。




【アフィリエイト】

ハルジオンの花を舐めるナカグロヒラタヤドリバエ♂暗色型

 

2026年5月下旬・午後13:50頃・晴れ 

里山をトラバースする山道に咲いたハルジオンの群落でナカグロヒラタヤドリバエ♂暗色型(旧名ナカグロヒラタハナバエ;Ectophasia crassipennis)が訪花していました。 
ちょっとレアな寄生バエですが、春には初見です。 
本種は成虫で越冬するのですかね? 

関連記事(2、13年前の撮影)▶ 


翅を広げたままで口吻を伸縮させて花蜜や花粉を舐めているのは、黒い翅紋を誇示しているのでしょうか。 
頭花が風で揺れても平気で吸蜜を続けています。 

少し飛んで、同じ株の隣の頭花に移動しました。 
省エネのため、隣接する頭花には飛ばずに歩いて渡ります。 

この林道ルートは登山する人通りが少ないため、夏は草刈りしないとすぐに雑草が繁茂してしまいます。 


【アフィリエイト】 

2026/06/27

リンゴ園の樹上で未熟果を食い荒らすニホンザルの群れ

 

2026年6月上旬・午前10:10頃・くもり 

山麓の果樹園に野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが傍若無人に侵入していました。 
今季はまだ果樹園全体が電気柵で囲われていなかったので、無防備な状態でした。 
当地は豪雪地帯ですから、積雪の重みで潰れたり壊れたりしないように、秋の収穫が終わると電気柵を全て撤去してしまいます。 
猿害対策として電気柵は有効ですが、正しく設置して保守管理しないと、賢いニホンザルはすぐに攻略してしまいます。 



果樹園の敷地の端(リンゴ林の林縁)でリンゴの果樹に登っていたニホンザルが赤く色づき始めた小ぶりの未熟果を次々に食い荒らしていました。 
リンゴ農家も果実を間引いて大きく育てるために不要な枝を剪定したり摘果したりするので、この時期の食害には寛容なのでしょうか。
それとも単に人手不足で猿害対策が間に合わないのかもしれません。 

多くのニホンザルが続々とリンゴの木によじ登って未熟果を食べ漁るので、どの個体に注目して撮影すべきか、目移りしてしまいます。 



ときどき、ニホンザルがリンゴの枝をポキッと折る音が聞こえます。 
リンゴの樹上に座ったニホンザルが近くの枝から未熟果を手でもぎ取り、かぶりついてモグモグと咀嚼します。 
片手を伸ばして小枝を引き寄せ、未熟果を口で直接咥えてもぎ取ることもありました。 
しかし猿は一口か二口食べただけで、食べかけの果実を惜しげもなく捨ててしまい、次の果実を採取します。 
ニホンザルに特有のこのような採食法が我々に「もったいない」と強く感じさせ、果樹農家に憎まれる原因になります。 

果皮が赤く色づいていない「青りんご」の状態でもニホンザルは平気で食べています。(@2:02〜) 
渋くないのかな? 
普段ニホンザルは野生の果実ばかり食べているので、栽培品種のリンゴ果実は未熟でもよほど美味に違いありません。

リンゴの芯や種子は食べずに捨てているのか、それとも逆に、リンゴの果皮を捨てているのか、よく見えませんでした。 
リンゴの木の下に散乱している食べ残し(食痕)を観察しに行く必要があります。 
また、この時期のニホンザルが排泄した糞に未消化のリンゴ種子が含まれているかどうか、調べる必要がありますね。 
果実が熟していないということは、種子も未だ成熟していない(発芽能力がない)ので、今回は種子散布の話と無関係です。 
つまり、リンゴという植物にとって、ニホンザルによる未熟果の食害は、完全な食べられ損です。

リンゴの樹上で私に背を向けて座り、未熟果を食べていた個体が真っ逆さまに(頭を下にして)幹を下りました。(@1:37〜) 

ニホンザルの群れは、緑の葉が生い茂った枝から枝へ渡り歩いて、リンゴ園の奥へと入って行きます。 
私に見られているのを嫌い、茂みの奥に隠れたいのかもしれません。 


短時間の観察でしたが、この群れにはアルビノ(または白変種)が少なくとも2頭含まれていました。 
白猿と呼ばれて地元では昔から神聖視(半ばアイドル化)されています。 

まず見つけた白猿は、体格の良い太った成獣♀です。(@2:41〜) 
胸に幼い子猿を抱えていたので、今季出産した♀であることが分かります。 
興味深いことに、子猿の毛皮は母親のように真っ白(ホモ)ではなくて、通常の野生型(ヘテロ)でした。 
幼い子猿はまだ離乳前らしく、自分でリンゴの未熟果を採食することはありませんでした。 
授乳期の母猿は、栄養価の高い餌をたくさん食べないといけません。 
樹上の白猿が振り返ったときに瞳の色を確認すると、黒目があるようにも見え、メラニン色素が薄くて青い目のようにも見えます。(YouTube動画のサムネイルとなった場面@3:29〜) 
やがて、乳飲み子を抱いたまま、隣の木に跳び移りました。(@3:42〜) 
アルビノ♀が出産するのは珍しいとのことですが、私自身はそこまで詳細な記録を取っていません。 

私が撮影に夢中になっていると、手前の農道を別個体の白猿が通り過ぎました。(@3:03〜) 
若いアルビノ(白変種?)個体です。 
私をあまり恐れずに、ゆっくり歩いて果樹園の方へ向かいました。 
残念ながら後ろ姿しか見えなかったので、瞳の色を確認できていません。 
アルビノの母猿と若いアルビノは、親子なのでしょうか? 
その後、年齢の離れたアルビノ同士がリンゴ園で合流する様子は見ていません。 


※ 撮影順ではなく、映像素材の順番を編集で入れ替えました。 




【追記】
こういう動画を公開すると、「のんきに傍観してないで、さっさと害獣を追い払え!」と怒る人が出てきます。
猿の襲撃が1回限りなら、その人の言う通りです。
しかし、神出鬼没で何度も襲撃を繰り返す強敵となると、話が変わってきます。
猿害(ニホンザルによる農作物の食害)に苦しむ農家の心情も理解できるのですが、私は長年ひっそりと観察に徹しているからこそ、このような記録映像を撮ることができるのです。
ちなみに、私は野生のニホンザルに撮影目的の餌付けや給餌を一切していません。
もし私がニホンザルの追い払い活動に参加すると、猿たちは私に対して警戒を強め、自然な行動を見せてくれないどころか、群れに近づくことも困難になります。

つまり、猿害対策には分業が必要となるのです。
害獣防除の専門業者も必要ですし、ニホンザルの行動や生態を地道に調べる研究者や動物カメラマンも必要です。
現在では無人のカメラを農地や果樹園に設置して、野生動物の侵入を不眠不休で監視することも可能になりました。

軍事で例えると、偵察部隊や斥候(隠密偵察)はこっそり敵の様子を視察して、正しい情報を本隊に伝えるのが任務の専門職です。
敵と遭遇したからと言って、いちいち戦闘したり追い払ったりするのは御法度です。
隠密偵察が持ち帰った情報や証拠映像を元に対策を立てたり作戦を練ったりするのは、別の担当者です。

クリの幹の根元に集まり餌を探すエナガの群れ♪【冬の野鳥:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年1月上旬・午後13:15頃・晴れ 

山麓の農村部でクリ(栗)園の横を通りかかったら、エナガAegithalos caudatus)の群れが賑やかに鳴き交わしながら採食していました。 
落葉したクリの木の下で、雪が溶けて露出した落ち葉を調べたり、根元付近の樹皮をあちこちつついたりして、隠れて越冬している虫を探しています。 

エナガの忙しない採食行動をじっくり観察するために、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:54〜) 
短い距離を飛んで移動する羽ばたきが、見応えのあるスーパースローで見れるようになりました。 
エナガは垂直な幹をピョンピョンとよじ登り、あちこちの樹皮をつついています。 


【考察】 
エナガが嘴でつついて捕食していた獲物の候補として、クリオオアブラムシLachnus tropicalis)の越冬卵が考えられます。
クリ林(果樹園)に発生する害虫を冬に食べてくれるエナガは益鳥になります。
現場検証で獲物の正体を突き止めたくても、クリ園の敷地に勝手に入る訳にはいかないので、今のところ推測に過ぎません。 

参考ブログ:冬越しブラック団 by 湘南むし日記


他の鳥が林床でよくやる「落ち葉めくり行動」をエナガはなぜやらないのか、不思議でした。
嘴の短いエナガは、落ち葉をうまく摘んだり払い除けたりできないのかもしれません。 


今回の採食行動について、Perplexity AIに質問してみました。

Q: エナガはクリの幹の下部(根元付近)に執着し、そこの樹皮を重点的につついていました。
獲物となる越冬卵や越冬昆虫の分布が樹冠部ではなく根元付近に偏っている理由は何だろう? 
雪面に近いほうが乾燥から免れるのか? 大雪が積もれば雪の下に埋もれたり潰されてしまう可能性もあります。 

A: 越冬する卵や虫が根元付近に偏って分布する理由は、いくつかの重要な環境要因が関係しています。

根元付近を選ばれる主な理由

要因理由・効果
温度変化の少なさ根元は地表に近いため、温度変化が最も少なく安定している [city.kurayoshi.lg]。樹幹上部は風や日射で温度変動が大きい
湿度の保たれやすさ根元の樹皮の隙間は外部から隠れ、湿度も保たれる [biome.co]。乾燥は越冬卵の細胞内水環境を変化させ致命的
風・雨の避けやすさ根元は風雨の当たらない場所 [hayakawa-kitasho.ed]。風で寒くならないため
外敵からの隠れやすさ根元の樹皮の間や落ち葉の下は、地表を歩き回って獲物を探す鳥類などの天敵に見つかりにくい [biome.co]
0℃付近の安定環境落ち葉の間に潜ったり隙間に入ったりと、0℃あたりの温度と湿り気をくれる環境 [city.kurayoshi.lg]

雪面のメリットとデメリットについて

メリット(乾燥回避)

  • 雪の下は断熱効果があり、温度が急激に下がらない

  • 雪は湿度を保つため、乾燥を防ぐ[city.kurayoshi.lg]

デメリット(大雪のリスク)

  • 大雪が積もれば雪の下に埋もれてしまう可能性

  • しかし、昆虫は自分の致死温度以上で安定した場所を選んで越冬するため、雪の厚さや温度を考慮して場所を選んでいる[detail.chiebukuro.yahoo.co]

クリオオアブラムシの具体的な産卵場所

クリオオアブラムシは幹の株元近くに複数の雌成虫が集まって卵をまとめて産みます 。これは「日当たりがよい南側の雨がかかりにくい枝の下面」に多いという情報 と矛盾せず、株元付近の樹幹下部の南側を選ぶ傾向があると考えられます。[hro.or]

結論

エナガが根元付近を重点的につついていた理由

  1. 越冬卵が根元付近に集中して産みつけられている[hro.or]

  2. 根元は温度・湿度が安定し、乾燥から免れやすい[biome.co]

  3. 風雨・外敵からの保護が得られる[hayakawa-kitasho.ed]

  4. 雪面近くでも、岩根や樹皮の隙間に潜ることで過度の低温や雪の重圧を回避している[detail.chiebukuro.yahoo.co]

大雪が積もる場合でも、昆虫は致死温度以上の安定場所を選ぶため、根元の樹皮隙間や落ち葉下などの微環境を利用しています。





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2026/06/26

雪原の営巣地でホンドタヌキ♂が♀の発情状態をチェック・家族団らんの相互毛繕い:3月中旬【トレイルカメラ】

 



2025年3月中旬

冬は雪原となる休耕地で、ホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の営巣地を2台のトレイルカメラで見張っています。 
いよいよ交尾期が始まるので、撮り漏らしを減らすために、トレイルカメラをもう1台増やしました。 

遂に、この日は重要な出来事が起こります。 


シーン1:3/12・午前7:10・晴れ・気温0℃(@0:00〜) 
朝からなぜか画面全体がぼんやり曇っています。 
レンズに霜が付着したのか、朝霧が発生しているのかもしれません。 
※ このシーン1だけ編集時に自動色調補正を施し、5倍速にしました。
(早回し映像にしたほうが、霧の中でも行動を読み解きやすくなるのです。)


右から3頭のタヌキが次々と帰巣しました。 
そのまま入巣するかと思いきや、巣口の手前で別々に立ち止まっています。 
先行の2頭が入巣した後も、最後尾の3頭目が巣外に留まっています。 
これまでの行動パターンでは、先行する2頭が♀♂ペア(両親)で、殿しんがりを務めているのが両目失明個体(ヘルパー♀h)と予想しています。 


シーン2:3/12・午前7:36・晴れ・気温2℃(@0:12〜) 
約25分後、レンズがクリアになっていました。 

巣穴から外に出てきたばかりの♀♂ペアが雪原を右に移動していました。 
先行個体♀が雪面の匂いを嗅ぎ回ってから、体をねじって毛繕いを始めました。 
後続の♂個体が立ち止まったまま身震いしました。 

♂が♀に近づくと、♂から♀への対他毛繕いを始めました。 
その流れで♂は♀の尻の匂いを嗅いで、発情状態をチェックしています。 
尻や陰部を舐められた♀は尻尾をピクピク持ち上げました。 
素人目には、♀も発情しかけているような気がします。 
(発情チェックの行動でようやくペアの性別が確定したので、遡って性別を記したのです。) 

その間に、ヘルパー個体(両目失明♀h)が巣口から顔を出して、♀♂ペアの様子を眺めています。
(タペータムの反射機能が消失していても、明るい昼間の視覚は問題ないと推測しています。)


シーン3:3/12・午前8:36・晴れ・気温9℃(@1:12〜) 
1時間後にも、3頭の家族群が営巣地の雪原をうろついていました。 
巣穴へ向かって右から順番に(1頭ずつ)歩いてきます。 
個体識別ができていませんが、先行する2頭が両親♀♂ペアで、いつも最後尾を歩いているのがヘルパー個体(両目失明♀h)なのでしょうか。 


シーン4:3/12・午前8:37・晴れ(@2:12〜) 
狭い巣口に3頭の家族がひしめき合っていました。 
三つ巴で対他毛繕い、相互毛繕いしてるようです。 



つづく→いよいよ交尾が始まります。

タネツケバナの花蜜を吸い飛び回るツマキチョウ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2025年5月中旬・午前10:15頃・晴れ 

里山の山腹をトラバースする山道に咲いたタネツケバナの小群落で、ツマキチョウ♂(Anthocharis scolymus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
そもそもツマキチョウを見かけたのもかなり久しぶりでした。
興奮のあまり焦ってカメラ操作をミスってしまい、だいぶタイムロスしました。 

翅をほぼ全開にしたまま、口吻を伸ばして吸蜜しています。 
少し飛んで別の花序に移動し、吸蜜を再開。 

ツマキチョウ♂がタネツケバナの花から飛びたつ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:33〜) 
力強く羽ばたいて飛び去りました。 

ちなみに、ツマキチョウ(シロチョウ科)幼虫の食草はアブラナ科で、その中にはタネツケバナも含まれていました。 (フィールドガイド『日本のチョウ』p82より) 


関連記事(13,17年前の撮影)▶  

2026/06/25

タヌキが越冬する林内の巣穴に立ち寄る雪国のホンドギツネ:3月中旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2025年3月中旬 

シーン0:3/10・午後16:40・晴れ・気温13℃(@0:00〜) 
雪国の二次林で、ホンドタヌキが越冬する巣穴を自動撮影カメラ2台で見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 

ホンドギツネVulpes vulpes japonica)の登場シーンを以下にまとめます。

シーン1:3/15・午後17:16・くもり・気温5℃(@0:03〜) 
夕方に右奥からセットにやって来たフサ尾のキツネが、巣口Rの手前で立ち止まって顔を上げ、風の匂いを嗅いでいました。 
カメラ目線ではなく、右奥の林内を凝視警戒しています。 
巣口Rには近寄らず、奥の林内へ向かいました。 
気温が高いのに、キツネが歩いても雪面に足があまり潜っていません。 

シーン2:3/15・午後17:16・くもり・気温4℃(@1:03〜) 
別アングルで設置した監視カメラでも撮れていました。 

シーン3:3/20・午後21:09・気温-2℃(@1:39〜) 
5日後の晩に、右奥の暗い林内を足早に立ち去るキツネの後ろ姿がチラッと写っていました。 
タヌキの営巣地には立ち寄りませんでした。 

シーン4:3/31・午前11:48・くもり・気温-2℃(@1:46〜) 
ようやく雪解けが進み、巣口Rの周辺および樹々の根回りで地面が露出しています。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

シダレザクラの樹上で相互羽繕いするキジバト♀♂(冬の野鳥)

 

2025年3月中旬・午後13:15頃・雨天 

民家の庭でシダレザクラ(枝垂桜)のやや太い横枝にキジバト♀♂(Streptopelia orientalis)が仲良く並んで留まっています。 
雨(みぞれ?)が降っているのに雨宿りをしないのは、羽根に撥水性があるからです。 
そのためには、日頃の手入れ(羽繕い)が欠かせません。 
尾脂腺から分泌される油分を嘴で羽根に塗り拡げているのです。
ときどき身震いして、雨で濡れた羽根の水気を切ります。 

途中からはパートナーに寄り添って、甲斐甲斐しく相手の羽繕いをし始めました。 
もしかすると、ビリング(キス)かもしれません。 

スズメPasser montanus)の群れも同じ止まり木に集まっているようで、賑やかに鳴き交わす声が近くから聞こえます。 

やがて、隠し撮りしている私の存在がバレたようです。
警戒したキジバトの♀♂カップルは、枝伝いに歩いたり少し飛んだりして移動し、死角に隠れてしまいました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。

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