2025/12/15

山中の湿地帯で水を飲み採食するニホンイノシシの母子【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年9月下旬・午後19:00頃・気温17℃

山中の湿地帯で水溜りSを自動センサーカメラで見張っていると、秋のある晩、ニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の母子がやって来ました。 

まず左から来た成獣が、水溜りSの水面に口を付けて泥水を飲み始めました。 
その後は湿地性の草むらで下草の根際を鼻面で探りながら採食しています。 
画面の右上奥にあるもう一つの水溜りNに向かったようですが、トレイルカメラが照射する赤外線が届かない距離で暗いです。 

しばらくすると、左から後続の個体が登場しました。 
暗くてよく見えませんが、どうやら幼獣(ウリ坊?) のようです。 
イノシシ幼獣は手前の泥水溜りSには立ち寄らず、採食しながら母親♀を追って右奥へ向かいました。 


※ イノシシが水を飲む音や泥濘を歩く音などが聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

秋空を高速で飛び去るチゴハヤブサ?(野鳥)

 




2024年9月中旬・午後12:15頃・くもり 

田園地帯の上空をキィキィキィ♪と甲高い声で鳴きながら旋回していた猛禽が、街なかの方へ高速で飛び去りました。 
素早い羽ばたきと滑翔を交互に繰り返し、ほぼ一直線で市街地の方へ向かっています。 
獲物となるドバトが多い公園を目指しているのかもしれません。

1.5倍に拡大した上で、1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:18〜) 
おそらくチゴハヤブサFalco subbuteo)だと思うのですが、逆光でシルエットしか見えません。 
(翼の下面の模様などがしっかり見えない。) 


※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げても、私が動画を撮り始めたら、もう鳴かなくなってしまいました。(聞き取れなくなった。) 

2025/12/14

岩塩を舐めるヤギ♀

 

2024年9月下旬・午前10:35頃・雨

乳用のヤギ(山羊)Capra hircus)を飼っている厩舎を見学させてもらったついでに、岩塩を舐めるかどうか実験してみました。 

まずは左の囲いに居る個体Lで試します。 
ピンク色のヒマラヤ岩塩の塊を手のひらに乗せて差し出しても、♀Lは匂いを嗅ぐだけで、味見をしようともしませんでした。 
次に右の囲いに居る個体Rで試します。 
すると早速、岩塩を舐めてくれました。 
塩味が気に入ってくれて、熱心にペロペロと舐め続けます。 
掌に感じるヤギの舌の感触は、柔らかくて温かかみを感じました。
しまいには岩塩を口でカプッと咥えて私から取り上げてしまいました。 
(ヤギRが敷き藁に落とした岩塩を急いで取り返しました。) 

念のために、左の個体Lにしつこくもう一度岩塩を差し出してみたら、柵から離れて奥へ逃げてしまいました。 
仲間が舐めた唾液の匂いがあれば安心するかと思いきや、警戒を解いてくれません。 
この個体Lは、完全に食わず嫌いです。
次に右の個体Rに岩塩を与えると、すぐにまた舐めてくれました。 
よほど気に入ってくれたようです。 

 

【考察】 
岩塩を与えてみた2頭は乳用ヤギのザーネン品種です。
顎髭は生えているのに、頭部に角が生えていないことから、若い個体のようです。
同腹の姉妹だと思うのですが、ヤギにも好奇心や警戒心に個体差があることがよく分かります。 

いつか機会があれば、ウシやウマなど他の草食動物の家畜でも塩を舐める様子を観察してみるつもりです。
Perplexity AIによる解説を抜粋しておきます。 

馬や牛を飼育する際、餌以外に塩を与えることは一般的です。hts-saltworld.sakura

馬への塩補給

馬は汗で大量の塩分(ナトリウム)を失うため、特に運動時や夏季に塩が必要で、飼料に0.5-1.0%を加えたり、自由に舐められる塩塊を与えます。塩不足は食欲低下、成長不良、毛並みの悪化を引き起こします。jra-f+2

牛への塩補給

牛も草中心の飼料では塩分が不足しやすく、肉牛や乳牛で0.2-0.25%を飼料に混ぜたり、固形塩を設置して舐めさせます。不足時は土や他の牛を舐める兆候が見られ、生産性低下や死亡リスクが高まります。youtubesummit-agri+1

塩補給は体液バランス維持や消化促進に不可欠で、ミネラル強化塩を使うのが推奨されます。hts-saltworld.sakura

最近、ニホンカモシカの通り道(山林の溜め糞場sr2)に岩塩(ヒマラヤ岩塩のプレート)を置いて野生動物のための塩場を作り、自動撮影カメラで見張っています。 
大町山岳博物館『カモシカ:氷河期を生きた動物』という本を読んでいたら、カモシカ類と塩場のことが書いてあったので、私もやってみようと思い立ったのです。
・カモシカの生息地のソートリック(salt lick; 塩舐め場)に似せて、飼育場内の岩の割れ目に岩塩をなすりこんでおいた。(p140より引用)
シロイワヤギの食性:(前略)好んで谷間の塩なめ場(塩と粘土の混ざった所)を訪れ、鉱物塩を食べる。 (p187より引用)
ターキンの食性:(前略)定期的に塩なめ場を訪れる。 (p197より引用)

ところが実際にやってみると、予想に反してニホンカモシカCapricornis crispus)は岩塩を積極的に舐めてくれませんでした。
今のところ、野生動物で岩塩を気に入ってくれたのはニホンリスSciurus lis)だけ、という意外な結果です。

ちなみに、ニホンカモシカもヤギも同じウシ科の動物です。

ポポーの種子を採る

2024年9月中旬 

ポポーという北米東部原産のエキゾチックな果物を初めて食べてみたら、美味しかったです。
「果実の形がアケビに、果肉の色や味、質感がカキノキに似るためアケビガキとも呼ばれる」とのことで、まさにその通りでした。 

熟した液果の甘い果肉を食べながら選り分けた黒い大きな種子を水洗いしてから乾かし、資料用の標本として保存します。 
黒光りする平べったい種子で、形はまちまちでした。

ポポーの種子散布は、哺乳類による被食型動物散布と予想されます。 
原産国では木登りの得意なオポッサムやアライグマがポポーの果実を食べ、種子散布を担っているのだそうです。
日本で外来植物のポポーを大規模に栽培したとして、種子散布者の候補としては、木登りできるニホンザル、ホンドテン、ハクビシンなどが考えられます。 
もしもポポーの落果をホンドタヌキが拾い食いしたら、溜め糞場に未消化の種子が出てくるかもしれません。 

関連記事のまとめ ▶ 植物の種子コレクション

リョウブの花で採餌するトラマルハナバチ♀

 

2022年8月中旬・午前10:30・くもり 

里山に咲いたリョウブトラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。 
器用に左前脚一本で花にぶら下がったまま、身繕いしています。 
体毛に付着した花粉を後脚の花粉籠にまとめているのです。 
化粧が済むと、正当訪花で吸蜜し始めました。 

周囲ではエゾゼミ♂(Lyristes japonicus)が単調にジーーー♪と鳴いています。 


関連記事(9年前の撮影)▶ リョウブに訪花吸蜜するトラマルハナバチ♀

2025/12/13

アナグマの空き巣で秋の夜明け前に餌を探し歩くホンドタヌキのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶ アナグマの営巣地を1〜3頭で昼夜うろつくホンドタヌキ:9月上旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】 


2024年9月下旬

シーン0:9/24・午後13:16・晴れ・気温29℃(@0:00〜) 
シーン0:9/24・午後13:47・晴れ・気温30℃(@0:03〜) 
平地の二次林にあるニホンアナグマの営巣地(セット)を2台の自動撮影カメラで見張っています。 


シーン1:9/25・午前4:56・気温9℃(@0:05〜) ・日の出時刻は午前5:26
夜明け前に左からホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が立ち止まって地面の匂いを嗅ぎ、何かを食べています。 
虫を捕食したのかな? 
まさか以前、私が置いたバナナを今頃になって食べたのでしょうか? 



シーン2:9/25・午前4:59・気温10℃(@1:05〜)
別アングルの監視カメラで続きが撮れていました。 
セットをうろつくタヌキがアナグマの巣口Rを覗き込み、カマドウマなど穴居性の小さな昆虫を捕食しようとしています。 
いつの間にか別個体のタヌキがアナグマの空き巣Rに潜り込んでいたようで、その個体が外に出てきて身震いしました。 
おそらく♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが一緒に来ていたのです。 


シーン3:9/25・午前5:00(@2:05〜)
2頭のタヌキは左右に分かれて、餌を探し歩き始めました。 
落ち葉の下に隠れた虫を狩ろうとしています。 
左手前で林床の獣道に落ちていた小枝(短い落枝)をひたすらしがんでいるタヌキがいます。 
1.5倍に拡大した上でリプレイしても(@3:05〜)、古いバナナ果実には見えません。 


シーン4:9/25・午前5:03(@3:52〜)
2頭のタヌキがアナグマの巣口L付近で合流して、探餌徘徊しています。 
1頭が巣口Lに上半身を突っ込んで調べてから、右に立ち去りました。 
パートナーも巣口Lで何か虫を捕食してから、右へ向かいます。 


シーン5:9/25・午前5:03(@4:52〜) 
別アングルの監視映像でも撮れていました。 
2台のトレイルカメラが同時に起動すると、赤外線LEDによる光量が倍になって、セットがより明るく照らされます。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その3)ザトウムシの歩脚を捕獲

前回の記事:▶  


2024年9月下旬 

平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)を見張るために設置したトレイルカメラに夜な夜な歩脚の長いザトウムシが写り込んで撮影の邪魔をするので、困っています。
ザトウムシがカメラに近づけないように、粘着トラップを試しています。 
幅5cmのガムテープを裏返して(粘着面を上にして)トレイルカメラの近くに結界のように貼ったのです。
ゴキブリホイホイなど、害虫駆除でよく使われる手法を応用しました。 
おかげでトレイルカメラにお邪魔虫のザトウムシは、ほとんど写らなくなりました。 


9月下旬に定期点検のために現場入りすると、監視カメラwを固定した灌木の上側に巻いた粘着テープに、黒くて細長い糸くずのような物が大量に付着していました。 
粘着トラップの上にうっかり踏み込んでしまったザトウムシの一種が身動きできなくなり、脱出するために歩脚を自切したようです。 
自切した歩脚は、次に脱皮する際に再生するのだそうです。 
しかし、複数の歩脚を一度に失った個体はかなりダメージが大きいはずです。
ザトウムシが粘着トラップから脱出できたかどうか、本当のところは分かりません。
もしかすると、粘着トラップに足止めされたザトウムシを鳥が捕食した結果、歩脚だけが残されたのかもしれません。

ザトウムシの接近を粘着テープで阻止した、という物的証拠がようやく得られました。 
専門家に見せれば、残された歩脚だけからザトウムシの種類を同定できるのでしょうか? 
ザトウムシの形態分類学に疎い素人でも、試料からDNAを抽出して種類を突き止めることができるかもしれません。(DNAバーコーディング) 
トレイルカメラを挟んで幹の上と下に粘着テープを巻いておいたのですが、不思議なことに下側のテープにはほとんど何も付いていません。 
この事実を素直に解釈すれば、ザトウムシは地上から登って来るのではなくて、木の上から幹を伝って降りて来たという意外な解釈になります。 
ただし、下側に巻いたテープだけ粘着性が失われていてザトウムシが無事に通過できた、という可能性もあるので、結論を出すのは保留にしてあります。 

トレイルカメラの上下ともに、新しいガムテープに張り替えて帰りました。 


つづく→


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胞子を放出するエリマキツチグリ【キノコ】

 

2024年9月上旬・午後13:25・くもり 

里山の林道脇のスギの根元にエリマキツチグリの群落が生えていました。 
小枝の先で片っ端からつついてみると、中央の穴から勢い良く胞子が噴出し、風で飛散します。 
ただし、なぜか胞子が出ないキノコもありました。 
まだ充分に成熟していないのか、それとも胞子を放出済みのキノコだったのかな?

胞子の放出シーンをハイスピード動画でも撮ってみたかったのですが、スギ林床は光量不足(薄暗い)のため、諦めました。 

自然界では、林床を歩き回る野生動物が踏んだり、雨粒や落枝が落ちてぶつかることで、エリマキツチグリの胞子が放出されるのでしょう。


関連記事(12、14年前の撮影)▶  


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2025/12/12

角に植物をぶら下げたホンシュウジカ♂が水場で飲み食い@山形県【トレイルカメラ】

 

2024年9月下旬・午後17:15頃・気温18℃・日の入り時刻は午後17:34 

山中の少し開けた湿地帯にある水溜りSに自動撮影カメラを仕掛けて水場に来る野生動物を見張っています。 

薄暗い夕方にホンシュウジカ♂(Cervus nippon centralis)がやって来ました。 
頭を下げて泥水を飲んでいます。 
立派な角に緑の蔓植物(種名不詳)が絡みついていました。 
その角で浅い水溜まりの底を引っ掻いて、ゴミを取り除こうとしているようですが、全ては取り切れず、泥で汚れただけです。 

次にホンシュウジカ♂は、池畔に生えた幼木(樹種不明:落葉性広葉樹)の葉をむしゃむしゃと食べました。 
画面の左手前にそびえ立つホオノキの幹に鼻を寄せると、監視カメラの前を右に横切りました。 

※ 水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
これほど鮮明にニホンジカが撮れたのは初めてで、嬉しい収穫です。 
旧機種のトレイルカメラは昼間でもフルカラーで撮れなかったのですが、今回は新機種を使ってしっかり総天然色で録画できて感無量です。 

関連記事(2、3年前の撮影)▶  


当地は山形県で日本海側の多雪地帯です。 
ニホンカモシカと違い、雪の下に埋もれた餌を食べられないホンシュウジカは、越冬することができません。 
雪がない時期でも個体数がとても少なく、トレイルカメラでもごくまれに(散発的に)写るだけです。 
しかし近年の急激な温暖化で、分布の空白地帯である山形県に再び進出しつつあります。 

ホンシュウジカの採食シーンが撮れたのは初めてです。
ニホンカモシカは主に木の葉を食べ、ホンシュウジカは主に草を食べることでニッチを棲み分けている、というのが定説です。
ところが、いきなり例外的にシカが木の葉を食べるシーンが撮れてしまいました。

ホンシュウジカ♂が角で水溜りの底を引っ掻いた行動が気になり、Perplexity AIに相談してみました。 
回答の日本語がこなれていなくて、読みにくいですね。

Q1: 立派な角に蔓植物をぶら下げていた。これは意図的に角を装飾して♀にアピールする意図があったりするのだろうか? 

A1:

ホンシュウジカのオスが9月下旬にトレイルカメラで撮影された立派な角に蔓植物がぶら下がっていた場合、これは意図的な♀へのアピールというより、主に繁殖期(rut)の行動「thrashing(角を木や草に激しくこすりつける)」の結果として植物が絡まる偶然の現象です。inphotos+1

関連行動の概要

Thrashingは夏の終わりから秋にかけて、オスの角からベルベット(産毛)を剥がし、眼窩腺などの匂い腺で分泌物を植物に塗布して縄張りを主張する行動で、角に草木が引っかかりやすいです。 この時期のホンシュウジカオスは角を木や低木に擦りつけ、力強さを示しつつメスを引きつけたりオス同士で優位性を競いますが、植物の装飾自体が♀アピールの主目的ではありません。 アークティックワンバトゥル(ヘラジカ)など一部の鹿科ではrut中に意図的に植物を角に飾る例が見られますが、ホンシュウジカ特有の科学的報告は確認されていません。japannatureguides+5

9月下旬の文脈

9月下旬はホンシュウジカの繁殖期直前またはピークで、角が完全に硬化し、こうした行動が活発化します。 蔓植物がぶら下がったままの姿は視覚的に目立つものの、♀への直接的な求愛シグナルではなく、縄張り主張や競争の副産物と考えられます。 トレイルカメラ観察ではこうした画像がよく記録され、野生の行動パターンを示す好例です。lfs-resources.eu-west-2.amazonaws+2



Q2: その♂個体は、水溜りで少し水を飲んでから、角で浅い水溜りの底を引っ掻いた。角に付着した蔓植物を落とそうとしたのかと思ったが、落ちずに泥水で汚れただけでした。これもthrashing行動なのか? 

A2: 

ホンシュウジカのオスが水溜りで水を飲み、角で底を引っ掻いた行動は、thrashingの典型例ではなく、主に「wallowing(泥浴び)」の変形または角の清掃・マーキングの可能性が高いです。misatosys+1

行動の解釈

Thrashingは主に木の幹や低木に角を激しくこすりつけてベルベットを剥がし、眼窩腺の匂いを残す繁殖期の縄張り主張行動で、水溜り底の浅い引っ掻きとは異なります。 水溜りでの行動は、泥浴び(体や角を泥で覆う)で体臭を抑え寄生虫を除去したり、角の泥付けで保護・マーキングするもので、蔓植物を落とす意図があったとしても副次的な結果です。 繁殖期のオスはこうした多様な摩擦行動で視覚・臭気シグナルを強化しますが、植物が落ちず泥で汚れたのは偶然です。fws+2

観察文脈

9月下旬のトレイルカメラ映像では、角硬化後のこうした行動が頻発し、泥水付着は角の状態を示す自然な副産物です。 ホンシュウジカのフィールド観察で類似例が報告されており、求愛より生理的・縄張り維持の側面が強いと考えられます。yumemizoo+2

ホンシュウジカのオスが水溜りで角を引っ掻き、幼木の葉を少し食べて立ち去った行動は、繁殖期のイライラ(テストステロン上昇による興奮状態)を反映した断続的なマーキング試みで、本格的な泥浴びに至らなかったのは環境要因や一時的な欲求不満の可能性が高いです。instagram+1

行動パターンの解釈

繁殖期のオスはrutのプレ期に頻繁に水溜りや木をチェックし、泥浴び・thrashingを試みますが、泥の質や周囲の安全で中断し、葉食でストレスを紛らわせる例が観察されます。 イライラ印象はオス同士競争前の警戒・縄張り確認行動で、角の蔓植物が残ったままの状態はマーキング優先の証です。 トレイルカメラではこうした「未完行動」が多く、全体の行動サイクルを示します。naradeer+4

フィールド観察の示唆

9月下旬のこのような断片的行動は、ホンシュウジカの求愛準備段階で、近くにメスやライバルがいると本格化しやすいです。 幼木葉食は栄養補給か時間つぶしで、イノシシのような全身泥浴びより選択的です。 継続観察でヌタ場形成や完全泥浴びを捉えられるでしょう。ihatovnote.exblog+3

Q3: ホンシュウジカの泥浴び行動について詳しく教えて。イノシシのヌタ打ちのように全身を泥水に浸すのではなく、角を泥に浸すだけなのか? 今回は結局、本格的な泥浴びはしませんでした。

A3: 

ホンシュウジカの泥浴び(ヌタうち)は、主に繁殖期のオスが水溜まりや泥地に座り込み、尿を混ぜた泥を首・体・角にこすりつける行動で、イノシシの全身泥浴びのように体を完全に浸すわけではなく、部分的な摩擦が中心です。ihatovnote.exblog+1

行動の詳細

オスは水溜まりに放尿して泥を練り、座って首周りや腹部、時には角に塗布し、フェロモン強化でメス吸引やオス威嚇に用います。 角を泥に浸す・こすりつけるのはthrashingの延長でベルベット除去やマーキングを兼ね、蔓植物除去の副次的効果が生じる場合もありますが、全身浸漬は稀で前足による「泥かき」(シカ穴形成)が伴います。 ヌタ場は繰り返し使用され、毛や匂いが残る痕跡として観察可能です。facebook+4

イノシシとの違い

イノシシのヌタ打ちは寄生虫除去・体温調整目的で全身を泥に転がすのに対し、ホンシュウジカのそれは繁殖期特化の臭気シグナル行動で、首・角中心の局所的です。 9月下旬のトレイルカメラ観察のように、角限定の引っ掻きは泥浴びの初期段階やマーキング変形で、求愛強化の文脈が強いです。instagram+3



つづく→ 


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オカウコギの枝に形成された虫こぶ:ウコギハグキツトフシ

2024年9月下旬・午後 

河畔林を探索していたら、気になる虫こぶを見つけました。 
まずは樹種を調べないといけません。
ヒメウコギの灌木かと思いきや、枝にトゲがない点が気になります。 
Google Geminiに画像認識してもらうと、在来種のオカウコギだろうと教えてもらいいました。 

Q: 9月下旬に山形県の河畔林で撮った幼木(低木)の写真です。この樹種の名前を知りたい。素人目にはウコギと似ていると思ったのですが、枝に棘はありませんでした。 

A: 写っている植物は、トゲがないという特徴からオカウコギの可能性が高いと考えられます。 オカウコギはウコギ科ウコギ属の落葉低木で、以下のような特徴があります。 葉: 掌状複葉で、通常5枚の小葉からなります。小葉の先端半分には粗い鋸歯(ぎざぎざ)があり、これがヤマウコギとの区別点の一つとされています。 棘: 枝には通常、太い棘がありますが、個体や生育環境によっては棘がない場合もあります。ご指摘の通り棘がない個体も存在します。 分布: 日本の本州(東北以南)、四国、九州などの丘陵や山地の林内、河畔林などに自生します。山形県南部での発見は分布域と一致します。 利用: 新芽は山菜として食用にされ、古くから垣根としても利用されてきました。 類似する樹種にはヤマウコギやヒメウコギなどがありますが、葉の鋸歯の形状や花の色の違いなどで区別されます。 


謎の虫こぶ(虫えい、ゴール)の特徴を書き出してみると、こんな感じです。 
形成場所: オカウコギ?の新梢(樹皮が緑色の若い横枝)。 
形状: 不定形で歪なこぶ状。 
色: 緑色。 


虫こぶハンドブック』で調べてみると、ウコギハグキツトフシだろうと分かりました。
形成者: ウコギトガリキジラミ Trioza ukogi 
形状: 葉柄や小葉の基部、ときに花柄や果実に形成される閉鎖型の虫えい。表面平滑で緑〜黄緑色。内部に1〜数個の虫室がある。1虫室1幼虫 
生活史: 成虫で越冬し、春に枝に産卵。幼虫が葉柄などに定位し、虫えいが形成される。2齢で越夏し、秋から急に成長が進み、10月に虫えいが裂開し羽化。  (p52 より引用)
「ウコギハグキツトフシ」とは呪文のような長い名前ですが、虫こぶ(ゴール)の和名の命名規則は分かりやすくできています。
**「宿主植物名」+「形成部位(葉・実など)」+「形状・特徴(フシ、タマ、ツボなど)」+「フシ(こぶ)」**という構成が基本で、これによって虫こぶの見た目や寄生場所が分かるように名付けられています。
つまり、「ウコギハグキツトフシ」をあえて漢字で書けば「五加木・葉茎苞・付子 」となります。
「ウコギ歯茎ツトフシ」ではありません。


ウコギトガリキジラミの詳しい生活史について、Gemini AIに質問してみました。

ウコギトガリキジラミの詳しい生活史はあまり多くの情報源で詳細に解説されていませんが、いくつかの生態的特徴が知られています。 越冬 ウコギトガリキジラミは、ウコギの葉柄や小葉の基部に形成した虫こぶ(ウコギハグキツトフシ)の中で幼虫として越冬します。 羽化と産卵 羽化のシーズンは地域によって異なりますが、日本では10月中旬ごろに虫こぶから羽化して成虫になると予想されています。 成虫は羽化後、次の世代の産卵のために活動します。 サイクル 成虫は冬を越し、翌春にウコギの新芽に産卵すると考えられます。 孵化した幼虫は、吸汁しながら植物組織の異常成長を誘導し、夏から秋にかけて虫こぶを形成・成長させます。 そして秋になると虫こぶの中で成長した幼虫が成虫へと羽化し、このサイクルを繰り返します。 成虫の翅(はね)には、トガリキジラミ科特有の翅脈のパターンがあります。虫こぶを作るキジラミは成虫を見つけるのが難しいことが多いため、羽化時期に虫こぶを採取して観察ケースに入れると、成虫を確認できる可能性が高まります。 

【参考サイト】 ウコギトガリキジラミ 五加尖木虱 by yamasanae さん


私もその場で虫こぶを切開してみて、中を調べるべきでしたね。
成虫が羽化するには、時期がまだ少し早かったようです。


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クサネムの花で吸蜜するキタキチョウ

 

2024年9月上旬・午前10:45頃・晴れ 

田んぼの畦道に咲いたクサネムの群落でキタキチョウEurema mandarina)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じたまま、蝶形花に口吻を伸ばして吸蜜しています。 
少し飛んで別の花へ移動しました。 
翅裏の斑点が薄いのは、陽射しが強くて白飛び気味だからでしょう。 
マメ科のクサネムはキタキチョウ幼虫の食草ですが、私にはこの成虫個体の性別を見分けられませんでした。 



クサネムには花が咲いているだけでなく、実(豆果・せっか)も付いています。

2025/12/11

アナグマの巣口を塞いでいた落枝を取り除くホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2024年9月下旬・午前6:15頃・気温20℃・日の出時刻は午前5:29 

夜が明けたはずなのに、平地の二次林内にあるニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)はまだ暗いです。 
アナグマが留守中にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)のペアが早朝からやって来て、2つあるアナグマの巣口L、Rをそれぞれが調べていました。 
やがて巣口Rで2頭のタヌキが合流しました。 

パートナーが巣穴Rを内検している間に、巣口Rを塞ぐ邪魔な落枝を咥えて少し横にどかしました。 
その物音に驚いて、入巣Rしかけた個体は慌てて後退して、外に出て来てしまいました。 
「なんだよ、びっくりさせんじゃねーよ!」と言ってそうです。 
お詫びとして、首筋を対他毛繕いしています。 


【考察】
アナグマの巣口にある邪魔な落枝は、防犯のために(侵入者を防ぐために)放置してあるのではないかと私は疑っています。
ただし、アナグマが意図的に障害物を巣口に設置したシーンを私は観察できていません。

その戸締まりをタヌキが解除したことになります。
アナグマ家族が出ていった後、タヌキのペアが巣穴を乗っ取るのでしょうか?



つづく→

ブタナの落花をうっかり踏んづけてしまって驚くドバト(野鳥)

 


2024年7月下旬・午後14:05頃・晴れ 

河川敷の橋の下で、♀♂つがいと思われる2羽のカワラバト(=ドバト;Columba livia)が、互いに少し離れて別々に餌を探し歩いていました。 
ヒトが草刈りした後の干し草に興味を示したものの、種子食性の鳩が好きな草の実は含まれていなかったようで、離れて行きました。
コンクリートで固められた路上を歩きながら、あちこちに落ちている草の実を啄んでいます。 

やがて、路上に落ちていたブタナの頭花(落花)を左足でうっかり踏んずけてしまい、その感触に驚いて飛び退きました。(@1:00〜) 
足元をよく見て歩いていなかったようです。 
自業自得と言うほどでもありませんが、なんとも滑稽で微笑ましい光景でした。
警戒を解くと、探餌を再開します。 

パートナーと思われる右の個体は、胸の羽毛を嘴で整え始めました。
尾脂腺の脂を羽根に塗りつけて、撥水性を保っています。 


【アフィリエイト】 

2025/12/10

夜中にアカマツの木に登ってトレイルカメラの匂いを嗅ぐツキノワグマ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年9月中旬・午後23:55頃 

里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカの溜め糞場sr2を自動センサーカメラで見張っていると、真夜中にツキノワグマUrsus thibetanus)が登場しました。 
獣道を右から降りてきたクマは、岩塩プレートの直下でミズナラの根元や落ち葉の匂いを嗅いでいました。 
昼間に通ってくるニホンリスの残り香が気になるのかな? 
塩水で濡れた落ち葉を舐めたら塩分摂取できるのに、味見しない限り暗闇では気づけないでしょう。 
私が撮影しやすいように岩塩プレートを前面にずらしたので、裏から来るクマは気がつきません。 

ゆっくりノソノソと左下手前へ歩いてきたツキノワグマが監視カメラをちらっと見上げました。 
林床で立ち止まって何かしています。 
カメラを固定してあるアカマツの木に登り始めたようで、上から樹皮が剥がれ落ちるのが写っていました。 
クマがトレイルカメラの匂いを嗅いだ鼻息が聞こえ、暖かい鼻息でレンズが少しくもりました。 
今回もクマにトレイルカメラを壊されずに済んで、助かりました。 



※ クマの鼻息が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→

リョウブの花で見張りクマバチを縄張りから追い払うキアゲハ夏型♂

 

2024年7月中旬・午後14:05頃・晴れ 

尾根道に咲いたリョウブキアゲハPapilio machaon hippocrates)の夏型♂が訪花していました。 
リョウブの花蜜を吸っているのかと思いきや、よく見ると口吻を伸ばしていませんでした。 
翅を半開きのまま静止しています。 
日が射すとようやく翅を全開にしてくれて、翅表の斑紋からキアゲハの夏型♂と同定できました。 

このキアゲハ♂は尾根道に咲いたリョウブの花を見張り場所として、交尾相手の♀が来るのを待ち構えているようです。 
キアゲハの成虫は交尾のため山頂に集まることが知られていますが、この里山はすっきりと目立つ山頂を形成しないので、尾根に集まるようです。
上空を何か虫が飛来するとキアゲハ♂は見張り場所からすぐに飛び立って追いかけるので、一見すると好戦的に縄張りを防衛している(占有行動)ようです。
しかし実は目の識別能力があまり高くなくて、誤認求愛で追いかけ回しているだけなのだそうです。 
キアゲハ♂は尾根道に沿って何度も往復すると、同じリョウブの花に舞い戻ってきます。 
このような行動は、縄張り防衛のためチョウが蝶道を形成しているのだと説明されてきましたが、それも誤認求愛による追尾の結果かもしれません。 

一方、キムネクマバチXylocopa appendiculata circumvolans)の雄蜂♂もリョウブの花の近くで縄張りを張り、停空飛翔(ホバリング)していました。 
クマバチ♂の目的も同じで、蜜源植物の近くの空域で縄張りを張り、交尾相手のクマバチ♀を待ち構えているのです。 
クマバチの交尾は早い者勝ちのため、近くを飛ぶ物にとにかく早く飛びつくのが肝心で、相手をじっくり見分けている暇はありません。 
石ころを投げつけても誤認してクマバチ♂は全速力で追いかけて行くぐらい慌てものです。 


この2種がリョウブの花の近くで出会うと、キアゲハ♂が見張り場所から飛び立ち、クマバチを追い払いました。 

リョウブの花から飛び立ったキアゲハ♂が蝶道を何度か往復してから同じ見張り場所に戻ってくる様子を証拠映像に撮りたかったのですが、予想が外れ、なぜか戻って来ませんでした。 
うーん、生き物の観察はなかなか思い通りに行きません。


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2025/12/09

アナグマの営巣地を1〜3頭で昼夜うろつくホンドタヌキ:9月上旬〜下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年9月上旬〜中旬〜下旬 

シーン0:9/3(@0:00〜) 
平地の二次林で営巣するニホンアナグマ(Meles anakuma)の巣穴を2台の自動センサーカメラで見張っています。 
近所のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が往来する様子を以下にまとめました。 


シーン1:9/6(@0:05〜) 

シーン2:9/7(@0:29〜) 

シーン3:9/11(@1:29〜) 

シーン4:9/13(@1:39〜) 

シーン5:9/14(@3:45〜) 

シーン6:9/19(@4:01〜) 

シーン7:9/21(@4:17〜) 

シーン8:9/22 (@5:49〜) 

シーン9:9/23 (@7:43〜) 

シーン10:9/24 (@9:34〜) 
未明に単独で来たタヌキがクゥーン♪と甲高く鳴きました。(@10:15、10:52〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


ときどき空き巣に潜り込むのは、おそらくカマドウマなど穴居性の虫を捕食しているのでしょう。 


ザクロの果実を食べかけで捨てたのは誰のしわざ?【フィールドサイン】


2024年9月下旬・午後14:00頃・くもり 

山麓を流れる水路沿いの小径にザクロの果実が落ちて粉々に割れていました。 
周囲にザクロの木は生えていません。
近所の民家の庭木から何者かが果実を持ち去り、少し味見してから捨てたようです。 
私が真っ先に疑ったのはニホンザルです。
山里に頻繁に出没する猿たちの食べ残しだろうと予想しました。
「ニホンザル採食植物リスト」のPDFを参照すると、ザクロが含まれていました。
三戸幸久. ニホンザル採食植物リスト. Asian paleoprimatology, 2002, 2: 89-113.
ただし、食べたのが果実なのか葉なのか肝心の情報が記述されていません。
元の文献は、金森研究室『愛知県内のニホンザルの現状(1990)』とのことですが、原典まで辿り着けませんでしt。


最近になって、ツキノワグマの可能性もあると知りました。 


庭に植栽されたザクロの木をトレイルカメラで監視して、秋に果実を食べに来る野鳥や野生動物の証拠映像を撮ってみたいものです。
テンやハクビシンなども怪しいと睨んでいます。
また、ザクロは鳥媒花らしいので、初夏に咲く花でヒヨドリやメジロなどの鳥が吸蜜する代わりに授粉を媒介する様子も観察してみたいものです。


【考察】
いつものように、Perplexity AIに謎解きのブレインストーミングの相手になってもらいました。
ザクロは中東から西南アジアを原産国とする外来種で、日本の山林には自生しません。

ザクロの果実は厳密には典型的な漿果ではないものの、液果状の特異な多肉果なのだそうです。
果実の外側は厚く比較的硬い外果皮(革質)で覆われ、その内部に多数の種子が詰まり、それぞれが多汁な仮種皮(sarcotesta)に包まれています。​
このように「果皮の一部が多汁で、種子周囲が食用となる」という点で、広義の液果=多肉果の一種と扱われ、「液果状」と表現されることが多いです。

ザクロの種子は動物散布(被食散布)が主な散布様式と考えられます。
たとえ鳥や獣に果実を食べられなかったとしても、ザクロの母樹から運ばれて遠くに捨てられた今回の事例は、動物散布型の種子散布に半ば成功しているとみなせます。





↑【おまけの動画】
「シマリスがザクロを食す/Chipmunk is eating a pomegranate」 by Bikke the chip シマリスと暮らす さん 

私が期待したような野生シマリスの生態動画ではなく、飼育個体にザクロの実を給餌した様子を撮った映像でした。
本州にシマリスは生息しませんが、ニホンリスが山里の庭まで降りてきてザクロを食べていたら面白いですね。
リスがザクロの果実を丸ごと持ち去って貯食するのは、重すぎて無理な気がします。
そもそも、長期保存の可能な堅果しかリスは貯食しないはずです。


 

↑「ザクロとメジロ (4K) / pomegranate and Japanese White-eye」by 1890 atrsさん 

野鳥のメジロが開裂した果実から多汁な果肉(ではなく正確には仮種皮)に包まれた種子を嘴で1粒ずつ取り出して、次々と丸呑みしています。 
しかしザクロの果実を丸ごと咥えて運ぶのは、重過ぎて非力なメジロには無理でしょう。 
ヒヨドリも果実食性ですが、体格が中型なのでザクロの小さな実しか運べないはずです。 



 

 ↑「ヒヨドリとザクロの実 秋冬 かわいい 好物 庭に来る野鳥 茶色のほっぺ 定点カメラ 留鳥 bulbul and pomegranate」 by ふわはるな さん 

開裂したザクロの果実を庭で給餌した様子を定点カメラで撮影しておられます。
ヒヨドリはメジロと同様にザクロの種子を1個ずつ食べている(丸呑み)だけで、果実を丸ごと持ち去ろうとはしていません。

ヒヨドリよりも大型のカラスなら、ザクロの果実を丸ごと咥えて運ぶのも可能かもしれません。



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水溜りに顔を浸して水中も探索するヤマカガシ

 



2024年9月上旬・午後12:55頃・晴れ 

山中の浅い水溜りに入り浸るヤマカガシRhabdophis tigrinus)をしばらく観察していると、とても興味深い行動が見られました。 
それまでは水面から少し上に顔がくるように軽く鎌首をもたげて蛇行していたのに、頭を下げて喉(顎の下面)を泥に接地させながらあちこち探るような動きを始めたのです。 
このとき、呼吸する鼻の穴は泥の中に潜りましたが、眼球はギリギリ泥水で濡らしませんでした。 


【考察】 
ヘビが水を飲む行動を私はまだ観察したことがないのですけど、今回のような行動ではなく、水面に口を付けて飲むのだそうです。 
頭部も接地して周囲のかすかな振動も検知しようとしているのかな?
Perplexity AIによると、

ヘビには鼓膜はありませんが、「内耳」はしっかり残っており、別の経路で振動=音を感じています。wikipedia+1

鼓膜の有無と耳の構造

  • ヘビは外耳孔・外耳道・鼓膜を欠きます(ここがトカゲなど他の爬虫類と大きく違う点)。exoinfo+1

  • 一方で、内耳(前庭・蝸牛に相当する部分)はよく発達しており、「耳小柱」(哺乳類のアブミ骨に相当)で顎骨などからの振動を受け取ります。mhlw-grants.niph+1

どうやって「聞いている」のか

  • 地面に接した下顎や体全体が振動を受け、それが骨伝導で耳小柱→内耳に伝わることで低周波の振動・音を感知します。ddnavi+2

  • 空気中の音も、人間ほどではないものの、体表に当たる振動としてある程度は検知できるとされます(可聴域は狭い)。signia+1


それとも泥の匂いを直接嗅いで、獲物を探索しているのでしょうか? 

Perplexity AIに質問してみると、以下の回答が得られました。
ヘビについて疎い私は、この回答にAI特有のハルシネーション(知ったかぶり)が含まれているかどうか判断できないので、そのまま引用します。

ヤマカガシが頭を下げて喉(顎の下面)を泥に接地させ、鼻の穴を泥の中に潜らせる行動は、おそらく泥や水の匂いを直接嗅いでいるものである可能性が高いです。ヘビはヤコブソン器官による化学感覚を非常に発達させており、水中や泥中のにおい分子を検出するために、このように鼻を濡れた部分に近づけたり泥に接触させたりすることがあります。

この動きは周囲の振動を検知するためのものではなく、動物が泥水の匂いを集中的に採取していると考えられます。水を飲む際は通常、口を水面につける動作が見られ、鼻を泥に潜らせる行動とは異なります。maff+1

つまり、この行動は泥や水の匂い(化学物質)を直接嗅いで環境や獲物の存在を確認しようとしている探索行動であると考えられます。






ヤマカガシが鼻を泥に潜らせて泥の匂いを積極的に嗅ぐ行動は、端的には「化学探索行動」や「化学感覚探索」と呼べます。この行動は、舌を高速で出し入れして揺り動かすことで「鋤鼻器」(ヤコブソン器官)に空気中の化学物質を送り込み、環境中の匂いを探索していることから、化学的な情報収集のための「探索行動」とされます。

このような行動に特別な単語があるわけではありませんが、生物学や行動学の文脈では「舌フェロモン探索」や単に「フェロモン探索」「化学受容探索」という表現が使われることがあります。

従って、ヤマカガシの鼻を泥に潜らせる行動は「化学探索行動」あり、舌の出し入れと合わせて鋤鼻器を使った嗅覚による周囲環境の調査行動であると理解できます。

水溜りの泥水は濁っていたので、ヤマカガシの水中での舌の動きを観察できませんでした。

泥の中でもヤマカガシは舌を出し入れしていた可能性が高いです。ヤマカガシは鋤鼻器(ヤコブソン器官)を使って化学物質を感知するために、舌を頻繁に出し入れし、口腔内に集めた化学物質を鋤鼻器へ運びます。この行動は泥の中でも変わらず行われ、視覚では見えない状況でも化学感覚を駆使して周囲の情報を得ています。泥の中に鼻の穴を潜らせていても、舌の動作は継続すると考えられ、泥や水中の化学物質を嗅ぎ分けているためです。toho-u

したがって、肉眼では泥に隠れて舌の動きは見えなくても、ヤマカガシは泥の中でも舌を出し入れして探索していると推察されます。


前回の記事で紹介したヤマカガシが水面を舐めてヤコブソン器官に送り込む行動と、今回の記事で扱った水中での探索行動はどう違うのでしょうか?

ヤマカガシが鼻の穴まで泥に潜らせて水底の匂いを積極的に嗅ぐ行動と、舌のフリッキングで水面を軽く舐める行動の違いを整理すると以下のようになります。

  • 鼻の穴を泥に潜らせる行動は、より直接的に「水底や泥中の非揮発性化学物質」を感知するための深くかつ集中的な化学探索行動です。この行動によって、泥や水底に存在する獲物の痕跡や環境中の物理的・化学的サインを詳細に検知し、鋤鼻器に送り込みます。

  • 一方、舌のフリッキングで水面を軽く舐める行動は、「水面上の揮発性または溶存化学物質」を素早く検査するための浅い探索行動であり、幅広い環境情報や獲物・捕食者の匂いなどを素早くキャッチする役割です。

要約すると、鼻穴を泥に潜らせる行動は「局所的かつ詳細な化学物質検知行動」であり、舌を水面に軽く触れさせるフリッキングは「広域的かつ迅速な化学情報収集行動」と言えます。両者は鋤鼻器を用いた化学探索という意味では共通しますが、感知対象となる物質の種類や探索の深度・範囲に違いがあります。

これらの行動は水中環境におけるヤマカガシの柔軟で高度な獲物探索戦術を示しています。



ところで、ウミヘビも海で泳ぎながら絶えず舌を出し入れして、海水中に溶けた匂い分子をヤコブソン器官に送り込んでいるのでしょうか?

ウミヘビも、基本的には他のヘビと同様に水中で舌を出し入れし、その舌に付着した化学物質を鋤鼻器(ヤコブソン器官)に送り込んでいます。水に完全適応した種(セグロウミヘビなど)でも鋤鼻器はよく発達しており、「空気中の匂い分子」ではなく「水中に溶けた化学物質」をサンプリングしていると考えられています。exoinfo+1

水は空気より粘性が高く、匂い分子の拡散様式も異なりますが、アナコンダなど淡水性の水生ヘビでは舌が水中で効率的に機能することが示されており、同様のメカニズムがウミヘビにも当てはまるとみなされています。つまり、ウミヘビは泳ぎながら舌をフリッキングし、水中の化学シグナル(獲物・仲間・環境情報)を鋤鼻器へ運ぶことで「嗅いでいる」と理解するのが妥当です。exoroom+3

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