2025/09/05

コナラの樹液に群がるヨツボシケシキスイ♀♂とスジクワガタ♀

 

2024年6月下旬・午後13:05頃・晴れ 

里山で廃道になった細い山道を辿って下山していると、甘酸っぱい発酵した樹液の芳香を嗅ぎ取りました。 
周囲を見渡すと、山道のすぐ横で樹液酒場を発見。 
幹の下部の傷口(カミキリムシの産卵跡?)から滲み出る樹液が白く泡立っていました。 
樹冠を見上げて葉を確認すると、樹種はコナラでした。 
現場は鬱蒼とした雑木林で、晴れた昼下がりでもかなり薄暗いです。 

コナラの樹液酒場に多数のヨツボシケシキスイLibrodor japonicus)が群がっていました。 
体長はまちまちですが、大きさでヨツボシケシキスイの性別は見分けられません。 
♂の方が♀よりも体長がやや大きい傾向があるものの、必ずしも大きさだけで雌雄の区別はできないらしい。 
ヨツボシケシキスイの性別は大顎の形状で見分けられるそうです。 
発達した大顎が左右非対称なら♂、左右対称の小さな大顎なら♀とのこと。 
大顎の形状に性的二型があるのに、ヨツボシケシキスイの♂同士が大顎を使って戦う様子を私は一度も見たことがありません。 

ヨツボシケシキスイの中には、白っぽい微小なダニ(種名不詳)が鞘翅に多数付着した個体がいました。 
これらのダニは吸血性の体外寄生虫ではなく、ただ便乗(ヒッチハイク)しているだけで無害らしい。 

ヨツボシケシキスイの群れを観察すると、♂らしき大型の個体が♀の背後からマウントしようと試みているようです。 
吸汁に専念したい♀は逃げ回ったり、樹皮の割れ目に隠れたりして交尾拒否していました。 
その横では、いつの間にか交尾を始めていた♀♂ペアもいました。 
求愛が成就する瞬間を見逃してしまったのですが、交尾していた♂は体長が小型だったので、小柄な♂個体も繁殖行動のハンディキャップにはならないようです。 
(ただの早い者勝ちなのかな?) 


クワガタムシの仲間も1匹だけコナラ樹液の発酵臭に誘われて来ていました。 
現場ではてっきりコクワガタ♀(Dorcus rectus rectus)かと思ったのですが、ストロボを焚いて撮った写真を確認すると鞘翅に細かな縦筋があったことからスジクワガタ♀(Dorcus striatipennis striatipennis)と判明しました。 
嬉しくなった私が焦ってクワガタを採集しようとしたら、幹の小坑に潜り込んでしまいました。 


ヨツボシケシキスイ♀♂とスジクワガタ♀以外で樹液酒場に来ていた微小な甲虫やハエ、アリなどの名前は分かりません。 

動画の後半は、コナラ幹の傷口から発酵した樹液がシュワシュワと泡立ちながら滲み出る様子をしばらく撮ってみました。 
三脚を持参していれば、樹液が滲み出る様子とそこに集まる昆虫の動向をタイムラプス動画で記録したいところでした。 


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