2025年6月中旬・午前10:00頃・晴れ
里山(低山)の雑木林を抜ける細い山道で白い蛾がイタヤカエデ幼木の葉に止まっていました。
結構レアな蛾なのに、同種と思われる大小2頭の個体が向かい合って同じ葉に静止しているのが不思議でした。
前翅の前縁だけを互いに接しています。
♀♂ペアが求愛行動の最中なのかと思いきや(まさに「お見合い」?)、全く動かず、交尾には至りませんでした。
フタツメオオシロヒメシャクは触角の形状で雌雄を見分けられるらしいのですが、今回の静止状態ではともに前翅の下に触角を隠しているので、性別は不明です。
触角も脚も見えません。
大きさに性的二型があるのかな?
なんとなく、左の大きな個体Lが♀で、右の小さな個体Rが♂ではないかと勝手に推測したのですが、定かではありません。
後述するように、今回成虫が留まっていたイタヤカエデはフタツメオオシロヒメシャク幼虫の食餌植物ではありません。
求愛行動ではなく集団塒 だとしたら、ちょっと面白い話です。
白い翅の蛾は森の中でよく目立つので、寝るときに群れを形成すれば、捕食者に襲われる確率を少しでも減らせるはずです。
2頭が向かい合って並ぶことで、前翅にある眼状紋の威嚇効果を高めているのでしょうか。
動きが乏しいと動画ブログのネタになりませんから、飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:21〜)
まずは物を投げつけてみました。
イタヤカエデの幼木に物がぶつかって葉が揺れても、蛾の反応は鈍く、葉に止まったままで逃げようとしませんでした。(映像は割愛。)
仕方がないので、次は蛾に直接触れてみることにしました。
右手の中指で右の個体R♂?の左後翅にそっと触れると、準備運動無しですぐに飛び立ちました。
もう1頭もつられて(連鎖反応で)飛び立つかと予想したのですが、意外にもイタヤカエデの葉の上に居残っていました。
続けて左の個体L♀?の右前翅に触れると、すぐに飛び去りました。
力強く羽ばたいて慌てて逃げる様子をスーパースローで見ても、残念ながら触角の形状は分かりませんでした。
性別を知るには、一時的にでも捕獲・採集しないといけないようです。
今回、蛾の同定には『くらべてわかる蛾 1704種』という図鑑のp62を参考にしました。
「小型で後翅の紋が薄め」というキャプションも考慮してフタツメオオシロヒメシャク(Problepsis albidior matsumurai)が一番似ていたのですが、「暖地性」という記述が気になりました。
Perplexity AIに相談してみると、
フタツメオオシロヒメシャクは本来南方系の蛾で、暖地性とされており、従来は九州以南でよく見られ、本州の温暖な地域にも分布しています。しかし、最近の温暖化の影響で、九州以北の地域にも生息域を拡げているという記録があります。 山形県などの北国でも、近年の気候変動による温暖化で成虫が見られる可能性が高まっていると言えます。6月中旬の山形県の里山での観察も、温暖化の影響が関わっている可能性があるため、暖地性でありながら見られることは十分にありえる状況です。 まとめると、山形県には以前は分布していなかった種かもしれませんが、近年の温暖化に伴い北上し、見られるようになったと考えるのが妥当です.フタツメオオシロヒメシャクの食餌植物はモクセイ科らしいのですが、私のフィールドで自生するモクセイ科の樹木はマルバアオダモぐらいしか思いつきません。
里の人家近くの環境ではトウネズミモチやキンモクセイなどが植栽されているので、それらを利用しながら分布を広げている(北上中)のかもしれません。
それとも、フタツメオオシロヒメシャクと同定した私の判断が間違いですかね?
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