前回の記事:▶ 夕方に腹這いで休むニホンアナグマ♀【トレイルカメラ】
2023年5月上旬
ニホンアナグマ♀(Meles anakuma)の営巣地を2台の自動センサーカメラで見張っています。
シーン1:5/1・午後20:21(@0:00〜)
晩に夜這いに来た余所者の♂が珍しく左奥の巣口Lに座り込み、♀が出てくるのを見張っています。
巣の主が外出から戻って来たのか、画面奥を振り返って警戒しています。
慌てて広場に走って来た♂が、右の林内に走り去りました。
このとき右手前の巣穴Rに避難しなかったことから、ヘルパー♂ではないと考えています。
そもそも今回登場する「♂」は外見からして♂っぽくありません。
若い♂なのかな?
外性器が見えないので確定できないのですが、前後の行動から求愛♂とみなしています。
しばらくすると、別個体が画面の左端から巣口Lに登場しました。
次の映像を見ると、同一個体がぐるっとひと回りしてきたという可能性は除外できます。
シーン2:5/1・午後20:24・気温18℃(@1:31〜)
別アングルで撮れた映像を見てみましょう。
気温はおそらく異常値です。
夜這い♂が営巣地(セット)の広場から二次林内を右上奥へ走って逃げました。
別個体が画面の左下隅から登場。
巣口L、Rの横を通って広場を右へ。
さっき走って逃げた個体の後を追いかけているのでしょうか?
シーン3:5/3・午前3:28(@2:05〜)
2日後の未明、夜這いに来た♂が巣口Lの左に座り込んで体をボリボリ掻いています。
手前に忍び寄ると巣口Rを覗き込み、身震いしました。
このとき♂の求愛声(ジェジェジェビーム♪)を発したはずですが、聞き取れませんでした。
♂が奥へ立ち去ろうとすると、異変を感じた♀(右目<左目)が巣穴Rから出てきました。
余所者の夜這い♂と対峙して目の前で身震いしただけで、♂は逃げ腰になりました。
左にちょっと退散しかけたものの、♂が慎重に正面から♀に近づき、互いに匂いを嗅ぎ合います。
そのまま親密な相互毛繕いを始めました。
これは交尾前の前戯なのでしょうか?
シーン4:5/3・午前3:30(@3:35〜)
相互毛繕いを5倍速の早回し映像でご覧ください。
シーン5:5/3・午前3:30(@3:49〜)
長々と相互毛繕いしていたのに、急に機嫌が悪くなった♀が軽く唸って♪しつこい♂を追い払いました。
♂は少し離れた所に座っています。
再び♀に近づこうとするも、牽制されたのか、♂は諦めて右奥の茂みの陰に隠れました。
広場に残った♀は独りで身だしなみを整えています。
♀が交尾する♂の選り好み(配偶者選択)をしているのでしょうか?
発情期が終わったら♀は♂と交尾しなくなります。
この♂は前年までヘルパー役を勤めた個体(息子)ではないか?と勝手に想像してみました。
あるいはヘルパーに選ばれなかった兄弟(♀の若い息子)かもしれません。
シーン6:5/3・午前3:33・気温2℃(@4:23〜)
別アングルの監視カメラに切り替えます。
広場の少し左、マルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)の茂みの陰で♀が独りで毛繕いしています。
そこへ夜這い♂が左の茂みから近づいて来ました。
♀♂2頭が林縁ですれ違いました。
♀は広場に残り、♂は少し奥の林内で体を掻いたり毛繕いしたりしています。
やがて♀が広場から軽く突進して♂を追い払いました。
逃げた♂は少し逃げただけで、♀の様子をうかがっています。
♀が歩いて左下に移動し始めました。
採餌やトイレ(排泄)に出かけたのかな?
♂は♀について行くでもなく、広場の匂いを嗅ぎながらうろついています。
そのまま♂が巣口Rに近づこうとしたら、♀が左下から戻ってきて巣口Lで座りこみました。
それを見た♂は慌てて右へ逃げて行きます。
♀がセットの広場に戻る途中で2分間の録画終了。
シーン7:5/3・午前3:33(@6:24〜)
別アングルでも撮れていました。
広場に戻った夜這い♂がしばらくカメラ目線で警戒した後、地面の匂いを嗅ぎ回っています。
こちらの旧機種カメラは電池が消耗して、断片的な映像しか撮れなくなりました。
シーン8:5/3・午前3:34(@6:46〜)
巣口Lの横で座っていた♀が立ち上がると、地面の匂いを嗅ぎ回ります。
さっき来た夜這い♂の残り香を調べているのでしょう。
広場に座り込んでカメラ目線になると、左右の目の大きさが非対称であることが分かります(右目<左目)。
立ち上がって身震いし、手前に歩き出したところ録画終了。
シーン9:5/3・午前3:35(@7:06〜)
別アングルの監視映像に切り替えます。
広場に佇んでいた♀がようやく入巣Rしました。
そのまま映像を撮り続けると、右から別個体(おそらく♂)がセットにやって来ました。
巣穴Rには立ち寄らず、少し迂回しながら左へ素通りしました。
シーン10:5/3・午前3:36(@7:49〜)
続きを別アングルの監視映像でご覧ください。
夜這い♂が左奥の巣穴Lに立ち寄ってからまた広場に戻ってきて巣穴Rを覗き込みました。
体を掻いてから右の林内に立ち去りました。
未明のしつこい夜這い行動はこれで一段落しました。
シーン11:5/3・午前23:23・気温8℃(@7:49〜)
同じ日の深夜に♀が右の巣穴からひょっこり外に出てきました。
手前(画面下)へ走って来ます。
カメラの背後で激しい鼻息や物音が聞こえるのは、おそらく♀が夜這い♂を撃退する行動と思われます。
画面下から広場に戻ってきた♀が立ち止まって身震いし、今度は左へ立ち去りました。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
※ 鳴き声が聞き取れるように音声を正規化して音量を強制的に上げています。
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