2019年10月上旬・午前11:15
平地の農道と林縁に挟まれて育ったアキノノゲシの群落でホソバセダカモクメ(Cucullia fraterna)の幼虫が群がっていました。
アキノノゲシは本種幼虫の好きな食草の一つですが、花後の一株にこれほど多く(6匹?)の個体が群がっているのを見つけたのは初めてです。
細かく分岐した茎のあちこちに発育状態(齢数)が様々の幼虫が分散していました。
おそらくタイワンヒゲナガアブラムシ(Uroleucon formosanum)と思われる赤いアブラムシのコロニーもアキノノゲシの茎や果柄にびっしり群がっています。
どうしてこれをわざわざ動画で記録したかと言うと、以前ホソバセダカモクメ幼虫が単独でアキノノゲシの茎にしがみついていた時に、奇妙な足踏み運動をしていたからです。
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大きく育った幼虫の複数個体が食草の同じ株で競合しないように、振動による信号を発しているのではないかと大胆な仮説を立てました。
しかし今回見つけた幼虫は、食草の同じ株に複数個体が集まっているのに1匹も足踏み運動をしていませんでした。
したがって、謎の行動は「足踏み運動」ではなくて、風で激しく揺れる茎から滑り落ちないように胸脚で茎を握り直していたのだろうと思い直しました。
この株に注目して定点観察に通うつもりだったのですが、数日後には農道沿いの雑草がきれいに草刈りされてしまいました。
今季は他にもホソバセダカモクメ若齢幼虫の飼育を試みたら、採取してきた食草アキノノゲシが農薬(殺虫剤)に汚染されていたらしく、幼虫が全滅してしまったという事件もありました。
ホソバセダカモクメ幼虫の暮らしについてじっくり本格的に調べるのなら、やはり自分で食草を栽培するところから始めないといけないようです。(レタスの無農薬栽培など)
不思議なことに、同じ時期(秋)にノゲシ属のオニノゲシをいくら見て回っても、ホソバセダカモクメの幼虫は見つかりません。
(アキノノゲシはレタスと同じアキノノゲシ属。)
オニノゲシの実でも食前にトレンチ行動をするかどうか興味があるので、飼育下で試してみたいと思います。
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写真には5匹のホソバセダカモクメ幼虫が写っています。 |
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