2020年1月中旬・午後12:05頃・くもり
昼過ぎに何者かが甲高い声でキョン、キョン、キョン…♪と鳴き続けていました。
かなり遠くまで響き渡る大きな鳴き声です。
誰か子供(ヒト)が笛を吹いて悪戯しているのかと思ったぐらいです。
気になって探し回ると、平地で民家の庭に聳え立つメタセコイア(=アケボノスギ)の梢で啄木鳥が鳴いていました。
なんとなく猛禽類かと予想したのですが、聞き覚えのない謎の鳴き声の主は意外にもアオゲラ♂(Picus awokera awokera)でした。
しかし私は啄木鳥のこんな鳴き方は聞いたことがありません。
縄張り宣言は、嘴で幹を激しく叩くドラミングのはずです。
▼関連記事(7年前の撮影では♀がキョッキョッ♪と鳴いていました。)
アオゲラ♀の木登りと鳴き声♪【冬の野鳥】
手元にある鳥の図鑑で何冊か調べ回ると、繁殖期に特有の
(アオゲラの)鳴き声は、キョッキョッ。飛翔時にケレケレケレと鳴くこともある。繁殖期には口笛のようなピョーピョーピョーという声も発する。(wikipediaより引用)
高木清和『フィールドのための野鳥図鑑:野山の鳥』でアオゲラのさえずりを調べると、
さえずり:ピュー、ピュウー、ピュウー、コロロロロロローン(さえずりと枯木をたたく音がまじる)/ピヨー、ピヨー(通る声)(p46より引用)
高野伸二『山渓カラー名鑑:日本の野鳥』でアオゲラを調べると、
声:主として繁殖期に「ピョー、ピョー、ピョー」と、笛のような大きな声で鳴く。(中略)飛び立つ時には「ケレレレ」と鳴くことが多い。(p368より引用)
鳴く合間に、黒っぽくて細長い固形の糞を排泄しました。(@0:25)
背景が曇り空の逆光のため、肝心のアオゲラの色姿がはっきり見えません。
私がそっと回り込んで順光から撮ろうとしたら、この辺りを縄張りとするヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)が飛来してアオゲラを追い払ってしまいました。
図鑑の記述とは異なり、アオゲラ♂が飛び去るときにケレレレ♪と鳴くことはありませんでした。(@0:49)
アオゲラ♂と入れ替わるように飛来したヒヨドリが、少し下の小枝に止まりました。
メタセコイアは針葉樹なのに冬には落葉します。
※ 動画編集時に彩度を少し上げています。
また、音声を正規化して音量を強制的に上げました。
アオゲラ♂の囀り を声紋解析してみる
上の映像では定時(正午)に鳴り響く街のサイレン♪が耳障りで、声紋解析の邪魔でした。
9日後の1月下旬・午前9:04に同じ場所で再びアオゲラ♂が繰り返し鳴いていました。
おそらく前回と同一個体なのでしょう。
このときは物陰の死角になっていて鳴く姿を撮れなかったものの、窓ガラス越しに鳴き声だけでもハンディカムの動画で記録しました。
正規化した音声をブログ限定で公開しておきます。
オリジナルの動画ファイルから音声を抽出してから鳴いている部分だけを適当に切り取り、スペクトログラムを描いてみました。
今回混じっているノイズは、ハンディカム内部の動作音や私の鼻息などです。
犬の飼い主は皆さんご存知のように、街のサイレン♪や救急車、パトカーのサイレンが鳴る度に競い合うように(つられて)イヌはアォーン♪と遠吠えをします。
もしかするとアオゲラ♂もそうなのかと思ったのですが、静かな朝にも囀っていたので、サイレンの音とは関係ないことが分かりました。
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